- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167692056
感想・レビュー・書評
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痴呆症の父を介護するために、
喫茶店を閉めて実家に戻る主人公。
隣に住むドライで現実的な兄、
過去に問題を抱える介護士の女性、
優しかった亡き兄嫁と、登場人物がみな
人間的で暖かい。
一語一文を読みのがしたくない、魅力的な文章。
スリムなのに柔らかく、心にすっと入ってくる。
後半、理屈っぽく蛇足と感じるところもあったが、
父の症状が急変するまではほぼ完璧に引き込まれて読んだ。
庭木や草花に関する記述が多く、興味を引かれて、
辞書を何度も引いたことも他にはないこと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
痴呆症となった父の世話のため仕事を辞めて父親と一緒に暮らし始めた主人公、そしてその父の世話をしてくれることになった佳代子の物語。
何も分からなくなって行く父との生活のなか、新しい家族の形を作っていく。 -
痴呆症の父親を軸に噺は進むが、単なる介護物語で終わらないのが玄侑宗久。固定観念のせいか、どの作品を読んでもありがたく思えてくるから不思議(笑)。
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盛り上がりに欠ける小説
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痴呆老人の話だった
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道尾秀介さんのエッセイでおすすめされていたのと、玄侑宗久さんの本がもともと好きなのとで読みました。よく介護の現場で起こると言われている事や、心構え、対処法などが、会話やストーリーを通して自然としみこんできました。縁の不思議さ、人の優しさ、あたたかさ、光を感じられる、素晴らしい小説です。何度も読みたいです。