- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167905644
作品紹介・あらすじ
完全黙秘の容疑者。その背景には何が?後山の指令で、長く完全黙秘を続ける男を取り調べることになった大友。沈黙の背後には驚くべき過去が……大人気シリーズ第7弾。
感想・レビュー・書評
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単純かと思えた窃盗事件の、取り調べに駆り出された大友。
家族に見放され、半ぐれ集団に居場所を見出した犯人。そんな愚者が完全黙秘するのは何故か。
アナザーフェイス7は、シリーズの中でも上位にランクされる傑作といっていい。
失踪課シリーズが一気読みに適しているのの対し、このシリーズは大友のリハビリに対応して、一冊づつゆっくり読む方があっているかも(個人的意見)。
この巻では、長男優斗も中学生に成長し、大友の食事の手助けさえしている。優斗に手がかからなくなれば、大友も元の部署に・・・
福原に続いて、大友の後ろ盾となっている後山の退職に、このシリーズも終わりに近いかも、との予感。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アナザーフェイスシリーズ8作目。
人は日々成長する。
小さかった優斗もこの物語では中学生になっている。
優斗のためにと捜査の第一線を退いた大友にも、本格的に復帰する時期が近づいている。
そんな中で事件は起きた。
愛する人のために自分が出来ること。
どうにもならない状況の中で、どんなことをしてでも手助けをしたいと純粋に願うことは美しいのかもしれない。
でも、人として踏み越えてはならない一線は守らなくてはならないと思う。
もしもそのために罪を犯したとしたら、あまりにも哀しい。
悪いことだと知っていて法を犯す者も、そのことを察していても頼らざるを得ない者も、結局のところ傷ついてしまうのがわかっているから。
ずっとシリーズを読み続けてきた。
もう少し優斗の成長が遅ければよかったのに・・・などと思ってしまった。
順調に成長する優斗は、歳相応のよそよそしさはあるものの大友の手をわずらわせるほどのことはない。
聖子さんとの関係も相変わらずだ。
良き理解者でもあり後ろ盾でもあった後山の離職と、ちらりと見える敦美の恋の行方。
大友自身を縛るものはなくなりつつあるが、同時に厳しい現実もすぐそこまで来ている。
家庭での父親という顔、仕事場での警察官としての顔。
その中で見せる大友の葛藤が好きだったので、手のかからなくなった優斗に少しだけ寂しさも感じている。
本格的に復帰してしまったら、はたして大友に魅力を感じることが出来るだろうか。
わずかな不安をかかえつつ、次のアナザーフェイスを待ちたい。 -
アナザーフェイスシリーズの第7弾でしたが、今回も主人公刑事の大友鉄が、まさにタイトル通りのとある窃盗事件から派生していく愚者の連鎖といった感じで、芋づる式にさまざまな事件が絡んでくるという展開で、抜けるに抜けれない半グレ集団の悲劇を描いた作品でした!
今回もじわじわと事件の真相に近づいていく大友の姿が良かったですね!
次回、後ろ盾を無くした大友が警察の中で、どう振る舞っていくことになるのか?楽しみです。 -
シリーズ第7弾。窃盗容疑で捕まった容疑者が完全黙秘をする中、大友はその容疑者の取り調べの特命を受ける。単なる窃盗の容疑者を取り調べるためだけに、なぜ自分が呼ばれたのか、分からない大友の気持ちはよく分かるが、取り調べをしているうちにタイトルの「愚者の連鎖」が明らかになっていく。取り調べが軸となっているので、いつもよりも派手さはないが、ラストは後山との別れが描かれており、少し寂しい気持ちになる。
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完全黙秘の容疑者。その背景には何が?
後山の指令で、長く完全黙秘を続ける男を取り調べることになった大友。沈黙の背後には驚くべき過去が……大人気シリーズ第7弾。 -
スピード感もあって面白かった。シリーズを重ねるごとに面白くなってる。優斗の成長は頼もしいんだけど…大友はこれからどうなるんだろう?
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今回の作品のタイトルだが、『愚者の連鎖』とは「問題の容疑者」の境遇を深く暗示している…また、前作で小学6年生だった大友刑事の息子である優斗は中学生になった。
人の人生には「些細な事」が切っ掛けで“嵌る”というような何かが横たわっているのかもしれない。そしてそういうモノが交錯し、何やら連鎖も生まれる…そんな事件に触れる大友刑事が、息子が話した小学校時代からの級友の様子に関して深く考える場面等も在るのだが…「普通な推理モノ、警察モノ」であると同時に「人生」を何となく考えさせる雰囲気が漂う作品だった…