愉楽の園 (文春文庫 み 3-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348069

感想・レビュー・書評

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  • 10年以上たって再読。やっぱり良い。

  • 実際にバンコクにいる間に読んでいた本。自分のいる街が舞台になっている小説だから、知っている地名がたくさん出てきてワクワクした。

  • んー結局よくわからない物語でした。読み終わった感想も「で?なんなの?」といった感じ。読み手である私の人生経験が足りないからでしょうか。

  • 再読。

    タイ、バンコクの政府高官サンスーンの愛人として日々を送る恵子、
    突然ホテルで出会った野口。
    ホテルのボーイテアン、部下のエカチャイ、「蛇」チラナン…。

    バンコクの熱い、ねっとりとした、猥雑な、午後の昼寝のような
    濃密な描写が見事で、そこに引き込まれ……
    割とそれだけで良かったかもしれない(笑)

    今ひとつどういう女なのか、よくわからなかった恵子が突然匂いたった
    ダムナーンサドウックの水上マーケットでサンスーンの掌の汗により
    入れ替わった、あの瞬間。
    私としてはあそこで終わってくれても良かった!(笑)

    理解力が足りなくて心苦しいが、あの後でエカチャイによって
    再び変わる恵子の心が、というかなんでそんなことに??
    と状況の変化がようわからない私だったのでした…。

  • タイを舞台した宮本輝の作品。人間のありとあらゆる感情や営みをタイという得体の知れない坩堝の中に注ぎ込んだかのようなストーリーとその文体や行間からあふれ出る混沌は、やはりタイの空気を肌で感じたことのある人間のみが創造しうるものであり、そこに宮本輝氏独自の感性が加わり、妖しく訴えかけてくるものがある。「とめどない夢精の感覚」という言葉にまとわりついて、あのむせ返るような熱気やらパクチーの匂いやら柔らかなタイ語の響きやらその他いろいろのものが渾然一体となり一瞬で私の眼前に鮮やかに蘇る。複雑怪奇なのかごくありふれたものなのかさえもはや判然としない人間模様を描いたこの不思議な物語はタイという坩堝の中で不思議な魅力を放ち続ける。

  • 宮本輝の作品の中で、1、2を争うお気に入りの作品。
    タイトルになっている『愉楽の園』は著者の別作品、“花の降る午後”でも、ボシュの『愉楽の園(快楽の園)』として登場してくる。

    が、特にストーリー的には関係性はなさそう。
    ただ、大好きな著者からの影響は大きい。
    一度でいいからマドリードにあるプラド美術館で本物を自分の目で見てみたいと、柄にもなく思った。
    大体は読了後、
    「ああタイに行ってみたーい」と言うだけのミーハー精神の持ち主なのだが・・・。

  • 9月にバンコクへ行ってきた。2度目である。日本人がタイ人の染まることはないが、タイ人が日本人をどのように見ているか・客観的に見えるくだり納得。そして11月の大洪水・・・

  • 匂いまでしてくるような、やけに生々しくバンコクの街が思い起こされた。

    辟易として嫌悪感すら感じ、それでいて私を魅了してやまないバンコクがここにはあった。

  • 89年の作品やったんや!!

    海外(タイ)を舞台にしているせいか
    20年経った今でも決して色あせない作品。
    淡々と進むストーリーにちょっとした謎を潜ませて
    嫌味なし、癖なし、しかし宮本様的文章で読みやすい!

    彼のリアリティ溢れるすっきりした文の書き方が好きです。タイやベトナムが舞台だといつも頭にはカンボジアの風景を思い出す~
    あながち間違ってないと思う~。

    タイ人の愛人も悪くない。

  • バンコク、タイなどを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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