少し変わった子あります (文春文庫 も 22-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1600
感想 : 170
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167743024

作品紹介・あらすじ

失踪した後輩が通っていたお店は、毎回訪れるたびに場所がかわり、違った女性が相伴してくれる、いっぷう変わったレストラン。都会の片隅で心地よい孤独に浸りながら、そこで出会った"少し変わった子"に私は惹かれていくのだが…。人気ミステリィ作家・森博嗣がおくる甘美な幻想。著者の新境地をひらいた一冊。

感想・レビュー・書評

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  • とても興味深く面白かった。 一夜限りの食事と一人の女性との出会いから作者の思う 孤独というものを考えていくストーリーがとても斬新だし、ミステリーの要素もあり飽きさせない内容だった。 僕はこんな洒落た男ではないからこんな洒落た女性と接点がないんだろうなとも思った。 確かに食事の際の身のこなしが素敵な女性はきっと内面も素敵なんだろうなと想像がつく。 無意識での自然な振る舞いにその人の真の人間性が現れるんだろうなと思う。 己の駄目さ加減を痛感する作品。 他の作品も興味が沸く。

  • 失踪した後輩が通っていたお店は、毎回訪れるたびに場所がかわり、違った女性が相伴してくれる、いっぷう変わったレストラン。都会の片隅で心地よい孤独に浸りながら、そこで出会った“少し変わった子”に私は惹かれていくのだが…。人気ミステリィ作家・森博嗣がおくる甘美な幻想。著者の新境地をひらいた一冊。

  • 森博嗣さんの作品はこれが初めてなのですが、読みやすい作品でした。
    ミステリーって思わず読んでいたこともあり、ラストシーンを読んだら乾くるみさんのセカンドラブとかイニシエーションラブを思い出しました。

    だから、前からパラパラ読み直したのですが、謎が解けませんでした。

  • 最後に驚きます。

    表現が綺麗で深く深く感動はしないけれど、浅めの感動をずっとしている感じ。
    示唆に富んだというか、深く考えさせられる話が多数。

    でも最後の意味というか、理由がちょっとまだ分かってないなぁ。

  • 女性と一対一で、美味しいご飯を食べるだけのお店に通う教授?の話。

    毎回違う女性達だけど、皆食事の動作が綺麗。話さなくてもその動作を見ているだけで満足するような。

    教授が女性達の話を聞いて解釈する所は、なるほどと思うこともあれば、難しくてよく分からなかったりもした。

    とりあえず食べる動作が綺麗になりたいなと思った。

    最後に近づくにつれ、小山教授もいなくなるのでは…と危機感を抱いていたが、磯部教授にお店を紹介した件が無かったので、このまま通い続けました!って話で終わるのかと思いきや、まさかの最終話は磯部教授がお店に通い、小山教授は行方不明…

    えー!どこ行ったの?最終話の一つ前の話でもそんな不穏な感じは無かったじゃん!!
    女将に食べられちゃうの?

    磯部教授は危険を感じてるからどうなるのか分からないけど、誰かにお店を紹介したらフラグが立っちゃうのかなぁ…小山教授の人柄良かったのになぁ…

    謎のままで終わっちゃったけど、最終話の衝撃的な終わり方も良かったと思います。

  • 森博嗣さん
    好きな作品の一つ。
    食事のマナーって大事。

  • 主人公は一人の時間が好き。決して人嫌いとかそういうことではないけど。毎回変わる店で毎回変わる相手と食事する。その関係の中で語られる主人公の内面世界、ちょっと怖いけど読み続けたい…と思って読み進んでいくうちにアレ?主人公は!?不思議な本だった。

  • 森博嗣の主人公は研究が好きだよなあ。
    これはなんだろう、食べること、一人でいること、うーん、何がテーマなんだろう。
    でも相変わらずぎりぎりいい感じのまわりくどさで、この人の文章好きだなあ。
    思いっきりオチにびっくりさせられて、巧いです。
    研究者がなぜ現役で指導しなきゃいけないのか、というところは、うんうん、なるほどなあと思った。

  • 紹介されたお店はいつも場所が違って、
    料理と一緒に現れる女と話したり話さなかったりしながら食事する不思議なお店の話。
    なんとなく行ってみて、その内生活の一部にすっぽりおさまり、孤独を実感しに行く主人公。
    誰かにお店を紹介すると自分の番が終わるのか、消えてしまうところは少しひんやりします。
    その日現れた女性と食事をし、その結果自分の中の価値観が変わったり発見があったりでとても楽しそうです。こういう話をするようにとか言われてるのかなぁ。全く意味はわからないですが、すとんと残る話でした。

  • 始めて森博嗣の作品を読んだ。読み進める過程で小出教授が通いつめる店の謎が解き明かされることを期待したが、最終的な解説はなかった。孤独というテーマを軸に節々にヒントのようなものが隠されていたが、納得できる結論には至っていない。しかし、孤独というメインテーマよりも、作中名言が多く森博嗣の哲学が随所に垣間見えたところに価値を見出すことができた。この小説をきっかけに他作品をぜひ読んでみたいという気持ちになった。影響度でいえば自分の中で5本の指に入る。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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