閉店屋五郎 (文春文庫 は 52-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167909406

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  • 20330826

  • 一冊目の『 閉店屋五郎 』は6話、2冊目の『廃墟ラブ 閉店屋五郎 2 』は3話の短編で構成されていて、どの物語もほのぼのとした結末を迎えてくれる。
    仕事に対しては甘い見通しを常として失敗を繰り返す五郎ではあるのだが、人情味が厚く、意気に感じると損得を度外視した行動に出てしまうのだ。
    そんな五郎だからこそなのだろう、多くの人たちからの人徳に恵まれ、どうにかこうにか『 閉店屋五郎 』を維持可能としている。
    五郎と娘の百合子とのドタバタ劇が綴られる2冊とも、気持ちがほっこりとするお話の連続だった。
    五郎さんから去って行った元妻の真由美との今後を含めて、まだまだ吾郎の波瀾万丈の笑える物語は続きそうだ。

  • 中古品販売店を営む五郎。閉店した店の備品などを一手に買取販売をする。別れて暮らす一人娘の小百合に手伝ってもらいながら家業に精を出すが、色々な問題が持ち上がることもあって…。
    閉店する店の事情にまで思いを寄せてしまい、結局仕事にならなかったりする事もある、人情家なところのある五郎のキャラクターが面白い。依頼主が好みの女性だと余計に思い入れを強くしたりして、憎めないところもいい。ただ、せっかく100キロ越えの巨体などのいかつい外見をもっと生かしたらいいのになと思った。
    コンビニ出店をめぐる様々な問題など知らなかった事もあって面白かったから続編も読もうかな。

  • 9月-16。3.0点。
    閉店する店舗から、什器やら電化製品やらを引き取る主人公。離婚しているが、娘が手伝ってくれる。
    背景を知らずして買い取らないというポリシーがあり、調査してから動く。連作短編。

    読みやすい。この作者にしては珍しく「食」以外のテーマも扱う。
    人情話。

  • 様々な業態のお店の閉店で中古機材を買い取る業者を主人公にした物語って、また渋いところを狙ってきた。しかも、それがちゃんといい話になってるからすごい。
    相変わらずキャラの作り方が上手だ。人情味があるが女性に弱い主人公五郎、クールでいながらも父親のことを気にする娘・小百合。続編も期待!

  • カバー絵から、朴訥で寡黙で不器用な主人公をイメージしていたが、だいぶイメージと違ったな。
    これはこれでよし。

    道具や設備を大事にするヒトの店は、間違いなく良い店なのだろう。

  • 閉店と一口に言ってもその理由はいろいろ。本作で閉店を検討するのはほとんどは、閉めたかないけど閉めざるを得ない店。そんな閉店間際の店から備品一式を買い取って販売する中古屋の五郎が主人公。

    人の好い彼は、事情を知ると助け船を出さずにいられない。どの話も人情に厚くてほろりと来るけれど、男性受けのほうが良いと思われます。だって五郎は食べ過ぎ飲み過ぎ、100キロ超の巨漢。そんな風貌でも(失礼)、タイプの女性と見るや鼻の下を伸ばし、相手も自分のことが好きにちがいないと思ったりする。多分にオッサンの妄想気味なところがあるんです。こんなこと言うと、男心のわからん奴と言われるんだろうなぁ(笑)。

著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒。97年に作家デビュー。2007年『床下仙人』が第1回啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれるなどベストセラーに。他の著書に「佳代のキッチン」シリーズ、『天下り酒場』『ダイナマイト・ツアーズ』『東京箱庭鉄道』『ねじれびと』(以上、祥伝社文庫)、「ヤッさん」シリーズなど多数。最新作は『間借り鮨まさよ』。

「2023年 『うたかた姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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