- Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167558017
作品紹介・あらすじ
人を愛した記憶はゴミのようには捨てられない。黒人の男「リック」を愛した「ココ」。愛が真実だったとしたら、なぜ二人は傷つき別れなければならなかったのか。男、女、ゲイ、黒人、白人-、ニューヨークに住むさまざまな人々の織りなす愛憎の形を、言葉を尽くして描く著者渾身の長篇。女流文学賞受賞。
感想・レビュー・書評
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江國香織さんがお薦めしていたため読んだ。痛々しくもとても美しい作品。
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人を愛する甘美さも切なさも味わえる本。どうしようもないことが、一番愛おしい。舞台のニューヨークの空気も、本当にシビれます。
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折に触れ、何度も本棚から発掘しては読み返します。高校、大学、フリーター、社会人。ヒロインであるココを見上げていた私が、いつか追いつき、追い越していくこの不思議。
どうしようもない黒人の中年男に恋するオリエンタルのココ。男の息子や前妻との話、そして別れ、新しい恋。みんなみんな、どうしようもなく「生きて」います。結婚や愛や死や、そういう人生における重要なものの価値観を、私に問い直してくれる本です。読むたびに感動する部分が違う。そして、必ず泣いてしまう。
長さを感じさせない、ずっしりしっかりとした本です。出会えたことを誇りに思う。 -
ニューヨークに暮らす日本人ココの恋愛を描いた小説。ココは子どものいる黒人男性リックと同棲していたが、新しい恋人を作り、リックの元を去る。しかし、リックの思い出は消えない。トラッシュとして捨てることが出来ない。人間が弱くて、悲しくて、愛おしい存在だと思える一冊。
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こんな酒浸りの男とはさっさと別れないとダメだ、いやでもこの人を捨てていったらこの連れ子はどうなるのだ、いやでも自分の子じゃない、母親は別にいる、でもでも…ここまで単純ではないけれど、葛藤。
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懐かしい。昔の私の恋愛バイブルとも呼べる作品だった。でも、今読むと主人公や彼女を取り巻く人間の価値観がハッキリしすぎていて、押し付けがましく感じてしまった。もう今の私にはしんどいなあ。
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婚約までしてる彼と別れ話をしてる期間に読んだもの。
とりあえず長い。後半すいすい進んだけど、前半つらかったなー。
あと、登場人物のほとんどが不器用すぎる。
ココの気持ちと不器用さが自分と重なって、ココ分かるよー!と共感する部分が多かった。
そして、やっぱり山田詠美さんの描く若者は魅力的だな。ジェシーが、僕は勉強ができないの時田秀美に見えた瞬間もあり。山田詠美さんが若者に希望を見出してるのが伝わってくるような気がした。 -
多分舞台はNYで、黒人の彼氏リックと、リックの前妻との間の息子ジェシーと住んでるココの物語。
個人的にはココがいろんな場面で幼稚に思えた。
なんのかんのと言っても結局子持ち&バツイチ男性と付き合う覚悟が足らなかったのでは?
私は女だけど、ココのような女性とは仲良くなれないなあと思った次第。
会話で進むので読みやすかった。