- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167200473
感想・レビュー・書評
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2011 2 3
そういうラストか。
おごうは天命に恵まれていたのか。
やはり男性無しに生きて行けないのが女性。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おごうの二番目の夫・秀勝が亡くなり、岐阜城を明け渡すことになる。新城主は子供の頃、秀吉が担ぎ上げた三法師として知られた秀信。
おごうの侍女のおちかは謎の男「ちくぜん」と城下で再会する。
身重のおごうは大阪へ出向くが、やはり妊娠中の茶々からは沙汰もない。
無事に生まれた後になって呼ばれるが、前より綺麗になったおごうを見る秀吉の目が気に入らない様子。
やがて、秀忠との間に縁談が。
おごうの娘おきいはすくすくと育ち、茶々の養女に迎えられる。
秀忠は17歳。
文武の修行を毎日怠らない律儀な男。
おちかの目には平凡と映るが、並べたところが実はお似合い。
側室を持たなかったことでは有名だが、実は浮気はしていたのよねえ。
茶々の気の強さは意地悪くも見えるが、この時代の女性の生き方は生死に関わる。女城主として合戦していたも同然の立場だと思うと納得がいくような。
家康のやり口はずいぶんだが、茶々と秀頼には一大名として生き延びる道もあったわけなのに、それは拒否したわけだからね。 -
浅井三姉妹(茶々、初、江)の江メインの話。
自分の人生を切り開く茶々と、自分に与えられた道を進む江。その対照的な人生を作者独自の目線で展開した小説。 -
浅井三姉妹の仲は決して良いわけではなかった。
それを前提に江姫の侍女である おちか を主人公として物語は進んでゆきます。
結果として、骨肉の争いに至らんばかりの渦巻く煩悩に振り回されるおちかのストーリーにドロドロ感を否めない内容となっていますが、逆にリアリティさはヒシヒシと伝わってきます。
この小説は江姫をメインで描いているものではありません。
が、浅井三姉妹の茶々、お初、そして江姫のそれぞれの人生のなかで、江姫を中心に彼女たちの周りで起こった出来事を深く理解することができました。
また、永井路子さんが独自の視点で展開をする、
『歴史のたられば推論』
には、思わず目を見張るものがあり、さすがは歴史小説家と思わずにはいられませんでした。
時折、史実を明らかにする文献史料などを引用しつつの描画に強い説得力を感じさせて頂いた本書の評価★は4つとさせて頂きます。 -
おもしろかった!
お江にはドラマの『大奥』での高島礼子さんのイメージが強かったので
美しいわけではなくもの静かなお江は新鮮だった。 -
さまざまなものに縛られていく江戸時代の前であるから、自由な空気はあってもいいけど、ホームドラマ並みのものの言いようには終始閉口…
が、作者もあとがきで言うように、どういった人物像にも描けるポジションの人であり、時代であり。。それだけに、この「乱紋」に描かれたおごうはユニークであることは間違いないでしょう。 -
関ヶ原の戦いでついに、姉である淀君と両陣営の頂点で敵対することになったおごう。夫との別れ、夫の死、幼い娘の嫁入り、妾の出産。感情を表に出さず、ただおっとりとかまえて受け入れていく様はときに非情ともとられますが、そうでもしなければ過酷な運命に身を委ねることはできなかったのでしょう。
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物語の最後の数ページは私の人生をゆさぶった。
そして、夜寝る前にその数べージを読みたくなって本を手に取る日々が続いている。