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- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167627072
感想・レビュー・書評
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幕末の開国による日本の通貨危機を小説体で書いたノンフィクション・ノヴェル.
関連リンクに挙げた「将軍と側用人の政治」を読むと理解が深まると思うが,江戸時代中期以降の貨幣は,実質的には本位貨幣ではなくなっているのにも関わらず表向きは本位貨幣であると言うタテマエで流通していたわけで,さらに本書では幕閣自身がそのことをよく理解していなかったとされる,そして開国時にその矛盾が一気に表面化するのだが,これを奇禍として米公使ハリスが自身の私腹を肥やすために日英双方に嘘をつき続けたというあたりが非常に面白い.
また,オールコック「大君の都」中の通貨関連の記述の矛盾はどのようにして生まれたかの分析は非常に卓抜.詳細をみるコメント0件をすべて表示