- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167605032
感想・レビュー・書評
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市の福祉事務所のケースワーカーの連作短編 8つの話
一応解決するけれど、その後は大丈夫なのか?と思うような終わり方
『花道』はイラッとする人が多かった男に寄生して生きていく綾。ひょんなことから、ケースワーカーの赤倉は自分のダンナを綾に取られてしまう、でも、結局赤倉のダンナの仕事が危うくなると、働き始めた先の経営者に乗り換えられ…という情けないダンナ 現実に綾みたいな強かな女、そんな女に良いように利用されちゃうおパカな男いるよなぁ -
地方都市の社会福祉事務職員たちの奮闘記。最後の助けとなるべく、日々の問題解決にまい進する職員たち。しかし難問山積、解決の糸口さえ見つからない。無気力感に苛まれながらも職責を果たすために最善を尽くす。そんな彼らの姿に勇気をもらえる。
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ケースワーカーと、行政に保護される人たちの物語。殴られても夫を愛する女性。人をだまし続けた女詐欺師。かつて10代の少女たちを魅了した女性作家の落ちぶれた姿。人の心の内なんてわからない。でも、皆必死に生きている。
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生活保護の実態を、小説として書き上げています。短編。
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福祉事務所のケースワーカーを題材にした短編集。各作品で様々な役職の職員を主人公に、人生の悲哀を描くのだが、そこは篠田節子だけあって、ウェットに絡みつくような憎悪や恐怖を混ぜ込んでくる。
最初の作品の書き出しから、「死体を見るのも慣れっこ」という感じで始まるが、全体にそういうシーンはないので問題なし。
とはいえ、必ず自分の人生に巻き込まれてくる焦燥感と恐怖が、それぞれの作品にコンパクトに収められている。また、出てくる人物のキャラクター付けもしっかりなされているので、人物の混乱もほぼ無い。
難を言えば、「弱い女性」「横暴な男性」「ふらふらしている水商売の女性」みたいな、ステレオタイプの社会観が多いこと。
とはいえ、読みやすい短篇でも有り、篠田節子の入門にもぴったりな、よく出来た本である。 -
再読
福祉課のケースワーカーたち