- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167900113
感想・レビュー・書評
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教科書でお馴染み、エリート官僚が虎になっちゃう「山月記」
息子がその真実を見つけるミステリ風味。
“本読む若者を増やす“企画が元なので、原作リンクと読みやすさは折り紙付き。 -
中島敦の山月記の柳広司による後日譚
なぜ、父は虎になってしまったか?
なるほど、と言っておこう。 -
ミステリとしてより、ファンタジーとして読めばおもしろい。
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あの『山月記』の、その後。
文庫化されるのが待ち遠しかった。
李徴の息子が、なぜ李徴が虎になったかを追うミステリー。
あくまで、一つの解釈として。
臆病な自尊心と、尊大な羞恥心。
このように自分を評価する李徴が好きで、詩作という世界に没頭する(しかなかった?)彼が虎になる末路を何度味わえただろう。
だから、柳広司版李徴の柔らかさが、やや物足りない気がする。また、息子はどちらかというと袁傪に近いような……。
ただ、解釈そのものや『山月記』の読み方は好きで、一つの物語としては楽しめた。 -
中国文学をかじったことのある者としては、中国文化の背景描写が、心もとないなあと思ったけれど、
ふと、違和感の源が、中国古典そのものではなく、
中島敦や芥川龍之介の中国小説世界との差であることに気がついた。
それならば、受け入れなければいけない。
現代日本人の描く中国古典。
まあ、ミステリにこんなことでつっかかるのも大人気ないか。