昭和精神史 戦後篇 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167242053

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  • 明治維新から今にまで続く、日本人のメンタルモデルの変遷を理解しようと手に取った。題名から想像するような「歴史年表的」な筆致ではなく、全体的には散文的で、著者の想いが濃くて、いまいち入り込めないところも多い。一番印象に残ったのは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」への記述。司馬の書いた明治の「明るさ」は、「合理的精神のもつあかるさ」であるという。その後、日露戦争からその「あかるさ」は消え、暗い精神の時代に入っていく。これは、いまの企業組織にも通じる点。合理主義ではない、素直に現実を視る、あかるい合理的精神が組織にも必要と考える。

  • 文藝評論家の桶谷秀昭による、昭和の「精神史」。<BR>
    <BR>
    本書は戰後の思想・精神を概觀してゐる。<BR>
    戰後の昭和といふ時代を「思想」といふ觀點から俯瞰する試みは他に寡聞にして聞かない。<BR>
    その意味で本書は、かなり難解な部分もあるが、貴重な存在だと思ふ。<BR>
    <BR>
    2004年7月10日讀了

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著者プロフィール

文藝評論家。昭和7(1932)年、東京生まれ。30年、一橋大学社会学部卒。村上一郎と「無名鬼」により評論活動を始める。53年に『ドストエフスキイ』で平林たい子文学賞、58年に『保田與重郎』で藝術選奨文部大臣賞、平成5年には『昭和精神史』で毎日出版文化賞、7年に『伊藤整』で伊藤整文学賞を受賞。他の主要な著作に『天心 鑑三 荷風』『北村透谷』『中野重治』『二葉亭四迷と明治日本』がある。

「2021年 『昭和精神史 戦後篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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