- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167605056
感想・レビュー・書評
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『死神』につづき篠田節子の短編がなかなかか良い。最後の短編『レクイエム』で戦争体験者の老人が語る言葉に「戦友会なんてやって思い出を語れる連中は地獄を見ていない」とある。この老人が語りだす体験談が凄まじいの一言、世の中、数ある恐怖、ホラー小説はあれど史実にはかなわない。
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怖かった。生きるって怖い。
いつも誰かに守られて生きてきた私は生の本当の怖さを知らないのだろう。
少しずつ少しずつ何かを失いながら、本当に大切なものだけを残して、人は死に近付いてゆく。 -
タイトル通り、「死」をテーマにした短編集。最初の作品は純文学と言った部類だが、その他の作品は篠田節子らしい怪談じみた話。怖い話ってわけでもないけど。
夫の死、伯父の死などの死を契機に、様々な出来事がフラッシュバックするというようなところが6本それぞれの共通点か。中間部はバブル経済とその崩壊、最後は大戦の終戦間際という、動乱を軸にしているところが篠田節子らしいっちゃあらしい。
6本サラリと読んで、どれが好きかと言われると、結構どれも好きな作品である。バブル前にお告げを受け、バブル後にまた同じ救いを求める女性、貧してもトラサルディのスーツは譲れない不動産屋など、心機一転できそうなのに、枠組に縛られて動けず朽ちていく悲哀を描いていくさまは秀逸である。
6本のうち、ある意味核になっているのに浮いている「コヨーテ」は、SFである。SFホラーにしようとして、完全にはできなかった作品だが、それを純文学に逃げなかったことは高く評価されて良い。ただ、切れが悪いところはイマイチなんだけどね。 -
なんか昭和の小説みたいで
思わず奥付を確認。なんか古めかしい…
ちなみにアリゾナでカイヨーレって発音に
⁇ってなったらコヨーテのことでした。 -
2015.12.2(水)¥150(-2割引き)+税。
2016.6.21(火)。 -
2015 5/13
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終始気分の悪い本でした。
奥歯でずっとアルミホイルを噛み続けるようなそんな気分にさせられる一冊。
短編なんだけど、毎度毎度気分悪くなる。
これでもか。ってくらい。
でも。怖いとかキモいとか悲しいとかそういう感情が一切湧かず、ただひたすらなんか気分悪い。なんかいやーな空気。
そんな一冊です。
このかた、普段はホラーを書かれているようで、よってこの感じこの雰囲気を出せるプロなんだと納得したけど、なんかなんかなんかやーな感じは抜けません。 -
#bookoff