ひまわり事件 (文春文庫 お 56-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167809027

感想・レビュー・書評

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  • 相互交流を開始した老人ホーム「ひまわり苑」と、「ひまわり幼稚園」。
    老人と園児との交流が深まる中、問題が噴出し、一騒動に発展する。
    問題は解決するのか?彼らの関係はどうなるのか?

    荻原作品らしい、ウィットに富んだ心理描写が随所にちりばめられ、
    550Pものボリュームを感じさせず、一気に読了した。
    物語の始まり方、終わり方も上手で、大変気持ちよくなれる作品。

    内容の面白さの中に、真剣なテーマも盛り込まれており、
    改めて、自分の意思を伝え、行動に移すことの大切さも実感した。

  • 面白かった。

  • 2013/10/30読了。長かった。やっと読み終わった…。
    経営者が同じで隣り合って建っている幼稚園と老人ホーム、子どもとお年寄りの交流、そして組織への反抗!
    子どもたちやじいさんたちの個々のキャラクターはなかなか魅力的でした。とくにチートイ小僧は。

  • 荻原さんは相変わらず、子供と老人の描写が抜群にうまい。
    いや、子供と老人に限らず、人間を書くのがうまいのだけれども、特に子供と老人の話には毎回笑いと感動をもたらしてくれる。
    登場人物たちの現実味あふれる描写が、荻原小説の魅力なのは言うまでも無い。

    ただ、本作は長い。長すぎる…。
    お互いに老人と子供の扱いに慣れていない70歳差の、ジジババと悪ガキたちのどこかちぐはぐなやりとりには、やはり笑いと感動があったのだが、途中飽き飽きしてきたというのも本音。
    荻原さんが、書いているうちにノりにノってしまって筆が止まらなくなってしまった、という印象を受けた。
    それだけ登場人物たちに対して愛があるのだろう。そうじゃなければ、こんな臨場感は出ないし、そもそも笑いも感動も生まれない。
    ただ、これが「日記」ならまだしも、「小説」として読むと、「ダレてる部分」が目についてしまったのだ。
    残念。

  • 少し長い気がする。色んな登場人物の視点から話が進んでいくところ、老人と子供の感性のギャップが面白い。老いの問題は他人事では無いので興味深く読む。

  • 老人と子供達の感覚のズレが面白かった
    勧善懲悪のスカッとするおはなし

  • 隣合う幼稚園と老人ホームの話。

    少子高齢化、核家族化が進む現代ならではな子供達とじいちゃんばあちゃん達。
    そして経営者もきっといるんだろうなという人達。

    世の中は搾取も不公平もありふれてるんだろうけど
    そんな中でも子供達には強く元気に成長してほしいもんです。

  • 幼稚園と老人ホーム。ジジイとガキのやりとりが、たまらなくおもしろい。

  • 舞台は隣接する幼稚園と老人ホーム。幼稚園児、保母、老人それぞれの三人称一視点で描かれていく長編。
    文庫版で550頁になるほどの長さだが、話のテンポが良くて非常に読みやすい。
    少子高齢化問題など、社会派小説としてのテーマをチラつかせながらも、笑って泣ける、荻原浩らしい一作。

  • 終いの住処として入った老人ホームの方針で、隣接する幼稚園児との交流会がたびたび繰り返されるようになった。双方ともに快く思っていない状況が続いたが、ゆっくりと打ち解け始める。この後、彼らは一つの事件を巻き起こした。老いも若きも立ち上がれ!面白い作品。母親たちの真剣な叫び、なのに笑ってしまった。園児の主張をもっと聞きたかったな。映像化しても面白そう。ご老人の恋物語でもある。忘れられた寂しさと忘れてしまったことの申し訳なさ、どちらも体験したことがあるだけに晴也の気持ちも、寿司辰の気持ちも分かる。でも、ほんの少しでもふとした瞬間に思い出してもらえたなら幸せなことだろうと思えた。少し切ない読後感だった。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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