LAコンフィデンシャル 下 (文春文庫 エ 4-3)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167527402

作品紹介・あらすじ

事件その1、"血塗られたクリスマス"。署内のパーティで酔った刑事たちが勾留中の容疑者に集団暴行!事件その2、コーヒー・ショップ"ナイト・アウル"で虐殺事件発生!事件その3、複数の余罪を暗示する、あまりにもどぎつい変態ポルノ写真の犯濫!事件1、2で明暗をわけた三人は、それぞれのやり方で悪の中枢へと近づいてゆく。

感想・レビュー・書評

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  • 映画を見てのけぞったのが遠い過去の記憶。
    ホワイトジャズを読んで、「もうお腹いっぱい」という気分で数年経過して、ようやく読んでみようかと。
    再びそのエネルギッシュな何者かへのほとばしる憎悪と自己爆破とでもいうべき執拗な露悪的な「抉る」筆致に、土下座して詫びたい気分になるのに疾走する巨大エンターテイメント。
    こういうのを読むとアメリカの作家魂というか、もはや体力的に何かが完全に異なると思えてしまいます。

    これは暴力的な権力批判でありつつも、男と男と(時折女性の)超絶に遠回りするふれなば切られそうな熱い友情ものでもあるところが、サイコー。

    しかし、疲れた。

  • 圧倒された。
    世にジェイムズ・エルロイのエピゴーネン数多けれど、この凄まじい情念の噴出を真似る事など不可能だろう。登場する人物殆どがまともではない。主人公は、考え方も生き方も違う三人の警官。憎しみ合いながらも、根源的なところで繋がり、最後には結び付く。正義と悪に境目など元から存在せず、本能の命ずるままに、眼前に立ちはだかる、己らよりも卑しい巨悪を粉砕するのみ。後ろに積み上げられた屍の山こそが正義の証しだと言わんばかりに。
    虚無的な終焉は、次の始まりを予感させるものだ。先に待ち受けるものとは、血と暴力の官能的世界、ホワイト・ジャズに他ならない。

  • この作品はエルロイの「暗黒のLA」四部作の三作目にあたります。
    この作家を一語で形容するなら“情念”だと思います。

  • 3人男が怒涛の結末になだれ込む…

  • 110

  • 以前映画を見て、はて、何でこんなに注目されてるんだろう、そんなに面白いか?と疑問だったけど、これ読んで驚いた。全く別物。こんなLAの裏社会クロニクルみたいな代物をたった2時間の映画になんてできるものか。執念と呼べるような執拗な書き込みを最初から最後までテンションを落とさずに描き切った大作。圧巻。

  • 読書会にむけて再読。暗黒のLA4部作の第3弾。警察内部の小狡い知性派エド・エクスリーと実直な肉体派バド・ホワイトの対比、事件の皮肉さに注目。誤った形での愛情の発露、そう思った途端に、愛情なんてものに誤ったものも正しいものもあるものかと自分のなかに生まれる矛盾に立ち止まり考えこむ。ナイト・アウル事件、4部作の陰につねにいるミッキー・コーエンとダドリー・スミス。映画化作品には、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ケヴィン・スペイシー、ジェームズ・クロムウェルらが出演。4部作最後の作品『ホワイト・ジャズ』に引き続き登場する人物もいるのでそのあたり読了者と意見をかわすのが楽しみ。

  • 上巻から数年たち…ナイト・アウルの虐殺の犯人は本当に犯人だったのか?エドの父親が解決した事件の真相は?売春婦殺しの犯人は?いくつもの事件がからみ合って、最後に怒涛の展開が待ってます。ああそうだったのか!といろんなことが分かって、登場人物のある意味不器用な生き方に泣けてきます。エドもバドもジャックももっと楽になれないのかよーと思ってしまいます…
    エドとバドの間を揺れ動くイネスとリンは、ちょっとまてよあんたらフラフラしすぎ…とは思いますが、それなりに愛した男のために生きられたのかもしれません。
    もつれた糸が解き明かされた時に見えてきた真実は、残酷で切ない。誰もが死んで生き残ったものはどうなるのか…。自分の欲望や付き動かされる何かに従って、破壊的な生き方しか出来ない男たちの姿はセクシーですらあります、
    あの人はどうなった、この人はどうなった?という部分は「ホワイト・ジャズ」に引き継がれるようです。楽しみです。

  • 映画「LAコンフィデンシャル」の原作。プロットは非常に複雑で途中で何度も戻らなければならなかった。だが、結末へ向けたまとめ方はすばらしい。次作へ続く終わり方もいい。

  • 個性的な刑事をよく描いていた。プロットは非常に複雑。映画がよく整理されていたのがよくわかる。エンディングは全然違った。軍配は映画に。

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