新装版 されどわれらが日々 (文春文庫) (文春文庫 し 4-3)

著者 :
  • 文藝春秋
3.41
  • (21)
  • (49)
  • (68)
  • (12)
  • (7)
本棚登録 : 611
感想 : 64
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167102050

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久しぶりに良質の小説を読んだ気持ちになれた。
    力強く、哀しい物語

  • 大学で自殺した女の子。睡眠薬をぽりぽり食べながら、速達で手紙を書いてたけど、どうやって出したんだろう。
    その辺を、何回も読み返したけど、分からなかった。

  •  
    ── 柴田 翔《されどわれらが日々 19740625 200711‥ 文春文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4167102056
     
    ── 柴田 翔《されどわれらが日々 1964‥‥ 象 19640800 文藝春秋》
    /第51回芥川賞/累計186万部
     
    …… 人間にとって、過去はかけがえのないものです。それを否定する
    ことは、その中から生れ育ってきた現在の自分を殆ど全て否定してしま
    うことと思えます。けれども、人間には、それでもなお、過去を否定し
    なければならない時がある。そうしなければ、未来を失ってしまうこと
    があるとは、お考えになりませんか。(婚約者の文夫との平凡で平和な
    生活を捨ててまで、あえて新しい一歩を踏み出す節子の覚悟)
    http://meiserihu.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-5f6b.html
     
    <PRE>
     柴田 翔  作家 19350119 東京 /独文学/東京大学名誉教授
    ♀三宅 榛名 作曲 19420920 東京 /ピアノ/籍=柴田 翔の妻
    ♀柴田 暦  歌手 19‥‥‥ 東京 /女優/翔&三宅 榛名の娘
    </PRE>
     
    http://booklog.jp/search?keyword=%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A9%E3%80%81%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%89%E3%81%8C%E6%97%A5%E3%80%85&service_id=1&index=All
     
     ◆
     
    http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8809045.html(20141031 17:00)
     
     上記サイトの他に、アマゾンのカスタマーレビューもあります。
     
    (20141101)
     

  • 全共闘世代の、暗くて重たいインテリ小説。静かでシリアスな文体は、いまでも魅力的です。

  • にくいにくい、最後のひとことに何も言えなくさせられてしまう。

    庄司薫にも共通する、「少年いかに生くべきか」というテーマだとおもって間違いはないのだろう。大戦後ひと段落した日本にあってこそのぐにゃぐにゃした思いに突き動かされてというものなのだろうか、学生運動時代の青年たちの在り方というのは(あまりにも浅学)。

    もちろん私はこういうテーマが大好きなのだけど、
    どこかいまいち、おじさまの女性蔑視発言にもぶちっときてしまったのでもう無理です。受けとりかたが間違っていたのならごめんなさいとしか言えない。

  • 芥川賞受賞作家。ゲーテに関する著書翻訳で有名な柴田翔。
    灯台文学部英文選考の大学院生である主人公。主人公の婚約者節子は、結婚によって新しい生の意味を得ようとする。
    そんな二人の暗中模索する話。

  • 夏目漱石のこころのKの手紙のような手紙が続々と出てきて、閉塞感に包まれる。

  • 頭でっかちが主人公。これは作者にも言えることかもしれない。まわりの人間が2人も自殺しているのにそれが全く主人公の精神に反映されず、理解という言葉で片付けられてしまうのは、今の時代でさえ不自然。そして怠惰に続く物語にうんざり。最後の2章を活かして短くまとまれば、芥川賞受賞の青春未熟者小説としてうなずけるのに。同時収録の作品は描写が丁寧でおもろかった。

  • 飲み会の席、「自分は裏切った」という気持ちが今も消えない、と話してくださった尊敬する人からの紹介本。なぜこの本を薦められたのかがよく分かりました。そして、あの告白の意味もおぼろげに。

    政治不在をいわれる日本にも確かにあった政治の季節、60年安保闘争の頃のお話。登場人物はみな東大在籍者を中心とするエリートばかり。彼ら彼女らが、生きるということに真摯に向き合い苦悩します。ただ、皆が一様に狭隘な心持ちで、独り善がりな自己挿話と偏執的な価値観に基づく独白(主に手紙の形で)を展開するため、共感からは程遠い感想を持ちました。時代の特殊性と言ってしまえばそれまでですが、彼ら彼女らのように生きることの意味を窮屈に突き詰めるのではなく、生きることそのものに価値を見て命を全うする。わたしはそんな人生を望みます。

  • 1964年版単行本を読了。表題作と短篇「ロクタル管の話」を収録。
    大島と節子は、空虚な過去からくる互いの諦めを認めながら婚約する。しかし、節子は馴れ合いの関係に焦燥と疲労感を覚え、意味ある生を求めて一人で新しい生活を始める。
    二人を中心に、困難をもって同じ時代を生きた人々の願いと挫折が明かされる。

    内面描写が主。学生運動の重みは想像できないが、登場人物たちの抱える空虚感や苦悩や痛みは現代の私たちのそれと何も変わらない。
    節子の自己欺瞞の告白と自立の道を歩む決意が、自分の怠惰を暴かれたようで心に深く突き刺さった。大島は節子の事故によってはじめて彼女への愛を自覚するが、彼が彼女の勇気を称えるのはいささか傲慢に感じる。生を求める人が英雄ではなく、誰もがそれを目指すべきだ。馴れ合いを選んだ時点で人は老いるのだろう。
    安穏な生活それ自体は悪ではないが、それを惰性的な無意味なものにしないために自分を持ち続けなければならない。この本は自分にとって警告であり、決断をする人には後押しとなるだろう。

    「ロクタル管の話」はラジオ少年の話。電気回路への憧れを、決して見えない世界が確実にありそれを信じうることと説明する。くどく感じたのでこちらは星2つ。

全64件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

作家、ドイツ文学研究者。
1935(昭和10)年1月 東京生まれ。
武蔵高校から東京大学へ進学、工学部から転じて独文科卒。
1960(昭和35)年 東京大学大学院独文科修士修了、同大文学部助手。
1961(昭和36)年「親和力研究」で日本ゲーテ協会ゲーテ賞。
 翌年より2年間、西ドイツ・フランクフルト大より奨学金を得て、留学。
1964(昭和39)年『されどわれらが日々─』で第51回芥川賞。
 東大助手を辞し、西ベルリンなどに滞在。帰国後、都立大講師、助教授を経て
1969(昭和44)年4月 東京大学文学部助教授、のち教授。文学部長を務める。
1994(平成6)年3月 定年退官、名誉教授。4月、共立女子大学文芸学部教授。
2004(平成16)年3月 同上定年退職。

「2019年 『〈改訂増補版〉詩に映るゲーテの生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柴田翔の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
村上 春樹
三島由紀夫
フランツ・カフカ
遠藤 周作
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×