鉤 (文春文庫 ウ 11-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661335

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  • 人の魅力は比較しても始まらない
    世間は厳しい」と感じるのは、自信過剰ではなく、売れっ子との比較「フック」(鉤)魅力が自分と何ら変わらないのに売れる事に恨みを持つことがある。それはやはり「運」がある人間と、無い人間の差としか言いようがない。だから、「運」の良い人間との接触を多く持つことが一番だと経験から言える。「運の良い人間」には周りに多くの助け人がいることが分かり、互いに助け合っていることだ。

  • なかなかに狂っとる主人公の様子が、なんか昔の小説、夢野久作とか、そこらへんの匂いを感じたり。
    なんとなく、昔の小説では狂っていったり、狂人ってのがよく出てきたんではないか。だからなんだというわけではないけども。
    主人公もおかしいけど、なにげにウェインもおかしいし、スーザンも段々とおかしくなっていってもうみんなちょっと変で最終的にはよく分かんなくなってしまう、的な。最後のオチは想像力を掻き立てる、というよりも、ゼウスエクス・マキナっぽい無茶感。

  • 「きみの小説をおれの名前で出版しよう、分け前は折半、五五万ドル」。作品はあるが発表する場のない落ち目の作家にとって、スランプに陥った旧知の人気作家の申し出は渡りに船だった。もうひとつの条件さえ、ついていなければ。「ただしおれの女房には死んでもらわなきゃならない」。――マーケティング理論に毒された出版界の内幕暴露ものの皮をかぶりつつ、実際の読みどころは犯罪心理劇という一作。最初の設定からはまったく想像できない結末へたどり着いたという点で、かなり楽しめた。「フック」というタイトル通り、章と章のつなぎがいやらしいまででに巧みで、たしかな技巧の裏付けを感じられる。

  • スランプ中の人気作家が、友人の中堅作家の作品を自分の名前で出版しようともちかける。収入は半分ずつに分ける。そのかわりに離婚調停中の妻の殺害を依頼する。なにもかもうまくいったのだが、人気作家の精神がおかしくなる。ストーリーはそんな感じ。人気作家の転落ぶりが痛々しい話。最後の7ページがおぉっ、となった。

  • 実力はあるが出版社に本を買ってもらえない作家と、
    知名度はあるがスランプで書けない作家が手を組むことに。
    その裏では、とんでもない取引が交わされていた…。

    タイトルの「鉤」は、「フック」「つかみ」「売れる要素」なんて意味もある。
    ラスト一行までスリリングで、あっとゆまに読めちゃいます。
    古本屋でしか見つけられなかったので、増刷してないのかも。
    あんまし売れなかったのかな?
    翻訳ものが苦手なひとも、文章がするする入ってくるので映画を観る感覚で一読の価値あり。

  • 雑誌『ダ・ヴィンチ』に載っていて、読み始める。
    怖かった。
    有名になり、一度は売れたものの今や次回作の出版すらままならない作家が同じ「作家」という肩書きを持つ昔からの知人と久しぶりの再会を果たすことによって物語が動き出す。
    特に凝ったトリックがあったりするわけではなく、時の流れのままに、事件は起こされる。
    その事件によって、二人の運命の流れが変わる。
    とても激しく。
    恐怖というか、自分の中の狂気みたいなものにとりつかれてしまう、そんな怖さを感じるストーリー。

  • 尻すぼみ感が残りました。

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