陰陽師 生成り姫 (文春文庫 ゆ 2-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528096

感想・レビュー・書評

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  • 悲しい女。

  • 表題のとおり,陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた初長編。
    武士の源博雅とのコンビは映画化もされている有名な設定。
    名作短編「鉄輪」をベースにしながら,
    他の短編で描かれた挿話で肉付けされ,
    長編作品でありながら連作短編のようでもある構成となっている。
    二人の掛け合いの魅力,中でも博雅の魅力が際立つ作品である。
    古語を交えながら読みやすく平易な文章で書かれており,
    平安文化も巧みに織り混ぜられていて楽しめる。
    ベースが良い話なのでうまく仕上がっているが,
    個人的には短編集の方が良い仕上がりで楽しめると感じた。

  • 再読

  • この人の安部晴明に惚れた。
    カッコ良すぎる。
    度々出てくる「ほろほろと酒を飲む」という表現。
    「ほろほろ」って何?って思いながら、お酒を飲みたくなった。笑
    晴明と博雅の関係がとても萌える。
    青臭い草木の香りとか、生ぬるい湿気を含んだ風とか、虫の音とか…些細なことを感じながら月を見上げてお酒を飲んじゃう二人が素敵。
    偏った趣向で読んでごめんなさい。
    でもストーリー自体とても面白くて一晩で読んでしまった。
    このシリーズはいくつか読んだけど、これが一番好きです。

  • 新幹線の中で泣いた。
    清明と博雅の友情、博雅の愛の深さに感涙。

  • 陰陽師シリーズの第4弾!!

    陰陽師シリーズの初長編!!
    源博雅が凄く良い!!
    特にラストが凄い良い!!

    兎に角、平安時代の雰囲気が凄い楽しめる作品です♪

  • 1月15日

  • シリーズ第五作目は、某新聞社の夕刊に連載された長編。

    そのため若干今までの作品と趣が違う。
    本作は、「付喪神ノ巻」の中の短編「鉄輪」を
    長編化したものである。

    そのため、私にとって、
    短編版の「鉄輪」を初めて読んだ時に受けたショックや
    感動があまりに強かったために、
    改めて長編化した「生成り姫」を読んでみたら、
    既に一度読者の心に向かって発された題材を、
    いかに著者の夢枕獏氏が
    その筆力を駆使して料理し直しても、
    この物語から受ける感動は薄れ、
    熱は冷めてしまった感がある。

    それでも、この切なすぎる物語のラストは、
    何度読んでも、短編も長編関係なく、
    ぐっと胸に迫ってくるものはある。

  • 久しぶりにこのシリーズに戻った。

    泣けて、泣けて仕方なかった。
    人の誰の心にも潜む鬼。
    私も悲しかった。

  • 夢枕獏の「陰陽師」の短編「鉄輪」の長編化です。
    「鉄輪」は、「陰陽師」のなかでも、特に大好きな作品です。
    特にあのなんともいえない、美しいラストシーンは、ずっと心に残っておりました。

    ということで、この長編化された作品も、前から読みたいなぁと思っていたわけです。

    短編と長編の違いは、源博雅と生成り姫の関係がありますねぇ。
    長編は、恋愛関係っぽくなっています。
    あんまり恋愛色のなかった短編は、博雅の「いい人」ぶりがメインでしたが、長編の方は、鬼に変わっちゃう姿を見られた姫の苦悩がより濃く出ていると思います。

    それでも、長編でも、「そなたが愛しいのだよ」という博雅の優しさは健在です。

    相撲の話も、最後の最後でつながって、わたしは、思わず「うまい」といってしまいました。

    やっぱり、最後の博雅と姫のやり取りは泣けました。
    安部晴明の話というより、これは、源博雅のお話なんだなぁ。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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