夏の災厄 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1998年6月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784167605018

感想・レビュー・書評

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  • 光を異様に眩しがり、甘い匂いを敏感に感じ、高熱、嘔吐、虚脱状態となる致死率の高い奇病とは?...撲滅されたはずの「日本脳炎ウイルス」が、東京近郊のベッドタウン「埼玉県昭川市」で突如蔓延...感染防止と原因究明に躍起となる市の保険センタ-職員をよそに、ワクチン接種による副反応を恐れる市民団体、日和見主義の地元医師会、営利追及の製薬会社、医療過誤に恐々とする大学附属病院など、露呈する現代社会の危うさが渦巻くなか、未知の殺人ウイルスは街々を蝕み続ける...。1995年出版の衝撃のパンデミック予見小説。

  • 590ページ。東京郊外のニュータウンに致死率の高い奇病が発生。新種ウイルス感染症か?生物兵器か?市の若手職員が大活躍し、バイオワクチンを導入、感染は収束に向かう。しかし、次は東京での感染が・・・。感染パニック系小説だが、アンチワクチン派の否定が込められている。

  • 恐怖だった
    コロナになって、今までの日常が一変した今、前までとは感覚も違っていると思う
    前だったら、映画のような感覚で、自分には起こらない事として読んだと思う
    でも、今は絶対に起きないとは言い切れない

    本当に平和な日常に戻ることを祈ります

  • ずーっと緊張感というか恐怖を感じながらの読書でした。サスペンスホラー?バイオホラー?と言ってもいいのかな。後日談的に、先日読んだ上田早夕里さんの「くさびらの道」が思い浮かんだりして。
    絶対起こりえないと否定できない事象。ウィルスの突然変異なんてことになったら、と思うとぞっとする。解説にもありましたが、ほんとリアリティがある話。ヒーローなんか出てこない。
    現実では、一市民が対処していかなければならない。もし本当に現実に起こったら、小西氏や鵜川医師くらいのリーダーというか行動者は出てくるのかな?今の日本にはそれすら期待できないような閉塞感・恐怖感があるなあ。
    経験のないこと、前例のないことに対しては日本の社会システムはあまりにも脆弱ですよね。国民性も。自分だけは大丈夫というバイアスがかかっちゃって。目の前に来るまで、見ザル聞かザル言わザル。
    福島第一原発もしかり。見えないもの掴めないものに対してイメージできないというかリアリティがないんでしょうねえ。想像力がなくて。
    このようなことが起こらないことを願うだけ・・・・
    篠田節子さんの本は初めてです。このリアリティは惹き込まれますねえ。他の本も読んでみたくなりました。
    解説では瀬名秀明さん。瀬名さん、また小説書かないかなー。
    で、この本を手にしたきっかけはアニメの「氷菓」。主人公が読んでいた本。原作ではこの描写あるんですかね?ないんだろうなあ。まあ、「氷菓」原作本は食指が動かない・・・

  • 202401/感染パニックもの。リアリティがすごい。初出1995年なのに2024年の現代に読んでも古さを感じず、むしろ現実の進歩進化のなさが恐ろしい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    東京郊外のニュータウンに突如発生した奇病は、日本脳炎と診断された。撲滅されたはずの伝染病が今頃なぜ?感染防止と原因究明に奔走する市の保健センター職員たちを悩ます硬直した行政システム、露呈する現代生活の脆さ。その間も、ウイルスは町を蝕み続ける。世紀末の危機管理を問うパニック小説の傑作。

  • 説明がものすごくくどい。ダラダラと長い。
    物語というより、出来事の羅列がずーーっと続く。

    こうだから、こうなり、これがあって、こうなるかもしれない。
    これが延々続く。
    もちろん題材は面白いし、興味を惹かれて読んだけれど、最初に出てきたアジアの島の島民全滅のエピソードからあらかた話の流れは予想できるし
    ところどころで貝が出て来るのだがその真相に行き着くまでが長い。長すぎ。読書はもっと早くに気づくんじゃないかな?実際私はイライラした。

    読み進めていくと、この描写さっきもあったなとかまた同じようなセリフ言わせてるとか感じる事が多く、正直退屈だった。
    イッキ読みの小説ではない。

  • 米澤穂信原作アニメ「氷菓」で主人公が読んでいた本。だいぶ前に読んだ本でへたなホラーより怖かった。篠田節子はハズレがあまりない作家。

  • 元東京都八王子市役所勤務の篠田節子が、
    埼玉県昭川市役所の主人公を描く。

    臨時の看護婦と、近所の医師の3人で、感染症の手当と追求を行う。

    少し表現がぶれると危ない内容だが、
    しっかりした医療関係の取材の元に記述しているのだろう。

    参考文献をあげてないのは、素人判断をしないためかもしれない。

  • これは本当に面白い。終わり方も最高。

  • ページ数は多いものの、割とスンナリ読了。ウィルスが引き起こす、所謂パニック小説。解説でも指摘されているが特定の主人公は登場せず、各々の人物がバランスよく描かれている。
    日本脳炎の新種が海外にて実験開発(この辺りの経緯が、上手く読み取れず)
    しかし、抗体は開発され、埼玉県及び東京の一部の「厄災」は収束に向かうが、ラストのページでは新たな「厄災」の予感を暗示させる。
    サクサク読めたのは好印象、今後も篠田作品を積極的に読んでいきたい。

  • 米軍に協力した私大がアジアの孤島で臨床実験に失敗した新型日本脳炎が地方都市で猛威を振るう!
    パニックもの、でしょうか。久々に経験しました。のっけから圧倒的な力でお話の中に引っ浚われて…ご飯が…洗濯が…

    日常生活がめちゃめちゃになりますので読むのが早くない方は週末に読まれることをオススメします。ワタシは電車で降りそびれました。

  • パンデミックが起きたときに、病原体よりも怖いのは人間である。
    公務員として、医者として、看護師として、みんなそれぞれリアルで一気にのめり込んでしまった。

  • 実際に起きてもおかしくないと思わせるところがまた怖さを倍増する、伝染病パニックもの。

  • ヒーローなどいない。現実の厄災は、不完全で社会に縛られた当事者によって、なんとか対処されていく。これはとても公平に描かれた、危機に立ち向かわざる負えなくなった善良な人々のお話。

  • 現在、日本での日本脳炎の発生は年間数名だそうだ。95年刊の本書では当時、副作用を危惧する余り義務的予防接種が中止されていた日本で、ある地域を新型日本脳炎が襲う。川端裕人『エピデミック』がフィールド疫学の方法論に関する書なら、本作は既知と思われる伝染病が一地域限定で発生した場合、行政、社会がどう動くかを冷酷なまでに炙り出す。はみ出し医師と小役人的保健所職員、孫のいる看護婦というヒーローらしからぬ3人組が奮闘する。謎の感染症が地域社会を静かに蝕んでいく姿が淡々と描かれておりかなり怖い。蚊のいない冬で良かった。


    ホラー/ミステリ作家の性か?個人的には最後の7行は必要ないと思う。^^;

  • スピーディーで、迫り来るような恐怖感もとても良かった。
    終わり方がとても自分好み。

  • ★購入済み★

  • 途中でやめました。
    なかなか進められなくて。

    この方の文章は好きなのですが、ちょっと中弛みがして先が気になる程のめり込めなかったので、やめました。

    今のコロナの世界に似た世界観ですが、こちらではあまりにも国が悠長な対応でモヤモヤしました。

  • 日本版『アウトブレイク』、本家は1988年だけど、こちらは1995年。文体が読みやすいのでページ数のわりにサクサク読める。ただ、やっぱり不要じゃないかと思うエピソードも入っていて、その辺は端折ってくれてもよかったかな。Covid19絡みのフライヤーとか見かけたけど、それはこじつけすぎ。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田節子の作品

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