歴史の中のワイン (文春新書 1178)

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  • 文藝春秋
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  • / ISBN・EAN: 9784166611782

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  • 897

    つまり熟女にならないと駄目なの

  • 2019年7月14日読了。

    ●「神は水を造った。人は酒(ワイン)を造った」
    ヴィクトール・ユーゴー

    ●ワインという飲み物が、どこで、いつ頃造り出されたか
    という話になると、西欧文化の発祥地、メソポタミアに
    なる。

    今日のワインの原型ともいうべきものを創り上げたのは
    古代エジプト。「圧搾・搾汁」「貯蔵・熟成」という技
    術を身に付けた。

    ギリシャで大衆のものに。

    ●「この杯はあなたがたのために流す私の契約の血であ
    る」これが、決定的にワインとキリスト教との切っても
    切れない関係の絆になった。→新約聖書

    神に注ぐ供物→旧約聖書(モーゼ)

    ●ヨーロッパ文化の思想的源泉はギリシャである。
    ユダヤ人の古代宗教に基礎を持つ崇神思想のヘブライズ
    ムと、真実追求そして人間の理性を尊重するヘレニズム
    とは、ヨーロッパの精神世界を二分する二つの底流であ
    った。

    ●5世紀末、フランスの初祖クローヴィスが戦いに勝利し
    妻のすすめでキリスト教に。ランスの大司教聖レミの
    洗礼を受ける。その時のワインに霊感を受け、フランス
    とワインの関係は切っても切れないものに。

    ●プラトン「飲酒論」
    アルケストラトス 大叙事詩
    「美食学(ガストロノミア)」

    ●中世のヴェルサイユ宮殿では、フランス国内および世界
    各国の名酒が飲まれていたが、最も飲まれていたのはブ
    ルゴーニュ・ワインだった。コート・ド・ニュイ地区の
    シャンベルタンやロマネ・コンティが有名になる前は、
    少し南のコート・ド・ボーヌ地区のヴォルネイ村のワイ
    ンが宮廷御愛飲酒だった。

    一方、ボルドー・ワインの方は、パリから遠くて運搬の
    便が悪かったこともあるが、フランスの宿敵英国人の愛
    飲酒だった。

    ●ブルゴーニュのブドウ栽培の改良を担ったのはシトー派
    という修道院の僧侶たちだった。神へ捧げるべきワイン
    造りについて純粋を追求した。

    ボルドーはネゴシャン(酒を大量に売りさばく酒商)が
    売りに出す大衆用の量産ワインと、貴族達が造った高級
    シャトー・ワインとがはっきりと分かれていた。

    ●ブルゴーニュ→ワイン生産の民主的風潮を生み
    優れた名酒を作る小生産者を輩出。

    ボルドー→元々、貴族の領地で、自分たちの飲むワイン
    を自分たちで造った。

    ●レストランの始まりはフランス革命に由来する。
    ロマネ・コンティの持ち主でもあった美食家コンティ公
    が国外に逃亡したため、失業した料理人ロベールが
    レストランを開業したのがきっかけ。

    ●P118 「パリスの審判」カリフォルニアワインの台頭

    ●P142 インクの染みがある机の逸話

    ●シャンパンに対してのナポレオンの発言
    「勝った時は飲む価値があり、負けた時は飲む必要があ
    る」、そのナポレオンが大好きだったとされているのが
    「シャンベルタン」

    ●フェルナン・ポワンと言えば、名声が鳴り響いたフラン
    ス料理の巨匠で、ボキューズやトロワグロもその弟子で
    ある。リヨン市の少し南にヴィエンヌという街がある
    が、そこのレストラン「ピラミッド」はポワンの本拠で
    ある。

    ●コート・デュ・ローヌ
    「シャトー・ラヤス」先代のルイが変人・奇人の造り手
    だったが、あとを継いだジャックも親譲りの頑固な男。

  • 【これが本当の?神の雫?だ!】ワイン製法の革命的変化の歴史と楽しみ方の変遷をたどりつつ、著者を魅了した十三本のワインを紹介。教養としてのワイン書の決定版!

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著者プロフィール

弁護士、日本輸入ワイン協会会長、フランス食品振興会主催の世界ソムリエコンクール日本代表審査委員。永年にわたり生産者との親交を深め、豊富な知識をもとに、ワイン関係の著作・翻訳を著すなど日本でのワイン普及に貢献する。主な著書に『シャンパン大全』『ワインの世界史』(ともに日経ビジネス人文庫)、『歴史の中のワイン』(文春新書)、『チリワイン』(ガイアブックス)、主な監修書に『世界のワイン図鑑 第7 版』(ガイアブックス)ほか多数。

「2021年 『世界のワイン図鑑 第8版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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