風の果て (下) (文春文庫) (文春文庫 ふ 1-21)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167192211

感想・レビュー・書評

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  • 青春小説の部分、ビジネス小説の部分。いろんな部分があるように思います。自分の将来に夢と不安を持った青年5人、若くして不幸な死を遂げるもの、権力者になるもの、貧しいながらも幸せな家庭をもつもの、悲しい生涯を遂げるもの。主人公と近い年齢の私も、友人達と重ねてしまいます。若くして亡くなった奴、一部上場企業の社長になった奴、行方知らずの奴。自分は、このままでは悲しい生涯を終えるのかもしれないと悲観的になってしまいます。面白かったです。

  • 今は、清廉な家中藩士が清廉たるが故に借金に苦しむような時代だった
    その地位にいたりついたものでなければわからない、権勢欲としか呼びようがないその不思議に満たされた気持ちは、又左衛門のような、門閥もさほどの野心もない人間をも、しっかりと捕まえて離さなかったのである

  • 現在と過去を行ったり来たりしながら描かれた、「前髪のころ」の仲間だった5人の話。なんか胸が苦しくなるような話だったな…。

  • 藤沢周平さんの作品は初めて読みました。読み始めに感じた結末とは異なりましたが、上下巻一気に読めました。又左衛門、市之丞、皆格好いいですね。

  • 2018.2.2(金)¥100(-2割引き)+税。
    2018.4.2(月)。

  • かつての軽輩の子は、家老職を占めるに至る。栄耀きわめたとはいえ、執政とは孤独な泥の道である。策謀と収賄。権力に近づいて腐り果てるのがおぬしののぞみか、市之丞は面罵する。又左衛門の心は溟い、執政などになるから友と斬り合わねばならぬのだ。逼迫財政打開として荒地開墾の鍬はなお北へのびている。

  • 読み物としては面白いが、
    読後感としては、なんだかな・・・という感じ。

  • 男の友情と権力闘争の果てにあるものは?読み進めていくと、広がり続ける展開を、残り少ないページでどう話しが結ぶのか気になってしょうがない!!

  • 突拍子もない発想かもしれないが青春映画の古典『ビッグ・ウェンズデ―』を思い出した。江戸時代の侍達と60年代のカリフォルニアに集うサーファーの何処に共通点があるのかと問われれば答えに窮するが、恐らく共に青春の残照を時々懐かしみながらも前に進まざるを得ない、過去から未来にしか流れない時の流れを描いた作品と言えよう。水曜にやって来る世界最大の波に相当するのが本作に出てくる大蔵が原という未開の荒れ地である。変わらざるを得ない者と変わらないものの対比が作品に深みを与えている。映像の方も無性に見たくなった。ググるか!

  • 主人公・又左衛門(隼太改め)は旧友と対決。爽やかだった青年たちが権力闘争をするのは正直な姿かも知れません。主人公が心の中で、一番純粋だったのは「厄介叔父」のまま一生を終えた市之丞だったかも知れないと思う場面は会社生活も終盤になった今の自分に照らし痛いほど分かるように思います。今から過去のいくつかの時点を振り返るという手法で一気に読ませる技術は秀逸ですが、やや分かりづらいかも知れません。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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