天使は奇跡を希う (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.70
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本棚登録 : 1578
感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167907259

作品紹介・あらすじ

ミリオンセラー『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の著者が贈る、奇跡の恋物語瀬戸内海にほど近い町、今治の高校に通う良史(よしふみ)のクラスに、ある日、本物の天使が転校してきた。正体を知った良史は彼女、優花(ゆうか)が再び天国に帰れるよう協力することに。幼なじみの成美と健吾も加わり、四人は絆を深めていく……。カバーイラストは、大ヒットアニメ映画『君の名は。』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『心が叫びたがってるんだ。』でおなじみの超人気アニメーター田中将賀さん。これは恋と奇跡と、天使の嘘の物語。「私を天国に帰して」彼女の嘘を知ったとき、真実の物語が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 面白くて次へ次へと読み進めてしまう本でした。

    良史の視点から語られる話と優花の視点から語られる話が裏表の様相を呈していて、とてもドキドキしました。

  • この表紙を持ってレジに並ぶのはかなり勇気がいること。つくづくネットがあるありがたみを感じた次第です。

    「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の次に読んでみた七月さんの作品でした。「彼女は、背中の翼をバッサバッサとはためかせている。」というあまりにかっ飛んだ始まり方でどうしようかと思いましたが、何と言っても七月さんの作品と考えると油断は禁物と一字一句に注意しながら読み進めました。
    でも展開は全く読めなかったです。「ぼく明日」同様中盤になってようやくのタイトルの登場。前半の一種脳天気なまでの世界観が完全に一変してしまって、不気味なまでの雰囲気が漂いはじめました。表紙のイメージが木っ端微塵になってしまったかのようなまさかの世界観の転換。
    そこから先は最後まで一気に読み切ってしまいました。全く予想していなかった展開、そしてエンディングに楽しませていただきました。
    ただ欲を言うならもう少し後半に時間を割いて欲しかったというところでしょうか。少し急ぎ過ぎの感があって、世界観を一変させた折角の展開が中途半端に足早にまとめられてしまった感があります。余韻も少し不足する感じで何だかとてももったいないなぁと。
    でも、やはり七月さんの作品なんだなと、その味をとても感じた一冊でした。

  • すごーい!やばーい!甘ーい!

    ファンタジーなラブストーリー♪


    会話が多くて描写表現が少ないですけど、スグ読み終わるし、お話に入りやすいです。

    展開は分かりやすく、健気な感じにキュンでした!

  • なかなかあり得ない設定だけど、不思議と読めました。さわやかな読後感です。
    若かったあの頃を思い出します。


  • 「わたしの羽、見えてるんだよね!?」

    良史のクラスにやってきた転校生には翼があった。彼女が再び天国に帰れるよう協力するなかで次第に自分の気持ちに気づき始め…
    .
    「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」と同じ作者の方。ファンタジーと青春と恋愛が混ざったお話。良史視点からはじまり、優花視点での真実の物語が答え合わせのようにある構成が良い。

  • 読むの2回目なのにページをめくる手が止まらない!
    とても読みやすいし、余白が多いのもすごい好き。
    強い想いが奇跡を起こす瞬間はうるっとします。
    しまなみ海道を自転車で走るシーンが最高に好きです。
    とても今治に行きたくなる!!

  • 天使の羽がある少女に振り回されるが、何か引っ掛かる。
    少女の思惑に気づくことができるか。

  • 青春、だなー。
    あの彼があの彼女に突然告白するのがラストシーンだというのが、青春過ぎて、まぶしくて、クラクラする。
    でも、優花の正体と、優花が天使になった理由が分かってから、このラストシーンにたどり着くまでの後半戦のなんと切なく、苦しいことか。
    4人ともイイ子なんだ。イイ子だからこそ、自分の選択に迷うし、自分の過ちに後悔するし、友を大切な人を守りたくて、でも力が足りなくて(実は救えていることに気づけなくて)涙する。幼なじみの男女4人組。
    もう絶対に手に入らないからこそ、純粋に憧れる関係性だった。いいなー。

  • ぼくは明日、昨日のきみとデートするが好きでこちらを読了。一つの秘密をテーマに二人の気持ちが徐々に近寄っていく流れは同じだが、こちらは少しインパクトが弱かったかなと。前半はイマイチ内容の意味が分からなかったが、後半でその行動の意味を見返していくパターン。最後の盛り上がりは良かったが、全体を通してフワッとしていた。

  • ある日、高校に転校してきた優花には、大きな天使の羽が生えていた。それはぼくにしか見えない羽らしい。優花は最初から僕に馴れ馴れしく話してきて、「天に帰る方法を一緒に考えてほしい」と言ってきた。しかし、本当の目的は別にあったのだ…。

    軽くてあまーい、わた菓子のような作品で、出版社どこだっけ?と、気になるレベルである。文春文庫だよ。最後の広告には「江戸川乱歩傑作選 蟲」なんて広告が載ってる本だ。

    ほとんどの項は、新海良史の視点で描かれる。したがって、天使である優花、成美、健吾の考えていることは、ほぼわからない状態で過ごすというのが、この作品の一番重要な部分になる。真ん中すぎに優花の手の内が、優花の視点で明らかにされる。

    改行が多く、詩のように、場合によっては詩そのものとして表現される。主語がなかったり、出てくるものや景色を、読者も知っているものとして、馴れ馴れしく取り入れてくるため、あっという間に読み終えてしまう。

    甘酸っぱいラブストーリー?いや、酸っぱい部分はございません。とにかく甘い。

    天使というファンタジー要素をSF(すこしふしぎ)レベルで入れてきて、往年の眉村卓のジュブナイルシリーズを少し思い出した。あちらとの違いとしては、ピンチに陥ることがほぼ無いことだ。

    ませた子なら小学校高学年や中学生でも、あっさり読めてしまう本であろう。高校生くらい向けかな。

    でもねえ、オチはそれでいいのかね?というところで☆1つ減らす。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。『Astral』(電撃文庫)でデビューし、ライトノベル、一般文芸などジャンルを超えて幅広く活躍。第3回京都本大賞受賞作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(宝島社文庫)はミリオンセラーとなり話題を集めた。他の著書に『君にさよならを言わない』(宝島社文庫)、『ケーキ王子の名推理』(新潮文庫)などがある。

「2021年 『100万回生きたきみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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