人生のちょっとした煩い (文春文庫 ヘ 7-2)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167705725

作品紹介・あらすじ

「ペイリーさんの小説は、とにかくひとつ残らず自分の手で訳してみたい」と村上氏が語る、アメリカ文学のカリスマにして伝説の女性作家の第一作品集。キッチン・テーブルでこつこつと書き継がれた、とてつもなくタフでシャープで、しかも温かく、滋味豊かな十篇。巻末にデビュー当時を語ったエッセイと訳者による詳細な解題付き。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすいとおもってすらすら読む本ではないです、確実に。たまにおいていかれて、でもついていきました。なんか、みんなとちがうタイミングでいつも笑っちゃうな、みたいなひとに勧めたい本。「変更することのできない直径」がすきです。出てくるひとたちみんな愉快。グレイス・ペイリーははじめて読みました。子育ての、家事の合間にキッチンで短編を書いていた姿を思い浮かべるとなんだか胸がすっとしてくる。

  • 変更することのできない直径、何気なく開いて読んで魅了された。さりげない言葉たちが読み返すたびに生き生きしてきて大切なものだと光り始める。今まで読んだことのないテンションの話でおどろかされる。

  • 「そのとき私たちはみんな、一匹の猿になってしまった」が良かった。サリンジャーの「テディ」や「笑い男」みたいに、人間の狂気を淡々と語っているところがなんとも恐ろしく、面白い。あくまで語り口が淡々としているのであって、そこで語られる話そのものは随分とぶっとんでいる(おまけに少年探偵団のようなわくわくさせる話でもある)。そのギャップが気に入った。

  • 訳者の村上春樹もあとがきに記したように、じつに骨のある文体で、読みやすいか、と言われれば読みにくいと思う。
    内容は、タイトルが端的に表した、「人生のちょっとした煩い」。
    ドラマティックでスマートとは正反対、つまり平凡かつ事情持ちの人々の、ほろ苦くペーソスな人生のある瞬間を、タフな客観で切り取った短編集。ユダヤ系の人々の生活がよく出てきます。
    悲劇でもメランコリーでもない、「薄ら不幸」という、この感覚。ふいにちょっと笑ってしまうような、おかしみと哀しみ。
    展開や共感に心躍る!という楽しみ方ではありませんでしたが、「うーん、良い」と、思わず。
    読めば読むほど味の出てきそうな、そしてゆっくり味わいながら再読したい一冊。

  • 前半の作品はアマプラ「モダン・ラブ」的テンポ、後半と第二集は政治絡みか難解

  • ①文体★★★★★
    ②読後余韻★★★★★

  • んー。、

  • あまり覚えてない……

  • 小説の世界での、時代背景や当時のアメリカの女性の雰囲気などが少し伝わってきた。
    文章が個人的に難しく、きちんと理解できなかった部分も多い。
    様々な人生の一瞬一瞬が切り取られたこの短編集は、さっぱりとした雰囲気と、読んだ後に少し寂しくなる感じが心地よかった。

  • 村上春樹さんは、とてつもなく大好きな小説家です。その村上さんが、「この人の小説は全て自分で訳したい」というくらいに心酔しているらしい作家さんが、この本の作者の、グレイス・ペイリーさん。ほほう、あの村上さんが、そこまで言わはるのならば、こらもう読んでみるしかあるまいて!と、読み始めたのですが、、、

    すみません、誠にすみません。自分には、ちょっと、合いませんでした、、、合わなかった、としか、言いようが無い。これは、どうも、面白さ、興味深さが、湧きませんでした。読み進めるのに、かなり、苦労しました。原文が難解なのか、村上さんの和訳が難解なのか、どっちかは分からないのですが、なんといいますか、読みづらかった、、、すみません。

    きっと、間違いなく、名作なのだと思うのですが、自分には合わなかった。それはもう、どうしようもないな。という感じでしょうか。もともと、外国の小説を読むことがほとんど無いので、翻訳モノが苦手、ということもあるのでしょうが、、、むう、無念。やっぱ、日本語が好きだなあ~、と、変な事を思ってしまったりするのでした。

    もし実生活で、自分と話が合う人・話してて楽しい人がいて、その人が「この小説、凄く好きなんです」って言われたとしたら、じっくり話をしてみたいですね。逆に。自分には、この小説は、合わなかった。でも、きっと、この小説を大好きな人も、いるはず。そこで、自分と、その人との間にある価値観の違いとは、いったいどんなものなのだろうか?そんな事が、気になりますね。

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