- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167112387
感想・レビュー・書評
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槍ヶ岳を初登攀した修行僧・播隆の物語。カテゴリーを山岳小説にしたが、純粋な登山話ではない。槍ヶ岳開山を志したころまでは良かったが、終盤はイマイチ。大名や幕府の老中がからんだり、最後は弟子同士の色恋沙汰が露見したり、ストイックな主人公を世間が俗化させようとする、宗教小説のようになってしまった。
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史実の播隆上人とだいぶ異なっている。最後まで自分が手をかけた妻のことを悩み生き抜いた市井の人という設定は、人間味溢れるとはいえ、自己本位といえばそれまで。自分の意志を言わず黙してあらゆる煩わしさから消極的な人物に思えた。
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山岳宗教小説。昭和43年の作品。格調高い文体だが内容的には今ひとつの感想を持った。点の記のほうが小説としては良い。
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槍ヶ岳に登ったことがあり、興味を持って読んだ。
播隆上人の描き方がよく練られていると思った。 -
今となってはという内容。人物象に感情移入できない。他に読みたい本があるので、途中で断念。
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史実に忠実かは別として、播隆上人の素晴らしさが分かる。ちょうど槍ヶ岳に行く前に読み始め、帰路で読み終わった。思い出の一冊になった。
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私を山へ向かわした本の一冊。山に行くたびに読み返している。宗教観を考える機会の少なかった自分に 山を通じて考えさせてくれる一冊。
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悟りへの道は一心不乱になることだ。
播隆上人はそれが高い山に登ることだったが、人によっては、一心不乱になることが、厠の中だとしたら、それはそれでもいいのだ。
何人かの人が、おはまのことは、取って付けたようでいかがなものか、とかいていたが、確かにくどいと思う。もっと違うものに突き動かされて、槍ヶ岳開山をしたのだと思う。例えそれが名声を求めたものだとしても、その方が播隆上人らしいと思う