やさしさグルグル (文春文庫 ゆ 10-1)

著者 :
  • 文藝春秋
4.04
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本棚登録 : 291
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167801977

作品紹介・あらすじ

まず自分が手放すからこそ、優しくまわり始めるものがある…センス良い料理で人気の著者が贈る、人とつながるアイデア、気持ちよく暮す整理整頓術、考えるインテリア、自分を生かしてくれた家族、留学、仕事。周り中を笑顔にしながら美味しく美しく生きるためのヒントが満載。自慢のレシピ30まで付いた贅沢エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 家族のこと、娘のこと、料理のこと、趣味のこと等、著者の周りを彩る様々な大切なものを優しい視点で綴ったエッセイ集。日々の食卓からおもてなしの料理まで、30のレシピも掲載。

    この作品には心が自立した女性が沢山登場するので、読んでいて背筋が伸びます。大変だと思うことは気負わず、背伸びせず、自然体で、周りに頼りながら。時に難しいと感じるものほど“燃えて”しまうことがあるので、こうゆう一歩引いた冷静な自分も常に持っていたいと思います。

    繰り返し読んで、大切にしていきたい言葉を胸に留めたい。穏やかな時間を与えてくれる作品でした。

  • 優しくて気取らないエッセイ。発想の転換が大事、いろんな人から学ぶことが沢山あることを気づかせてくれる。「教えて」くれるのではなくて「気づかせて」くれる。引用したいところはたくさんありすぎて無理。音楽のお話やレシピも載っていて、盛りだくさん。料理を作ることは食べる人のことを思いやるから、料理家の人のエッセイは優しいのかな?

  • 本を読んで、こんなに気持ちが軽く、明るくなるのは久しぶり。とてもステキな生活を送っているけど、全然嫌みがなく、とても気持ちの良い人なんだろうなー。料理も仕事も、家族とのつきあいも、どれも気負いがなくてステキな人なんだろうなと思った。
    行正さんのお料理レシピも、とても簡単だけど、誰かのためのものっていう雰囲気が魅力的。たくさん料理がしたくなる!!

  •  ―――優しさというのは、グルグルまわっていくもの。
     まず自分が手放してはじめて、まわりはじめるもの―――

    明朗快活な、料理と育児にまつわるエッセイ。
    「しょせん男は女から生まれた」
    「四歳までがんばれ。四歳いっぱいまではロケット台を作るのと同じ」
    印象的なセンテンス。
    他人になにかをしてあげたくば、まず自分のことからしっかりやろう、というスタンス。
    こどもがのびのび育ちそうな視点の持ち主。

  • わたしは将来、子育てをしたい。これは母や周りの家族を見てずっと思ってきたことだが、今回この「やさしさグルグル」を読んで、姉妹を育てたいという新たな感情が湧き上がってきた。育てたい、というよりも、後世付き合っていける仲のいい女の子の友達を作りたいのかもしれない。この本は、行正り香さんの自慢のレシピ30までついた、周り中を明るく照らしながら過ごすためのヒントが詰まった贅沢なエッセイ集だった。行正り香さんの、感受性豊かでおもしろい言葉のセンスを持ち合わせた二人の愛娘。行正り香さんの相棒のような妹。のんきで「人生、人のことよりまず自分」という根本を何度も気付かせてくれる母。私が思う主要登場人物はこの女性たちだ。私も、家族間を超えた、女性同士の素晴らしい関係性に浸りたいと願う。

    「三つ子の魂百までも」という言葉と同じように、四歳まではロケットの土台を育てていると思って、実は記憶から消去されてしまう0歳児からの5年間を大切にしたい。きっと、この5年間に受けた愛情がその子の人生の要になるはずだからだ。

    将来教員になり、たまたまの縁で巡り会った子供たちが打ち上げ準備をしている時に寂しそうにしていたら、そっとぎゅっと、じっと、抱きしめてあげたい。ここから先は理不尽な風や難しい勉強という雨が降るかもしれないけれど、見えなくなるまでずっと応援しようと思う。

    私は、自分がしあわせになるには何をしたらいいか?を具体的に行動してみて、飽きたり、向いていなかったりを繰り返している。こどもたちにも、自分をしあわせにしてくれるものを人生の中で見つけてほしい。そのために広く広く、色々な音や感情、温度、人に触れて知って欲しい。考えて欲しい。人の心の色を変えるより、自分の色を変えられる力を身につけるきっかけを与えられる人間になりたい。教え子たちにも、その欠片をそっと渡したい。

  • 20240319再読
    どこかで母てんよし子のように失敗を許す心を持たなくては、息苦しい、住み難い世の中になってしまうにちがいありません。完璧を互いに求め合えば、そのうち誰もが失敗を恐れ、行動することができなくなり、結局は自分を苦しめることになるような気がします。

    20081015
    読むとやさしい気持ちになれる。

  • レシピとエッセイ、著者の働き方、考え方、子育てなど色んな一面が見れる。日々の生活を大事にして将来のことも考える、忙しい毎日でも頑張れるヒントもあった。

  • 料理研究家の著者によるエッセイ集。フェイスブックで勧められていたので読んでみた。
    ひょんなことからアメリカ留学後、電通でCMプロデューサーとして働いていたらしい。
    すごく有能な人なんだ。

    ジャズと絵本と本。家族。ペット。こんな生活いいなと思う。
    でも、それはきっと気の持ち様。自分だって、そんな素敵な人たちに囲まれているはず。
    それに気がつけるかどうか。そんな心持ちのヒントになる。いい本。

    ちょうど「タキモトの世界」を読んで、ジャズを聴いてみようかと思い、イヤホンで「Kind of Blue」を聞きながら読んでいたところ、文中にその作品が出てきた。そのシンクロに驚く。ちょっと真剣にジャズ聴いてみようと思う。

    ただ、「目から水が出る」という表現が何度か出てくるが、一周回って嫌味な感じがする。せっかく素敵な文章なのに、もったいない。

    ・尾瀬と上高地には行った方がいい。
    ・ケンカ上手に、謝り上手になって欲しい。
    ・女の子の料理上手はしあわせへの近道
    ・「サウンドオブミュージック」
    ・「モチモチの木」
    ・「錦繍」「日の名残り」
    ・立ち直ることのできた経験
    ・一つでいい、人にひっかかるフックをつくれ
    ・教育はやり直しが利かない
    ・別れるときは、笑ってバイバイ
    (80)
    [more]
    (目次)
    LIFE 暮らし
    6 だから、整理整頓
    10 許し合うシーズン
    13 ロケットの土台
    17 博多の女性
    21 やさしさグルグル
    26 整理整頓 again

    HEARTFUL ココロ
    30 ケンカするほど仲がいい
    34 料理で心をリストア
    38 子どもに本当に必要なものは……
    42 心のふるさと、タイランド
    46 日本のアニメ
    51 メリー・クリスマス

    CINEMA & BOOK 映画・本
    55 映画の楽しみ方
    59 すばらしい先生との出逢い
    63 絵本って、夢の箱
    67 雨の降る夜は……
    71 私の大好きな二冊
    74 感性を育てる

    MEMORY 思い出
    78 母・よし子のワンピース
    82 新天地の雲の上はいつも晴れ
    86 動物園の思い出
    89 あの時、あの言葉
    94 金木犀の香り

    WORK 仕事
    98 ママ、がんばって!
    102 仕事って何だろう?
    105 たくさんの思い出
    110 また、会おう

    FAMILY 家族
    114 一家に一人“よし子さん”
    117 人生、まず自分
    122 二つめの花
    127 おばあちゃんありがとう
    131 妹のこと
    136 ハグって、すごい!
    141 Tribute to Kazuko Noguchi

  • 「失敗を許す心を持たなくては、息苦しい、住み難い世の中になってしまうにちがいありません。人を許すことなしには、結局、自分も許されることはありません。」最初のほうの文章に惹かれ、一気に読みおわってしまった。自分の母親のこと、お子さんたちのこと、読んでいて優しい温かい気持ちになった。また最初からパラパラめくって料理のレシピをじっくり読んだりしてる。お得なエッセイ。

  • ◆きっかけ
    ブクログ。2016/8/23

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著者プロフィール

料理研究家・生活空間プランナー。福岡県生まれ。広告代理店でCMプロデューサーとして活躍。2007年に広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」などがある。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。元デンマーク親善大使で、デンマークのインテリアにも造詣が深い。

「2021年 『ステイホームを心地よく… ぬくもりの北欧スタイル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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