陰陽師 生成り姫 (文春文庫 ゆ 2-9)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528096

感想・レビュー・書評

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  • 長編版もよかった。
    男の勝手な都合に振り回された徳子が可哀想だと思った。鬼になりたくないのにならざるをえないほど心が耐えられなかったんだろう。
    博雅は本当に優しい男だ。
    相撲の話もそこで繋がったかと合点がいった。

  • 「人は誰しも心に鬼を飼っている。人は鬼になりたいと願ってそうなるのではなく、鬼になるべくしてなるのだ。」という清明の言葉が印象的。確かに、人は追い詰められて、追い詰められて、どうしようもなくなったときに鬼になるという気がする。

  • 長編には長編の良さがあった。
    けれども個人的には短編の方が好きだな。

    徳子姫の哀しさがよく見えるのは長編。

  • 文庫版ではシリーズ第5弾となります。今回はシリーズ初の長編です。

    博雅は、かつて彼の吹く笛の音を聞いて彼のもとにやってきてた姫と、十二年ぶりに再会することになります。彼女は、博雅に助けを求めますが、博雅には彼女の真意が理解できません。

    一方晴明は、藤原斉時と彼が懇意にしている女性に対して、何者かが呪詛をおこなっていることを知ります。やがてそれが、博雅の前に姿を見せた姫だったことが明らかになりますが、嫉妬のために鬼になろうとする姫を、博雅は止めることができません。

    博雅が姫に呼びかける最後の会話は、現代を舞台にした小説ではくどいと感じてしまうところを、時代がかったセリフまわしのためか歌舞伎のようなリズムが感じられて、けっしてくどいとは感じませんでした。謡曲の「鉄輪」をもとにしたストーリーとのことですが、どこかに通じるものがあるのかもしれません。

  • 感想書くの忘れてた。シリーズいっぱいあるからね。

  • 切ないなあ・・・。徳子さんは博雅と幸せになるべきだったね。

  • 十二年前の月の夜、源博雅に芍薬の枝を差しだし去って行った謎の姫…安倍晴明は人の心にすまう鬼をいかにおさめるのか。

  • 正直言うとガッカリ。
    すでに短編として発表された短編の生成と物語の主人公である安倍晴明、源博雅のやっぱり読んだことのある紹介文でページを稼いだような長編作品でした。
    既刊のまとめが大半って長編としてどうなのよ。とツッコみたくなる。

  • 『陰陽師 付喪神ノ巻』にある、「鉄輪」を長編化したもの。
    前半部分は、安倍晴明や源博雅についての説明が、
    以前短編の方で語られたことのある内容と重複して書かれている。

    短編を読んだあとにこの長編を読むと、
    重複するところがあって退屈ですが、新聞連載だったそうなので、
    初めての読者への紹介の意味があったようです。

    普段は晴明や博雅が、
    第三者として出来事に関わっていくお話が多かったと思いますが、
    これは特に博雅自身が物語に深く関わっていることもあって、
    一層しみじみとした心持ちになりました。

    映画の『陰陽師』は、この長編をベースにしているのかな?
    と思いますが、それならこの物語を忠実に映画化した方が、
    面白いものになったのではないかと思います。

  • 映画化された話の原作か。
    当然ながら原作の方が哀れが深い。
    人は鬼になるときは、鬼にしかなれぬのだ。
    因果応報、カルマというものか。哀れ。

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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