春の夢 (文春文庫 み 3-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348038

感想・レビュー・書評

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  • 初めて宮本輝さんの本を読みました。
    偶然トカゲとの生活を強いられた青年の苦悩とラブストーリー。
    細かい描写やトカゲを思う気持ちの変化が絶妙に面白かった。トカゲなしでは成立しないストーリー。

  • 最初の主人公の暗くてネガティブなキャラはまるで太宰治の小説を読んでいるかの様だったが、陽子という心の綺麗な恋人と自身の分身の様な身動き出来ない1匹のトカゲのお陰で更生して行く展開が面白い。作風に少し猥雑さを加味した宮本輝の新境地と言えそうな内容です。

  • 春の夢っていう爽やか系の題とブラーブの「青春!」って文字騙されたけど、これめちゃくちゃ重・キモ・胸糞系文章だった…けど展開とかテンポが良くて1日で読めちゃった。でもやっぱ読んでる間苦しかったな…

  • 再読。

    トカゲの描写が気味悪くて 途中でやめたんだった。

    今回も四日振りの所で ヲエ、、となる。

    どーしよ??

    この後 面白くなるのかな、、

    トカゲの部分を飛ばせばいいのか?

    トカゲは必要なのか??

    また 何でこんなことにしたんだよー。

    気持ち悪い

  • 1988年刊行。

     父の残した借金のため、貧困と暴力の罠から逃れられない青年。その青年をとりまく恋人、仕事仲間、恋敵、人生の先輩、家族、そして一匹の蜥蜴。
     彼らとの葛藤や、生き様を見て、諦観する人生から自らの殻を破っていく。そんな青年の姿が、深い陰影のあるタッチで描き出される。
     ドイツ人ラング夫妻とマタキタロウ氏、あるいは主人公井領哲之の母の生き様は、全編に漂う陰影あるタッチに、明るいアクセントをつける。

  • 何年振りやろ、この本読んだの。

    〝春の夢〟

    文學界での連載ん時は〝棲息〟だったらしいよ。


    わたしたちってさ

    生きとるけんこそ

    生そのもんにどげん意味を認めるのかって

    いつも問いかけながらも生きとーよね。


    アタシのこと好いとーと?

    って無邪気に首を傾げて愛するオトコに聞きながらも。


    ワシ…死ぬ準備なんかいっちょんしとらんかったばい…

    と余命が少ないとわかっとんしゃっても。


    5分後かも知れん…あしたの朝死ぬかも知れんけん…

    と不安をぶっちゃけながらも。


    死ぬ事なんか考えてとったら生きとられんたい。

    とバリ強がってみとっても。


    暗か中、間違うて柱に打ち付けられてから釘刺しになりながらも

    生き続けとんしゃっても。


    家族が作った借金という釘に縛られとる主人公の哲之しゃん。

    電車事故で両親を失ったうえに自身も重い心臓病に苦しんでいる磯貝しゃん。

    恋人の陽子ちゃん、京都の沢村千代乃しゃん。

    そして、蜥蜴のキンちゃん。


    そうたい!!

    誰でもたい!みんなみんな

    胸に釘を打たれて生きとるとよ!


    みんな色んな釘が刺さったまま生活しとるとよ。

    だけんね

    生きづらさを感じてもがいてみたり

    ふと胸が痛くなったりするっちゃないかな?


    みんな不自由な似た者同士ったいね。


    生まれながらにして持っとる者と持っとらん者の差

    負わざる得んやった苦悩。



    深刻やったら深刻なほど

    その釘は太く、奥深くまで突き刺さるとよ。

    抜かんかったら身体と一体化してしまうんよ。



    結果の前には必ずその原因があるやろ?
    それが物理学の基本っちゃろ?

    この世の一切の出来事は原因があるから結果があるとよ

    なして人間は生まれながらに差がついとるんやろうかね…

    それにも原因があるはずやん…


    そげんして互いの苦悩を話し、慰めおうていても不安は先立つし

    何も変わらない生活を営みながらも

    生きとったからこそ人生に意味を見出したんよ。





    答えが出たったい!

    それぞれに刺さった釘はどげんして抜いたら良かかを!


    それぞれが勇気を出して行動することやったったい!

    そしたら、釘が抜けたったい!!


    自分の運命・境遇を嘆かんで

    受け入れてからさ

    目標ば持って

    強か意志ば持って

    しゃーないねって

    決して諦めんで生きる気持ちば持って

    行動することで苦悩は克服できるったい!と信じる事が

    生そのものに意味を持つったいね!

    って気付けたと!


    私たちにも刺さっとる無数の釘は

    どうやって抜く?

    それとも

    上手につきあっていこうかね?!


    せっかく素敵な関西弁での作品でしたが
    敢えて私言葉(博多弁)で書いてみました。


    今頃、キンちゃんは何しとうやろー?

  • 2016/03
    本棚整理のため再読、評価変更☆5→☆3

  • 懐かしい、学生時代の想い出。

  • 釘でうたれたトカゲが
    恐怖で、でも、どうなるのか気になり読み進めた。
    全体的に湿っていて、気持ちがじっとりしてくる感じのストーリー。
    感動はしないがインパクトはあった。

  • 壁に突き刺さったヤモリ?だったかな、との話。

    宮本輝の青春小説。
    いいね。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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