ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで (文春文庫 ふ 33-1)
- 文藝春秋 (2012年9月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167844011
作品紹介・あらすじ
花粉症は「非寛容」、コラーゲンは「気のせい食品」!?生物学者・福岡ハカセが語る、最先端の生命科学から探求心の育て方まで。明晰かつユーモラスな筆致に理系は苦手というあなたも思わず膝を打ち、腑に落ちる。ノスタルジックに描かれるセンス・オブ・ワンダーの気づきも深い余韻を残す、傑作科学エッセイ。
感想・レビュー・書評
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東京書籍の新編国語総合の随想1で取り上げられている。
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分子生物学者福岡伸一氏の生い立ち、生物学を目指そうとしたきっかけ等々を自ら語ったエッセイ集です。
「週刊文春」に連載しているコラムを再編集したものなので、その時々の「時事ネタ」も取り混ぜられていてサクサクとページが進みます。 -
読了。
教科書に載ってた記憶。エッセイ。
TVで観た時はあまりそんなイメージはなかったけど、文章はとても楽しげな人。
難しい内容もわかりやすく書いてくれている印象で読みやすかった。
自分のことをハカセと呼んでいるところに違和感はあるけど、そういうふうに書く決まりがあったんだろうから仕方ない。
他の著書も読んでみたい。
(161020) -
『週刊文春』の連載(2008年5月~)70篇をまとめたエッセイ集。
生物学者・科学者の書いたエッセイ集は多数あるが、専門分野で著名な学者が書いた多くのものと比べ、著者の作品は格段に面白い。
分子生物学者としての専門の知識を持ちながら、エッセイの視点・材料が、一般の人々の日常生活や、専門外の分野にあるからなのだろう。また、ベストセラー『生物と無生物のあいだ』や『世界は分けてもわからない』で証明済みの、科学者とは思えない、読み手を掴んで離さない著述力にあることも間違いない。
「いわゆる「コラーゲン食品」を食べることは、じつは美容と健康にとってほとんど何の意味もない。・・・他の動物から採取したコラーゲン食品を食べた場合、それがダイレクトに吸収されて、細胞のスキマや関節に達し、コラーゲンの不足を補うなどということは決して、ない。・・・プラセボ効果もまた立派な効果である。売る人と買う人にそれぞれ納得がもたらされるのであれば何の問題もない。」目から鱗である。
解説で阿川佐和子が言う通り、『ひょっこりひょうたん島』の物知りの博士そのものの著者による、楽しいエッセイである。
(2013年3月了) -
まえまえから福岡伸一センセの本は気になっていた。ブックオフで100円ぐらいで売ってたので買ってみた。エッセイ集だとは知らなかった。 もっと生物「学」寄りの感じの本かと思っていたので拍子抜け・・・しなかった。目から鱗なコトがいっぱいあった。
のでそのうち、エッセイじゃない方の本も読んでみようと思う。 -
エッセイではあるけれど、科学的内容も軽く含んでいてとても興味深く面白い。生物学に興味があるならば是非一読して欲しい本。
部分を集めて全体になるわけではないという、生命の奥深さが伝わってきて面白い。 -
我々の見えている“世界”の見え方がいかに錯覚思い込みによってズレやすいか。いかに“世界”が興味深く神秘的であるか。
そして“世界”の見え方を多元的に興味深く広げてくれる例として、福岡ハカセは「動的平衡」を挙げます。
「動的平衡」ということからイメージを膨らませると、自分と他人、世界とのつながり関係性、輪廻生まれ変わりなど様々な考えが膨らんできますが、そこはさておき、私としてはやはり“世界”の見え方、“世界”をどう記述するのか?といった観点で、心理療法との共通性を強く感じ、とても興味深く思うのです。
この作品に関する心理エッセイはhttp://ms-counseling.sblo.jp/article/71454093.htmlにあります。 -
自分も生物を学んでる者の端くれとして、こういう文章が書けたらなあと思う。
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分子生物学者である福岡伸一博士のエッセイ集。世の中で話題の時事ネタや自身の身の回りの出来事を、分子生物学者ならではの視点で描いている。
福岡博士の本は初めて読んだが、文章がとてもお上手です。難しいテーマのエッセイでも、教授が学生に説明するような、丁寧な文書でとても読みやすかった。
昆虫採集、釣り、登山、スキーなど趣味が多彩なのは少し意外でした。