詐欺師のすべて: あなたの財産、狙われてます (文春文庫 く 22-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167656362

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  • 真の詐欺師は、詐欺師と自分では、思っていない。
    そうでないと詐欺はできない。
    ということが、よくわかった。
    詐欺の15条は、実に参考となる。
    これを読んでいると詐欺師へのススメのようだ。

    「保険は 「売られる商品 」であって 「買われる商品 」ではないというのが保険業界の常識である 。」
    保険の本質だね。

    「返済を迫られると金を返しているので問題にならない 。返さないから問題になるんです 」
    きちんと返せば、刑法上に問題にならない。
    道義的責任は、残るはずだ。それが薄れている。
    返さないことを前提としていない。
    詐欺をしたわけではなく、約束を果たせなかった。
    結局、そう思い込んで、自分を納得させる。
    自分で作った物語に、自己陶酔をしている。
    そういうことが、簡単にできるようになることだ。

    「とにかく自分の良心を眠らせなければ相手を騙せないのだ 。」
    自分の価値観が違うのだね。
    それを担う目的は、どこにあるのか?
    詐欺は、ある意味では、知的犯罪である。
    すぐにわかるような詐欺は、詐欺と言えない。
    長く、相手を信じ込ませることができることだ。
    それで、徹底して、しゃぶり尽くす。

    「詐欺師に狙われやすい会社は 、何らかの悩みを抱える会社である 。業績が伸びない 、資金繰りに悩んでいる 、人材が不足している 、相談相手がほしい 、といった悩みを経営者が抱えているとそこをうまく衝いてくる」
    人の弱みに付け込むと言われるが、
    問題を抱えていて、解決してくれそうだと
    信頼されるところが、ポイントかも。
    信頼されるテクニックがあるということだ。
    信頼の距離感を計るのがきちんとできることだ。
    対象者は、金のにおいがするということだね。

    「人間は 、まったく根拠のない噓はつけないという 。どんな噓にも 、何がしかの真実が混じっている 。その真実を拠り所にして壮大な噓をつくのである 。」物語作りの達人。ストーリーテイラー。

    「人間を動機づけるものは劣等感である 。劣等コンプレックスを克服するために人間は権力を求める 。それが権力への意思である 。」
    この劣等感が武器になるのだね。

    嘘や捏造、不正が発覚しても、動じないことが
    実に重要なポイントとなる。自分が被害者のように
    振舞うことができるのか?ということ。
    自己論理的な不具合をうまく言い聞かす。

  • 4167656361 344p 2002・7・10 1刷

  • ハミルトン・ムーア&アソシエーツ糾弾祭り・その2。

    この詐欺集団についてうちのblogが取り上げたのはもう2年前(2007年)のことなんだが、未だにハミルトンなんちゃらで検索されている。
    周期的にDM送りつけてんのかなぁ。

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