- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167806019
作品紹介・あらすじ
郷里をはなれ、好景気に沸く東京で暮らす6人のヒロインたち。仕事で成功すれば野心的だと噂され、妻子ある男との恋に傷つき、すこやかな体まで失っていく。母とは違う生き方をめざしたのに、「賢い女」になれなかった日々。でもやがて、母親となる日が訪れ…。同じ時代を生きる女性たちに贈る傑作恋愛短篇集。
感想・レビュー・書評
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この本には女性の恋愛物語が、6つ収められている。
どの女性も自身の恋愛観の中で、苦しみ、傷付いているが、周りの大切な人から愛情を受け幸せを見つけていく。
そんな心の動きを見事に描写した読み応えのある一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■だめね…30代独身で読むにはなんか心が痛いわ。
ということで読み切れず(たぶん電車で読んでて酔ったのもあるが) -
表題作のほか5編からなる短編集。
主人公はみな都会のど真ん中で恋愛にあえぐ女性たちだ。
愛人よりも成功してしまった女性、2人の愛人の間を行き来するつ女性、恋人を信じ切れず自滅していく女性、平凡な男と結婚してしまったことをかつての仕事仲間に堂々と告げられない女性…。
肩肘をはって都会を闊歩しながらもどこか危うい足元。読んでいて時に強い反発を覚えるが、彼女たちの最後の拠りどころが母親であるのがほほえましい。
最後に収められた表題作がほかの5編をうけて見事に着地している。
あっけないほどきれいで平凡なラストシーンだが、ちょっとうるっときた。 -
たまにこういう表面掬われるような本があって。
ちょっと自分が持っていかれる。
途切れ途切れ読むんじゃなくて、一気に読んだらもっと良かったのかな。
また、折に触れて読み直してもいいな。
谷村さんの女性の描き方は、結構好きです。
登場人物の名前や、出てくる物・言葉・表現を少しずつ重ねた短篇集。
そういう、気づける範囲の巧さは読んでいて安心できる。
それから、
「ひとことで言えちゃうような存在になりたくない」と思った今日に、
「一言で表現できる相手」という言葉を含む表題作を読めたっていうのが面白いなと思う。少し、この本と、重なった。
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解説がちょっと苦手。文章ではなくて、書き手に依存したような読み取り方はあまり好きじゃなくて。
よっぽど好きな作家じゃなきゃエッセイは読まない。
きちんと知りたいと思わないうちは小説だけ、がいい。 -
韻の似た名前の女性六人の短編集
う〜、最後は面白かった。 -
久しぶりにいい恋愛小説を読みました。
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110619
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とにかく、出てくる女性がみんな、”ダメ女”という感じで。
しようも無い人を好きになっては傷ついてる。
理解できない人は出来ないんだろうが、
傷つきながらも、一生懸命、自分を幸せにはしてくれない男の人を
追いかけてる女性たちを嫌いになれないなぁと思って読んじゃった。
ラストの、「みにくいあひる」では、
周りに結婚・出産の事実を伝えられないほどに
今までとは全くタイプの違う人と一緒になった人。
最後の最後に、彼女は正しい選択をする、というか。
恋愛と結婚はちがう、という価値観に根付いて、
今のうちに一杯傷つきながら、恋愛を楽しむのもいいんじゃないかとおもったり。 -
短編集。
特段だれかに薦めたいようにも思わない。
表題にもなっている「みにくいあひる」は別にして、全体的に閉塞感と怠惰な印象を覚える作品が続く。
どうでもいいけど、主人公の女性の名前がいずれもひどく近似しているのが気になるといえば、気になる。なにか作為的なものが?