サウダージ (文春文庫 か 30-3)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167686024

感想・レビュー・書評

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  • 池袋平和通り、山手通り、桜土浦インターetc.知っている地名が登場すると、自分の記憶の中の景色とリンクしてリアルに感じられた。
    セックスの描写は濃厚で生々しい割に、ラストの関根が撃たれるシーンや、自爆するシーンはあっさり呆気なく感じられて物足りなかった。

  • ヒートアイランドシリーズ第3作。このシリーズは話に連続性がありながらも、それぞれテーマが大きく異なっており、それぞれ違う楽しみ方ができる。いずれも面白いのは言うまでもない。
    今作は、裏社会のばぶれ者たちでも、好いてしまった女には良くも悪くも振り回されてしまう男たち2名を中心に描かれる。ハーピーエンドにはならないんだろうなと読みながら推測できるが、それがどういう結末になるのか、最後までドキドキしながら楽しめる。にしても男女関係とはいえベッドシーンが多く、表現が生々しくてさながら官能小説のように感じる(笑)
    なお、登場人物の一人の出自が南米系なのには、数年前に読んだワイルド・ソウルを思い出しました。著者の巧妙さを感じた。

  • 耕一が最後に自分の本当の姿を、自分以外の誰かに伝えることができて良かった。自分という名の存在の証明。
    話は、プロフェッショナルで完璧なところに、危機があるからドラマがあって面白しろかった。

  • ヒートアイランドシリーズの3作目。
    これぞ垣根涼介!といえる、暴力と性と犯罪の生々しい描写がこれでもかと。
    読んでて具合が悪くなりそうな部分もあるけれども、その分リアルで読む手が止まらなかった。
    DDの危なっかしさがリアルで、本気でハラハライライラさせられたけども、この本能のままに生きる姿には圧倒された。
    なんとなく先が読める感があったものの、前作と比べるとかなり面白かった!

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    故郷を捨て、過去を消し、ひたすら悪事を働いてきた日系ブラジル人の高木耕一は、コロンビア人の出稼ぎ売春婦DDと出逢う。気分屋でアタマが悪く、金に汚い女。だが耕一はどうしようもなくDDに惹かれ、引き摺られていく。DDのために大金を獲ようと、耕一はかつて自分を捨てた仲間―裏金強奪のプロである柿沢に接触する。

  • これ、シリーズものだったことを知らずに読了。前作知らないが全く問題ない。
    なんで惹かれるんだろう?
    人物描写の巧みさと、その人物の支配する空気。生きている環境、匂い。
    アウトロー、犯罪、性。日常、心情、悲しみ。
    理屈はない。ただ惹かれる。

  • 垣根氏がDDを媒介として描き出す究極の場末感が堪らなくゾクゾクさせてくれる。バカでまっすぐでとてつもない生命力を俗悪的にこれでもかとかましてくる。新大久保の猥雑なバーで読みたくなるような本。

  • ヒートアイランドの続編、日系ブラジル人の話が出てきてワイルドソウルを思わせる、柿沢の話がもっと読みたい

  • 新入社員に読んで感想を聞かせろと渡した(笑)

  • 普通に面白いし読んでよかったけど、人にオススメまではするかなぁ・・・。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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