明智左馬助の恋 下 (文春文庫 か 39-7)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167754075

作品紹介・あらすじ

「愛宕山に詣でて、戦勝祈願のために一夜参篭する」。朝廷との密会を重ねる光秀の暴走を止められない左馬助。そして本能寺の変-。大ベストセラーとなった本格歴史ミステリー長編は、すべての謎を解き明かしながら、明智家の壮絶な「死の門出」で終局を迎える。宴を彩る「落城の譜」の調べ、そして左馬助と綸が貫いた真実の愛とは。

感想・レビュー・書評

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  • 我が敵は本能寺にあり!前作「秀吉の枷」と繋がる本能寺の変の真実…読後(光秀・左馬助・綸ら)明智一族推しになりました。
    それにしても戦国時代小説は面白い。曖昧な歴史の隙間が作品で埋められ、それが自分にとっての史実になっていくのが心地良いです。

  • 「明智左馬助の恋(下)」加藤廣著、文春文庫、2010.05.10
    280p ¥600 C0193 (2020.06.11読了)(2019.01.21購入)

    【目次】
    第六章 天正十年
    第七章 本能寺の変
    第八章 阿弥陀寺・清玉
    第九章 落城の譜
    あとがき
    文庫版へのあとがき
    参考文献

    ☆関連図書(既読)
    「信長の棺」加藤廣著、日本経済新聞社、2005.05.24
    「秀吉の枷(上)」加藤廣著、日本経済新聞社、2006.04.18
    「秀吉の枷(下)」加藤廣著、日本経済新聞社、2006.04.18
    「明智左馬助の恋(上)」加藤廣著、文春文庫、2010.05.10
    「鬼と人と(上巻)」堺屋太一著、PHP文庫、1993.05.20
    「鬼と人と(下巻)」堺屋太一著、PHP文庫、1993.05.20
    「国盗り物語 一」司馬遼太郎著、新潮文庫、1971.11.30
    「国盗り物語 二」司馬遼太郎著、新潮文庫、1971.11.30
    「国盗り物語 三」司馬遼太郎著、新潮文庫、1971.12.20
    「国盗り物語 四」司馬遼太郎著、新潮文庫、1971.12.20
    「下天は夢か 一」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15
    「下天は夢か 二」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15
    「下天は夢か 三」津本陽著、講談社文庫、1992.07.15
    「下天は夢か 四」津本陽著、講談社文庫、1992.07.15
    「秀吉(上)」堺屋太一著、日本放送出版協会、1995.12.21
    「秀吉(中)」堺屋太一著、日本放送出版協会、1996.04.30
    「秀吉(下)」堺屋太一著、日本放送出版協会、1996.10.12
    (「BOOK」データベースより)amazon
    「愛宕山に詣でて、戦勝祈願のために一夜参篭する」。朝廷との密会を重ねる光秀の暴走を止められない左馬助。そして本能寺の変―。大ベストセラーとなった本格歴史ミステリー長編は、すべての謎を解き明かしながら、明智家の壮絶な「死の門出」で終局を迎える。宴を彩る「落城の譜」の調べ、そして左馬助と綸が貫いた真実の愛とは。

  • 前二作と整合性をとりつつ第三の視点で書いてるのが面白い。しかし、真実はどうだったんだろうな。あとがきの「三次元自動焦点」を読んで、羅生門や猟銃を読んでみたくなった。

  • 後書きに三方向からの視点とあるが、まさしく
    「第7章 本能寺の変」はまさしく今までにない着眼点で描かれている。この章だけで十二分に満足。
    しかし、結末には疑問点が晴れぬままモヤッと感が残る。

  • 信長の残虐な行為、乳母の乳首を噛み切ったとの逸話の真相を信長の弟が語る。
    こんな捻じ曲げられて伝えられていた信長の話によく調べあげているなぁと思う。
    左馬助の話ではなく、本能寺の三部からなるとあるように中心が信長で、そして左馬助からみた光秀の話で最期に替え玉の死を無駄にしたのかどうか光秀の死が分からない状態で生き残っていることを願って切腹したのが割り切れない切なさが残る。

  • 本編をもって “本能寺の抜け穴” に纏わる謀略の全容が解き明かされる、壮大な歴史ミステリ-小説である。阿弥陀寺で信長の遺体と対面した明智左馬助は、光秀に生き延びて歴史の証人と為らしめるために、光秀の影武者を配している。仕組まれた合戦にも敗れ、坂本城に追い詰められた明智一族は、光秀の安否不明のまま壮絶な最後を迎えるのだった。左馬助と綸(りん)の最後は、涙ぐまずにはいられなかった。 (著者【加藤廣】氏は75歳で作家デビュ-し、2018年4月に87歳で逝去された。)

  • 遂に、本能寺の変も含む明智家の最期が描かれる。結末がわかっているだけに切なかった。左馬助の恋という題名だが、そこまで恋がメインにあるわけではない感じ。

  • 表題と内容が少しづつズレていき・・最後で強引に戻ってきました。

  • 本能寺三部作のラストの下巻。前二部を読んでいた方が楽しめそうだが、小説としてはこれが一番良かった。奇をてらう謎解きに力点が置かれ過ぎた前二作より、本作は遥かに人間・左馬助が描かれていたからだ。なお、このシリーズは物事の理を示すのに三点から見るのが望ましいという点から描かれてきたもののようだ。本作が史実に近いか否かはともかく、先の三点観測が物事の実相を詳らかにする適宜な手段というのは納得できる。

  • 光秀、いい人

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著者プロフィール

加藤 廣(かとう ひろし)
1930年6月27日- 2018年4月7日
東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務し、調査部長などを歴任。山一証券経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師を経て経営コンサルタントとして独立し、ビジネス書執筆や講演活動を行う。
50歳頃から、人生を結晶させたものを残したいと考えるようになり、歴史関係の資料類を収集。2005年、『信長の棺』で作家デビュー。当時の小泉純一郎首相の愛読書との報道があって一気にベストセラーになり、高齢新人作家としても話題になった。のちに大阪経済大学経営学部客員教授も務めた。
『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』を著し、『信長の棺』を含めて本能寺3部作と称される。ほか『水軍遙かなり』、『利休の闇』。その一方で『戦国武将の辞世 遺言に秘められた真実』、『意にかなう人生 心と懐を豊かにする16講』など歴史エッセイや教養書も刊行を続けていた。

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