ヴァンサンカンまでに (文春文庫 の 7-6)

著者 :
  • 文藝春秋
3.22
  • (4)
  • (23)
  • (44)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 208
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167652067

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • パズルみたいにあちこちが繋がっていく話。主人公の気持ちが分からないでもない年齢に自分も近付いてきてしまった。最期のなんであんな人といたんだろう…っていう気持ちはすごく理解できて、恋愛って楽しい時がすぎたらそんなもんだよなぁと思ってしまった。主人公の周りの女性たちもキャラが各々違うからこそリアリティがあって、自分はどのタイプだろうと考える。

  • おもしろかった。自分とリンクする部分もあったせいかな。年が近いし。女の汚い部分を見たいなら読んでもいいと思う作品。女性は共感できる部分があるんじゃないかと思う。

  • 中高の先輩の本だから読んでみようと図書館で借りたやつ、その1。むかし直木賞とった「凍える牙」読んだんだけど何故かはまらなくって、遠ざかってた作家さんなんだけど、もいっかいトライしようと思ってみたのでした。

    この本はバブルの時代で不倫する女性たちの話。まだまだ女性がお茶汲みしてる時代のお話である。主人公含めた若い女性たちのしたたかさと強さ、寂しさ、むなしさを描いた小説だと思う。
    うーん、想像力が普通というか、「バブル」「不倫」「女性」っつったらこんくらいのストーリーにはなるんだろうな…って想像つく感じだった。面白くないわけではないんだけど、綿矢りさの蛇とピアス、湊かなえの母性もそうだったのだが、想像を超えない程度の女の内面や葛藤を描く、みたいなストーリーは私はあまり好みじゃないようだ。(人によってはハマるとは思う)
    女はもっと自然に怖いし、優しいし、強いし、もろいんじゃないかと思うんだよなあ。小説ならそういう怖さをみたいんだよなー。バブルだの不倫だの書くなら、もっともっと怖いリアリティが欲しいなと思いました。林真理子とかそーゆーのが上手いのかもしれない(読んでないけど)

    うーん、すごい先輩なんだがまだハマらない。次いってみよう。

  • 同じ会社の上司と、その部下と
    不倫を楽しんでいた主人公。

    最終的にはどっちも手に入らず。

    「ざまあwww」ってなりそうな話だけど
    なんだか読み終わって気分がズーンと重くなった。
    笑い飛ばせない話だった。

  • 時代も考え方も違うなぁという感想。共感も同情もできなかった。自分を幸せにできるのは結局自分だけということ。

  • 殺人事件が起こるのかと思ったら何も起きなかった・・・。
    主人公の24歳OLは会社の上司と不倫しながら、良物件の同僚と結婚前提の付き合いを始めるが、実はこの同僚がたいしたことのない男で、上司との不倫も終わり、同僚とも別れ、結局この一年半なんだったんだろう・・・という話です。

    一番の被害者は殺されちゃったペットの亀だよ!
    途中から殺すんじゃないかってずっとハラハラして、やっぱり殺しちゃってすごくもやもやする。しかも箱につめて放置して殺すって・・・

    この人の書く話はすごくリアルで、バブルの頃の話が多いけど面白いです。

  • 昔はこういう「女」って感じの、いわゆる大人の恋愛してますよ、っていうの苦手だったけど、今はなぜか楽しく読めるようになってしまった。

    やっぱり、ハッピーエンドはあり得ないよね。
    殺人事件から始まるミステリを期待したけど、そういうわけじゃなかった。
    これはこれで面白かったけど、乃南さんはミステリが好きだなあ。

  • 女はコワイです。

  • めちゃくちゃしたたかな主人公だが、好きにも嫌いにもなれん。女の黒いところの描写がすごい。読み終わったあとのダルさ、結構きつかったっす。

  • 器用にうまくやって満たされているはずなのに、翠が少しずつ少しずつおかしくなっていく所が、飼ってる亀に対する扱いとかにどんどん表れてくる。
    読んでいて自分が追い詰められていくような気分になる。

著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

乃南アサの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×