あほらし屋の鐘が鳴る (文春文庫 さ 36-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167656539

感想・レビュー・書評

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  • 第47回アワヒニビブリオバトル「平成」で発表された本です。
    2019.01.08

  • 雑誌『pink』(マガジンハウス)に連載されたコラム「オトナのやり方」と、雑誌『uno!』(文芸春秋)に連載されたコラム「女性誌探検隊」を収録しています。

    「オトナのやり方」の方は、フェミニズムに親和的な観点から、「大人の男性」を揶揄したものです。

    一方「女性誌探検隊」は、雑誌の性格の違いを、著者らしい毒舌を交えながらおもしろく語ったものです。名前だけは知っている雑誌がどういうもので、どういう読者に支えられているのかがすこしわかったような気がします。

  • 38787

  • 全力でおススメ

  • 図書館で。面白かったです。
    面白かったんですが私あまり雑誌を読まないので後半はあまりピンと来なかったので。今度読書日記を借りてこようかなあと思います。

    なんていうのかいちいち頷きながら読んでしまいました。確かにクリントン・橋本首相・青木都知事は次のブッシュ息子・小泉首相・石原都知事という顔ぶれを見ると平和だったんだな、という感じがします。へえ、そうなんだ~と思う事と確かに私もそう思うかも、という主張が多くて面白かったです。でも私はテロリストのパラソルは結構好きだな。反対にハーレクインロマンスとかアリエナイ~と話が頭に入っていかない感じです。
    ある意味女性も男性も求める世界は同じなんだろうな。ベクトルが違うから分かり合えないだけで…

  • 前半はともかく、後半の女性誌評は、ちと辛かったな......

  • 相変わらず、古い時評を面白がって読んでいますが、時代は変わっても日本の本質って変わらないなぁと思う。
    日本の社会の権力を握ってはなさいないおじさんたちを、情け容赦なくぶった切る。
    きっとバッシングもすごいのではないかと思うけど、実際「斎藤美奈子なんて、ピンとの薄らボケたことをしたり顔で語りやがって。」みたいに言う人も見たことあるけど、デビューの頃からその姿勢がぶれないのがすごい。

    この本についても“片方がおじさまやっつけ系のエッセイで、もう片方は巷の女性誌評だから、二つ足すと男性も女性も揶揄の対象にしちゃっていることになる”と、ちょっと弱気になったのかと思わせておいて“なんだ、たいして過激なことはいってないじゃん”と、軽く言ってのける。

    女性作家について語らせると、揃いも揃って紫式部の昔にまで遡りたがる文壇の重鎮たち。
    アイドルが出来ちゃった結婚すると、こぞって少子化に歯止めがかかるとはしゃぐマスコミ。

    メディアに対する違和感、世の中の流れに対する軽い嫌悪。
    そういうものをすくい取って言語化するのがとにかくうまい。

    本当は自分で勉強して自分の言葉で語るべきなんだけど、時々彼女の鋭い舌鋒を支えにして、世の中の大きな流れに流されまいぞと思うのだ。

  • 内容的には5~10年前の雑誌連載が基本になってるので、
    ちょっと古いかなとも思うけど、世の中(日本)のオヤジ度はそれほど変化がないに違いない。

    かなり笑った。がはは~、てな具合で笑える。
    「失楽園」とか、うちのお父さんは「セックスするだけだから面白くない」とか言ってたけど、ほんとにそうだね。美味しいもの食べて、セックスして、っていうのが定番。おじさん向け読み物。うちのお父さん、こういうので妙に感激するような親じゃなくてよかったと思った。
    郷ひろみの「ダディ」要約もすごかったなあ。全体通して読むとまぁまぁ・
    ・・ですむところが、抜粋することによって特殊性が浮かび上がる。ほんと笑えた。

    そのほか、当時の話題の本に関して「なんかちょっと・・・」と思うところをうまく言語化してくれるのは、さすがです。
    本文中に出てくるさまざまなネーミングもいい。
    「教科書に載らない歴史」運動をとって、「慰撫史観」とか。でも、これを改め、「自慰史観」にしよう!とか(笑)。日本語って最高!いいセンスしてる。あの運動はたしかにマスターベーションだ(笑)。なんか恥ずかしいわ。

    雑誌に関するコメントもいいねえ。でも、今は雑誌業界、10年前の比じゃないくらい種類が多いから、コメントのつけようがないかもしれない。

    テレビはナンシー関(ああ、亡くなったのは本当に惜しい)、書き物は斉藤美奈子が解説すべし、というのが私の中での掟です。

  • マガジンハウスの「pink」という雑誌に196~1999に渡って連載したものをまとめたもの。「妊娠小説」「紅一点論」で女性の目からみた小説、TVアニメなどの男女像を小気味よく俎上に上げたが、これは雑誌連載ということで、「おじさんマインドの研究」と題した時事評論である。政治、スポーツ、エンタメ、等やはりそこは斎藤流価値観に照らして、カーンと鐘ヒトツ鳴らす、という具合。。「妊娠小説」「紅一点論」はややもすると男性すべてを敵に回すかもしれない価値観だけど、こちらは年齢がいったせいか、世の中を渡ったせいか、鐘ひとつの基準も男女どちらにも受け入れられるかも。

    また数ある女性誌の分析もおもしろい。

  • 斎藤美奈子の本を読むと、スカッとする。

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著者プロフィール

1956年新潟市生まれ。文芸評論家。1994年『妊娠小説』(筑摩書房)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で小林秀雄賞。他の著書に『紅一点論』『趣味は読書。』『モダンガール論』『本の本』『学校が教えないほんとうの政治の話』『日本の同時代小説』『中古典のすすめ』等多数。

「2020年 『忖度しません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤美奈子の作品

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