- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167549015
作品紹介・あらすじ
僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを"誘拐"したのだが…。表題作以下5篇収録。
感想・レビュー・書評
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ミステリーの女王、宮部みゆきの初期の代表的な
短編作品です。ミステリー初心者の人にオススメします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どの短編も無条件で面白かったです!5篇のお話はどれも好きでした。杉田比呂美さんのカバーイラストが可愛らしくて、この男の子とスピッツ・ミリーは、最初のお話「我らが隣人の犯罪」の登場人物なのですが、そのまんまのイメージで頭の中をクルクル動き回っていました。まるでアニメを観ているようにどの登場人物たちも色彩を持ってイキイキしています。
ミステリ初心者にも、小説を初めて読む方にも、そして目が肥えた読書家のみなさんにも、いやいやもっと大きく出て日本中、世界中(!)の方に気楽に楽しんでもらえると思うし、きっとどれかお気に入りの1篇が見つかるはずです。
わたしは、全部気にいっちゃいましたけどね(*^^*) -
全作を通して、この短さでこれほど読者に余韻を残せる構成力と登場人物を魅力的に書き上げる文章力には脱帽である。
特に最初の3作は秀逸で、中でも「サボテンの花」は傑作である。たった30ページで、登場人物にこれほど肩入れをさせる力量に、宮部みゆきさんがこれほど愛される作家であることが表れていると思う。 -
『サボテンの花』だけ読了。宮部みゆき読んだの二十年以上ぶりくらいかもしれない…。
■サボテンの花
ミステリーとしてというよりは、小学六年生の生徒たちと、周りの大人たちとの物語として普通に読めてしまった。やりたいことをやらせてあげられる大人でありたい…。ミステリーも懐が深いね! -
中学生のときが(今のところ)人生で一番本読んでいた時期なんですが、当時映画化されて流行ってた『ブレイブストーリー』も素通りしている天邪鬼な自分、これが恥ずかしながら初の宮部みゆき作品。
本自体購入したのは卒論を書いていた大学4年時。教師に関する小説から得られる教師論について筆を進めていて、なかなか先生を題材にした小説ねぇなーと難儀していたところで見つけたのがこの作品。結局読まずじまいだったのです。笑
文体に少し引っ掛かりのある部分があり粗さは感じられたけど、ストーリーの着想や展開が面白かったのでさほど気になることもなく。どの短編もはっきりまとまっていてテンポよく読みやすい。『誰か』『今夜は眠れない』『火車』は積読しているのですが、先に短編集であっさり読んで正解だった。
"サボテンの花"、心を読み取るトリックに唸らされただけでなく、子供達と教頭の関係性も美しくてうるっときた。解説で北村薫先生(読者じゃないのに先生って言うのも小っ恥ずかしいが)が「短編推理小説の名作」と言うのも納得。気持ちよくなれる。
小説って、こう、読みながらワクワクするもんだったな、としばらくネット漬けで活字を避けてきた人間には良い起爆剤になりそうです(隙自語)
【読了時間:4時間7分 / 2日】
久々の読書でスタミナがないのと、YouTubeでRISING SUN FESTIVALの生配信観ながら読んで寝落ちしたのでこのランニングタイム。 -
うれしい不意打ち!これで終わりと思ったら、そこからのもう一捻り。珠玉の短編で綴られた一冊!
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隣の家のスピッツがやかましい!いなくしちゃえー「我らが隣人の犯罪」
嵐の夜現れた女は父さんとの間にできたと言って赤ちゃんを連れてきたー「この子誰の子」
六年一組の少々扱いづらい子供たちと教頭先生のお話ー「サボテンの花」
妹の披露宴、美人エレクトーン奏者が刑事である自分に持ち込んだ話とはー「祝・殺人」
公園でいつも会う初老の男性が駆け出し小説家の僕に「自分を殺してくれ」と言ってきたー「気分は自殺志願」
以上5本収録の短編集
どのお話もとても面白いです。
読んで味わっていただきたいのでどこがどんなふうに面白いとか書かないです。読めば絶対に面白いので。
あえて順位をつけるなら、一番好きなお話は「サボテンの花」次が「気分は自殺志願」。
5本すべて趣が違い、すべて後味がよかった。
未読の方はぜひ!
短編ですから出勤途中の細切れ読みにもよいです。
通勤電車から降りたくなくなるかも。 -
宮部みゆき、初期の短編集。
中でも「サボテンの花」がお気に入り。
病院での時間潰しに読んでいたのですが、心温まる話に思わずほろりと涙しそうになってしまいました。 -
Amazonの紹介より
僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐"したのだが…。
オール讀物推理小説新人賞を受賞した表題作以下「この子誰の子」「サボテンの花」「祝・殺人」「気分は自殺志願」の計5篇を収録。
軽妙な会話でしたが、内容としてはどれも濃かったです。説明口調ではなく、会話から全体像を形成していくので、読み応えがありました。
2時間サスペンスを読んでいるようで、気軽に読めましたが、ほっこり感やスッキリ感、感動もあって、色々と楽しめました。 -
一本目の表題作、けっこう面白い!意外な結末への展開がすごいなぁ
無茶な展開でなく、主人公の妹の変化も行動も含めて小気味いい作品だと思った
登場する叔父さんはノリスケのイメージが被って読んでた
「この子誰の子」
先が読めない展開に驚き、終り方の妙に唸りながら、静かな感動を覚えてる
身近ではこんな話は聞かないから、物語にぐいぐい引き込まれる
短編ながらも味わい深い物語だ
「サボテンの花」
終始、これも先が読めない
研究発表会の場面では、盛り上がりの欠けるオチかと思いきや、伏線も全てが一つにまとまる展開に涙腺がゆるむ
この作品を読めたことに乾杯したい
じっくり味わいながらね
「祝・殺人」
推理小説というジャンルをあまり読んでこなかったからか、登場人物たちが疑念を抱いたり調査したことで事件を整理していき、解決していく過程が、物語としてよくできてるなぁと感心しきりだった
「気分は自殺志願」
ほんと軽妙な語り口で読みやすい
自殺願望の依頼者が自身の年齢を言い表すくだりなんか面白くってね
なのに、さよならホームラン級の締めくくりに、スッキリ爽やか幸福感を得られた