- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167588021
感想・レビュー・書評
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読了。前作に続いて知的ユーモア全開で楽しく読めた。森見登美彦作品の屁理屈主人公って感じ。
個人的には過度に自虐的・ルサンチマン的なユーモアはあんまり好きじゃないので(面白さより悲しさが勝っちゃう)この作者の自慢風自虐(?)+屁理屈による正当化みたいなスタイルはバランスが良くて心地よいです。
笑えるだけでなく、ミステリー作品の新しい構造についてや趣味と労働の違いなど、なるほどなぁと思わせる部分もあるのが流石。
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「われ笑う、ゆえにわれあり」に続く、ユーモアエッセー第二弾。1996年刊行。
第二弾でも、哲学者ならではの、屁理屈と詭弁を駆使したユーモア満載。 -
「わたしのギョーザをとって食べた人へ」など、著者のユーモア・エッセイを集めた本です。あいかわらずのひとを食ったような文章に加えて、今回は著者自身によるシュールなイラストが添えられていて、相乗効果を生んでいます。
また、「カモと宝くじとホーキング博士」「イギリス人との会話」の2編は、著者のイギリス留学体験をもとにしたエッセイです。 -
ほっとする。人を安心させる本。脳が休まるような気がする。そういうための本なのかな。
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ウイットと諧謔に満ちた人間に対する鋭い洞察。
とは言っても、お気軽に楽しめます。電車の中で何度忍笑いしたことか。
イギリス滞在時の話題が個人的には好き。ほぼイメージ通りだけど、土屋さんは、かなりイギリス人に近いのではないかな。
哲学の素養は自分にはないが、シリーズを読めばつくのかな?そんなお手軽なわけないな。 -
読んだきっかけ:気軽に笑える本を読みたい
かかった時間:8月~11/29日(4ヶ月くらい)
内容:哲学の講師が、理屈っぽい独特の文章で笑わせる。高校時代、土屋氏の本を読んでとても面白かった記憶があったので、購入。ただ、ちょっと期待値が高すぎて、今ひとつ感が残った。
前のほうが面白かったのか、自分の感覚が変わったのか。
とはいえ、軽ーく読みたい日にはちょうどいい一冊かも。
(8月から読み始めたが、他の本を先に読み進め始め、4ヶ月かかって読破) -
「われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う」4
著者 土屋賢二
出版 文藝春秋
p60より引用
“どんな人でも、身近であればあるほど事実が知られ、事実を知
れば知るほど尊敬できなくなるのである。”
哲学者である著者による、周囲の身近な事柄についてひたすら
深くひねくれて考え抜いた一冊。
無人島に持って行く物についてから料理の褒め方・断り方につ
いてまで、論理的でユーモア溢れる文章で書かれています。
上記の引用は、想像と現実について書かれた章での一文。
何事にも丁度いい距離というものがあるのではないでしょうか。
テレビは画面に近づきすぎると全体が見えず、なにが映っている
か分かりませんし、離れすぎても同様です。人との関係も、丁度
いい距離を維持できるように、普段から気を付けたいものです。
各章の最後に、多分著者の手によるイラストが描かれています。
なんとも味わい深いものなので、一見の価値があるのではないで
しょうか。私の感想としては、天は二物を与えず、といったとこ
ろです。
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すごく面白い。笑いは下らなくて意味が無い方が素晴らしい。
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気楽になるような面白い本を読もう、と思ったら、古典落語か土屋賢二に限る。大体笑える。
これはわれ笑うゆえにわれありの続編だが、特に前のと関係はない。同じような土屋ワールドが展開されているだけである。
土屋氏の本は、何冊も立て続けに読んではいけない。なぜなら、カントの純粋理性批判並みの名著ぞろいなので、途中で飽きてしまう危険があるからだ。
こういう、誰もけなさず、ウイットとナンセンスながら多少の知的ユーモアに溢れているというエッセイは、岩波文庫とちくま学芸文庫を何冊読んでも見当たらないほどの至高の作品である。
気分が塞いだ時や、なんだかうまくいかない時、人生がつまらない時や、その他の時はブックオフの100円コーナーをのぞいて、この本を買い求めることをオススメする。きっとあなたは面白いと思うに違いない。そうでなければ、面白くないと思うはずである。それほどこの本は文字数のボリュームがあり(一部は著者が原稿料をかせぐためだけに水増ししたのではないかと思うほどだ)、その割にライトな読み口で(読むべきところが少なく読みやすい)、きっと読者のお気に召すことだろう。