カノン (文春文庫 し 32-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167605025

感想・レビュー・書評

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  • 音楽教師が,学生時代の恋人が死ぬ間際に弾いていたテープを聴いたら呪われた話。
    キャラに魅力がない,ホラーなのに怖くない,音楽の薀蓄に興味が持てないで,面白くなかった。

  • 2012年2月28日読了。SonyのReaderにて。不審な自殺を遂げた天才ヴァイオリニストの遺した音楽テープ。学生時代チェロ・ピアノでのアンサンブルを組んでいた瑞穂はテープを聴くことで奇妙な体験をするが・・・。学生時代にきらめいて見えた「独自の個性」「埋もれた才能」は歳をとり社会にもまれることで「独り善がりな自己陶酔」「臆病さからくる自閉性」と見えて失望するものだが、それは本当にそうだったのか?色褪せてしまった今の自分がかつての輝きを見失ってしまっただけなのではないのか?と、主人公が途切れ途切れに回想する記憶と共に、読む側の価値観も揺さぶられる・・・。(この小説がホラーなのか恋愛小説なのか?という感覚と共に)でも弁護士として成功することも、音楽教師として仕事することも、決して悪いことではないんよ。

  • ホラーというホラーではなく
    読み始めると
    独特な世界に
    引き込まれて行きました。
    各々が過去に縛られてたんだなぁと
    いう風に感じました。

  • 学校を出て会社に入り、家庭を作って必死に暮らしている中。
    突然あらわれる空虚感。
    自分の人生、これでいいのか?これで終わるのか?
    と思うような時があるはず。
    そのキッカケに友人の死があったりなど。

    そんな多くの人が通る通過点を、篠田節子がお得意の音楽とホラーミステリーで描いた作品だと思います。

    ただちょっと過去時代と、主人公が関わる2人の男性と、そして音楽と盛り沢山に描き過ぎている感じがします。

    とはいえキラリと光る前向きな希望で終わる最後は、篠田節子先生のどの作品でもそうですが、やはり好きなのです。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。そのテープを手にした夜から、音楽教師・瑞穂の周りで奇怪な事件がくり返し起こり、日常生活が軋み始める。失われた二十年の歳月を超えて託された彼の死のメッセージとは?幻の旋律は瑞穂を何処へ導くのか。「音」が紡ぎ出す異色ホラー長篇。

  • 誰しも、手に入れた分だけしがらみもあって、
    それでも、残された時間を本当に心が求めるように使いたいなら。
    ワイルドに行かないとね、時には。
    読後そんな気分に。

    自分の心に嘘をつかない人=自分の心に嘘がつけない人
    なのかも。

    しょうがない人だなあと思うけど、この主人公が結構好きです。

  • 2016.2.27(土)¥84+税。
    2016.6.27(月)。

  • ホラーではなく、解放と成長の物語。

    でも、家族は捨てないでほしい。

  • しっかりとした知識に裏打ちされ、緻密な描写で読者を引き込む篠田節の一作である。
    音楽から最後には登山まで、よく取材されているのは感心する。しかしながらカセットテープを中心に、呪いや謎の怪談じみた超常現象が作品のキーとなるのだが、ちょっとばかり消化不良気味。不倫だの学生運動だの、必要だったかどうかという点については少々疑問が残る。というか、全体的に「駄長」としか言いようのない印象で、長編1冊にするより、1冊に2作ほどの中編にするべきではなかったのか。ここまで長くするのなら、テープの逆回転や学生運動、登山など、必要性に関してもう少ししっかりした理由付けが欲しかった。

  • 音楽に全く造形がないので、ちょっと読み進めるのがきつかった。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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