パン屋再襲撃 (文春文庫 む 5-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.44
  • (239)
  • (455)
  • (1104)
  • (74)
  • (13)
本棚登録 : 4196
感想 : 358
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167502010

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 記憶にある限り、という前提付きだけれども、村上春樹の短編集の中では一番面白いかも。村上春樹ワールドと言ってしまえば身も蓋もないんだけれども、奇妙な設定とキャラクターが妙な現実感をもってストーリーが展開するんですな。
    でもやっぱりこの作家、中長編向きかな。短編だとその想像に没する時間が作家にも読者にも短い気がする。ちょっと唐突感が大きいのかな。
    それにしてもねじまき鳥があんな大作になるんですか、やっぱり才能ある方は違いますな、ほんと。凡人の詰まらぬ感想でした。

  • 短編小説読みあさりシリーズ
    やっぱ厚みが違う。

  • 中でも「ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・
    ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」がお気に入り。春樹さんの小説の、登場人物が顔を洗って歯を磨いてヒゲを剃って料理を作る「生活」の描写が丁寧なところが好き

  • ぼちぼちですね。
    なんとなく村上春樹ワールドが出ていて、
    入り込めそうなところまで行くのですが、
    短編集のせいか、最後までは行けなかったですね。

  • 村上春樹は数冊しか読んでいないのだけど、ぼんやりした私的印象だと、登場人物がそれぞれ独り言を言っているような感じを受けることが多い。
    向かい合っているのに、独り言。
    使われている単語はかぶっているので、会話なのかと思いきや、独り言。
    それが悪いということではないのだけど、むしろ一つの魅力なのだろうけど、私の好みとして人物ががっぷり四つに見苦しいくらい組み合う方が好きなので、読んでもものすごく揺さぶられるということがなかった。
    しかし、この短編集は割と会話が成立しているように思う。
    特に「ファミリー・アフェア」。
    村上春樹の描く女性はメタファーで生きていないように見えることが多いが、この妹はしっかり生きて見えた。
    これについても、私の好みとして好き。

  • 村上春樹的な文体が満載の短編集ですごく好き。ファミリーアフェアの「ノリ」は読ませるしパン屋再襲撃の話も不思議で面白い。ワーグナーのレコードを聴くことでかけられた呪いを新婚の嫁さんと散弾銃を持ってマックで晴らすなんて、トゥルーロマンスみたいでイカす。
    ねじまき鳥と火曜日の女達は、ねじまき鳥クロニクルのモチーフとなった作品。ねじまき鳥クロニクルはかなりの長編なのでなかなか読めないけど、読みたくなった。

  • 今さらこんなことを言うと笑われるを通り越して呆れられると思うのですが、村上春樹の小説って面白いですね。おそらく消費し尽くされた作家なのは分かっているのですが自分にとっては初見なので純粋に楽しみました。

    タイトル作の「パン屋再襲撃」は深夜に腹を空かせた新婚夫婦の会話から始まる物語。これは黒田硫黄著「茄子」を思い出しました。話の流れは全く違うものですがそれにも空腹に悩む新婚夫婦が登場します。

    一番好きだったのは「象の消滅」でした。なぜなら象が好きだから。そんな理由かよ、と思うかもしれませんがこの話の主人公が私と同じくらい象が好きなので私もこの話が好きになりました。彼の気持ちがよくわかるので嬉しかったのです。

    「ファミリー・アフェア」では妹の婚約者が冗談を理解できないつまらない人物として登場します。読者は主人公とともにやれやれと思いながらも少しいい気持ちにさせられます。村上春樹の文章にはこうした読者の優越感をくすぐる描写が多いと思います。

    「双子と沈んだ大陸」だけはいまいちピンとこない感じで読み終えてしまったのですが、よく分からないのだけど気にかかって仕方ないという作品になりました。いつか読み返したいですね。

    全体にどことなくジョジョっぽい雰囲気が漂うとも思いました。「ねじまき鳥と火曜日の女たち」に出てくる通称「路地」とかこのまま第四部の杜王町に出てきてもおかしくないと思います。
    "「路地」とは言っても、それは本来的な意味での路地ではない。正直なところ、それは何とも呼びようのない代物なのだ。"
    これはスタンド使いの仕業でしょう。

    いくつかの話に「ワタナベ・ノボル」という名前が出てきます。同じ人物ではなく名前を意識的に使いまわしているようですね。同じもしくは似たような名前がキーワードになっている作品で真っ先に頭に浮かぶのはスーファミで出てた「ライブ・ア・ライブ」です。いくつかの章に分かれているのですがオディオという言葉をもじった名前のボスがそれぞれの章に出てきます。さらに調べたらワタナベ親子という名前のサブキャラも共通して登場しているようで、これは村上春樹へのオマージュとしてのメッセージだったのでしょうか。

    奥付を見るとこの短編集は25年ほど前に書かれたもののようで、さほど古さを感じなかったので驚きました。また読み返したい一冊でした。

  • ファミリーアフェアのやれやれ感に好感。何も起こらないようでいてもう始まっていたり終わっていたりするお話し群。

  • うーん、やっぱりよくわからない。。。

  • 2014/06/30 読了

全358件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×