水底フェスタ (文春文庫 つ 18-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901578

感想・レビュー・書評

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  • 「私はこの村に復讐するために帰ってきた」と言う芸能人の由貴美。謎めいた魅力の虜になり、彼女に協力する高校生の広海。村の秘密が暴かれる時、壮絶な悲劇が巻き起こる。
    ロックフェスがウリの過疎地の村。地方特有の慣習や因縁、そして濃密な人間関係。広海の心情の揺れ動きがとにかく痛々しい。ラストの広海の行動を正義とみるか、青臭いと感じるか。読み手側の感性で異なってくると思う。

  • こんな村ありそうで怖いのだけど、なにより広海の人生に与えた影響がでかすぎて、それを思うと受け止めきれないところもあり。。。

    でも面白く読めました。

  • 辻村さんの作品は好きなものも多くて、ぐいぐい引き込まれるものが多いのですが、この作品に関しては、相性があまりよくなかったのか、前半なかなか物語に没頭できずに、”気持ちが乗る”のに時間がかかりました。
    それでも、中盤から後半にかけてだんだんページをめくる手も早くなり、そうやって最後まで読ませる筆力は素晴らしいと思いました。
    色んな事が悲しく切なすぎる物語ですね。
    大人になるってなんでしょうか。

  • 半分くらいは、あんまりおもしろく感じませんでした。主人公の心の動きが、ちょっと面倒くさい。でも、後半は変化が大きくて面白かったです。村、ありそうで怖い。

  • 「空が青いのと、家の中が暗いのとの差が凄い」

    田舎のつまったにごった感じが滲み出てた。
    恋愛メインじゃない作品に恋愛が色付いてくるの好きじゃないんだけど、
    この話は平気だったから、恋愛のお話なんじゃないかと思う。

  • ”ツナグ”を読んで、『もういいか』くらいに思ってた作家だけど、こちらの方が良かったです。わだかまりが残るクライマックスも自分好みだし、ムラ的閉鎖空間で織りなされる悲喜劇も個人的には好物。満点。ってなりそうなんだけど、少し前に”まじもの~”を読んじゃってました。同系統として考えた場合、どうしても後者に軍配が上がります。ボリュームも考慮すると、こちらも十分に楽しめたので、良い作品だったとは思います。

  • 人間は理知的で繊細で腹黒い。
    小さな村の小さな共同体。
    その残酷さがどこか懐かしく心地良い、という恐怖。

    2015.11.19

  • ツライ、コワイ、ヘン、イヤダ。
    だんだんイヤになっていく。
    ラストはイイけど、でもどっかで救われて欲しかった。
    生きてて欲しかった。

  • 空は青いのに
    家の中はすっけぇ暗いのな。



    まるで水底のように

  • 田舎の閉塞感。思春期の子供が持つ傲慢さ。そして「こじらせた人」を書かせたら右にでるものはいないんじゃないか。な、辻村深月が文春で書く物語はどこか陰惨。村ひとつダムの底に沈めた村が持つ不正を暴くことを建前に帰郷した由貴美。彼女に惹かれる村長の息子・広海。「空が青いのと、家ん中が暗いのの差がすげえ」この村で生きてくと決められたら、広海の悲劇は回避できたのかもしれない。大人ってずるくて汚い生き物だったね。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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