僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由 (文春文庫 い 65-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717254

感想・レビュー・書評

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  • 8人の若者の「今」のルポルタージュ、
    今から18年前に単行本が出たのであるが
    この実態は 今でも十二分に
    そのままであるように 思える

    ここに 登場した
    その若者たちも 今や40を超えた
    いわゆるアラフォー世代になっているはず

    どうなんだろう?
    巷にあふれている
    いろいろな 困り感を抱いている
    人たちの実態を 見聞きする限り
    あまり 楽観的に考えられない

    もし 可能ならば
    ここに登場している8人の
    18年経った「今」を
    読んでみたい

  • 【速読】爽快に読み飛ばしても不思議と内容がしっかり頭に入るんですね。それは本書が無駄なことばかり書いてある悪書、というわけではなく、事細かに描写される土地の風景、社会を組織する人々の所作など一見読まなくてもいいような場面も、インタビューを受けた当事者が要所で目に焼きつけたものとして重要なポイントになるのでしょう。レールに乗るか乗れないかでその人の人生が語られるのは実に異常な事態でして、茂木健一郎も嘆いておるぞ。

    【内容メモ】ひきこもりから普通のサラリーマンまで8人にインタビュー。職に就いて数年で若者が辞めていくご時世ってことで、はたから見れば成功者のような人もこのまま生きることに真剣に苦悩している。手厳しい意見もあるようですが、本書で数少ない働き続けている人の言葉「働くとは続けること」はその意見を補完するものにはなりません。色々手を出しそれでも生活が定着していかない人々との対比として「続けること」があるのですが、そこに肯定的な意味合いは見いだせません。「死ぬ自分が生きること」への苦しみに対し退行的な処方箋として「続けること」を行使しているだけで、その日を乗り越えるため毎日飲み続けるアル中患者みたいなものなんじゃないでしょうか。我々はパラノイドに生きています。

  • 怖い。

    正直自分でもこうなる可能性があるんじゃないかと、共感する部分があるたび不安になっていく。

    しかし、逆に少なからず多くの人がそう思っているんではないか、とも思えた。

著者プロフィール

稲泉 連(いないずみ・れん):1979年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒。2005年に『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死』(中公文庫)で大宅賞を受賞。主な著書に『「本をつくる」という仕事』(ちくま文庫)、『アナザー1964――パラリンピック序章』(小学館)、『復興の書店』(小学館文庫)、『サーカスの子』(講談社)などがある。

「2023年 『日本人宇宙飛行士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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