幕末「円ドル」戦争 大君の通貨 (文春文庫 さ 28-7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167627072

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  • 幕末の開国による日本の通貨危機を小説体で書いたノンフィクション・ノヴェル.

    関連リンクに挙げた「将軍と側用人の政治」を読むと理解が深まると思うが,江戸時代中期以降の貨幣は,実質的には本位貨幣ではなくなっているのにも関わらず表向きは本位貨幣であると言うタテマエで流通していたわけで,さらに本書では幕閣自身がそのことをよく理解していなかったとされる,そして開国時にその矛盾が一気に表面化するのだが,これを奇禍として米公使ハリスが自身の私腹を肥やすために日英双方に嘘をつき続けたというあたりが非常に面白い.

    また,オールコック「大君の都」中の通貨関連の記述の矛盾はどのようにして生まれたかの分析は非常に卓抜.

著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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