利休にたずねよ (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2018年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784167911188

作品紹介・あらすじ

わしが額ずくのは、美しいものだけだ──

最後まで己の美学を貫き、天下人・秀吉に切腹を命ぜられた千利休。
その心の中にいつも棲んでいたのは、十九のときに、殺した女だった……。
利休に艶やかな感性を与えた、秘めた恋と人生の謎に迫る 山本文学の金字塔。
圧倒的な筆力をもって描かれた第140回直木賞受賞作。
2013年には市川海老蔵主演で映画化され、モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞受賞。

本文より─
なぜだ。なぜ、あんなふうにいともあっさり、美しいものを見つけ出すことができるのか。 ─秀吉

──聡すぎはしまいか。聡い男は重宝されても、聡すぎる男は、嫌われる。─家康

あなた、ほんとうにわたしでよいのでしょうか。─宗恩

2014年に惜しくも逝去された著者と浅田次郎氏との直木賞受賞記念対談も収録。
刊行にあたり浅田氏からは「対談によせて」というお言葉もいただいてます。

感想・レビュー・書評

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  • 千利休の茶道における侘び寂びへの美しさへの追求。その結末としての秀吉の命による切腹。
    利休が歩んで来た人生を 時間を遡りながら、関わりを持った人達との言動から、描きあげる。
    なぜか、文春文庫で登録されている方が少ないけれど 高評価が納得の作品でした。こちらの文庫には、浅田次郎さんとの特別対談が収録されています。
    茶道は、本当に男性の社会だったのだなと思った。今の茶道界は、男性は20%程らしいけれど、それでもトップは、男性が占めているらしい。
    茶席の出来一つで状勢が変わってしまう。使う道具、軸物、生花と全て本物を知った上で、自分の求める形を追求する。
    「白い手」の章が、印象的だった。掌に媚びない茶碗。高麗の女人の爪を見て焼き上げた茶碗。
    利休の気持ちが書かれているところは少ないと思う。19歳の時の高麗の女人との一件と、この白い手あたりが、率直な気持ちかしら。
    利休亡きあと、後妻の女性が、高麗の女の形見の香合を叩き割るラストが好き。

    • みんみんさん
      みんな凄いなぁ(꒪⌓︎꒪)
      ゴボウ茶飲んでます…青汁も…甘酒も…
      効果は…
      みんな凄いなぁ(꒪⌓︎꒪)
      ゴボウ茶飲んでます…青汁も…甘酒も…
      効果は…
      2024/02/13
    • 土瓶さん
      利休といえば、利休まんじゅうってのもあったな。良く知らんけど。

      ご、ゴボウ茶? 
      初めて聞いたけど、なんかハードそう。食物繊維とか。
      利休といえば、利休まんじゅうってのもあったな。良く知らんけど。

      ご、ゴボウ茶? 
      初めて聞いたけど、なんかハードそう。食物繊維とか。
      2024/02/13
    • 1Q84O1さん
      晩茶!
      もしくは鶴瓶の麦茶!
      晩茶!
      もしくは鶴瓶の麦茶!
      2024/02/14
  • 切腹の場面から始まり
    何ヶ月前
    何年前と
    遡って利休という人物が
    色んな人の目線から描かれていく。

    切腹、ということがわかっているから
    どうつながっていくのか気になりながら読む。

    白い手、あめや長次郎の章がお気に入り。

    緑釉の香合、見てみたい。

  •  中々の文量にも関わらず、個人的には気負い過ぎずに読めたか。
     千利休の切腹から時を遡り、種々の人物を通じて、利休の輪郭を整わせ、突き詰めていた美について、茶道を通じて迫っていく。
     この時を遡ることによって、すでに完成された利休の人物を、まるで侘びとは対照的により色彩を帯びさせ、何故に美の真髄にまで至ったのかを静かに語るようである。
     そして若い頃の利休にあっては、この小説のまさに創作で、見せどころの一つではあるのであろうが、それをもし通常の流れで描いていたら、凡庸となり際立つことはなかったかもしれず、この構成面にあっても評価されるべきであろう。
     

  • 手に入らぬものはないという境地に立った秀吉
    自分を見下している利休
    しかしその眼力を認めざるを得ない天下一の茶人

    利休切腹の前日から始まり
    順に過去に遡りながら
    武将や僧侶など様々な人から
    語られる利休という茶人の人となり

    語る人によって
    様々に印象の変わる利休という人となり
    人の仮面は対する人の数だけある

    利休の侘び茶の中に艶があるのはなぜか

    時を遡るたびに
    この物語がどこに辿り着くのか気になるものの
    ころころと場面が変わり
    時代小説でもあって
    どうにもスラスラとはいきませんでした

  • おもしろかった。なかなか読むのに時間がかかった。茶の湯の効能というか、なぜこの時代に茶の湯がほめそやされたのか、武士たちが好んでやったのか、ということがよくわった。

    物語は、千利休の切腹を決意するシーンから始まる。老年の数寄者だからこんなにあっさりと死を受諾するのかな、と思いきや、

    彼の胸にはずっと心に引っ掛かっていることがあったというのが、時を遡るごとにわかっていく。

    この人のテーマは矜持だなぁと思う。
    男の人のプライドよりも少し高尚な感じのする部分を描きたい人なのだと思う。
    また、それと対峙する形で描かれる女性の魅力もよく、ステレオタイプ過ぎるけれど、あるひとつの主題として、それぞれの性がお互いを高めあっていくところの描き方がうまい。

    全員がフェミニストでなくてもよいし、お互いに尊重しあう気持ちを持っていたら、あまり役割というのは、重大ではないのかもしれない。

    それは、この著者の別の作品である花鳥の夢で『それがなんだ、私は僧侶ではない、極めるべきなのは仏の道ではない、絵の道だ』というようなことをいっていて、ある局面において、その人にとって何が大事なのか、というのは一概に言えるものではないのだな、と思った。

    利休ってもともとは魚の商売人だったんだーとか、この信長~秀吉あたりの安土桃山時代の雰囲気がわかったりとか、茶の湯が政治的役割を持った背景がわかったりとか、茶道って心尽くしの道で、お茶の一杯だけでもこれだけ人の心に入り込めるものなのだなぁとか思ったりして、面白かった。

    最後の種明かしは、ああ、というか、作品として納得できる筋のとおったものだったので、少し長く感じたが、読みとおしてよかった。もう一度、始めからちゃんと読みたい。

  • 時系列を逆にして、青年時代の利休にのちの利休を生んだ秘密があって、それが最後にわかるという構成.
    よく工夫したな,と感心はするものの,緊迫感はだんだんなくなってくるわけで,そこらあたりがなかなか最後まで読むのに時間がかかった理由かな.

  • 利休の茶の湯の場面がどれも素敵。
    ご飯やお酒も茶の湯の一席なんだとは知らなかった。

    お酒を一献、
    お茶を一服、
    同じ飲料でも数量詞が違うことで「特別」が分かる。

    物でも場でも事でも、小さな気遣いに気づけるひとになりたいな。

    かろかろ、っていい響き。

  • 【2026年31冊目】
    茶の湯を大成した千利休。その生涯は、美に囚われ、美に執着し、美を究めんとするものだった。その執念の裏側にいたのは、一人の亡き女であり、利休はその女の形見を肌見放さず持っていたという。秀吉に切腹を命じられ生涯を終えようとするその時から、過去へと物語は遡っていく。千利休を取り巻く人々から見た一人の茶人を描いた一作。

    歴史の授業で習ったので、名前はもちろん知っておりました、千利休。秀吉に気に入られてたのも覚えてましたが、それがまさか切腹を命じられて最期を迎えたとは知らず、ちょっとびっくりでした。時代とはいえ、人の生き死にを一つの命令で左右できるんだからとんでもないですね。本作を読んでいる限り嫉妬とか恐れとか僻みがその要因になっているようでやりきれません。

    かといって、千利休が素晴らしい人間性だったかと言われると、?マークが浮かびます。香の物の角度ひとつで機嫌が左右されるなんて、無理すぎます。現代だったらサイレントモラハラみたいに言われてもおかしくない苦笑 それだけ美に関しての意識が高かったということですが、そりゃ禍根も招くよなという気がします。

    最初から想い人について、ちらほら匂わされていたので、いつ語られるのかしらと思ってたら最後に真相が発覚しました。死ぬ勇気はなかったのに、小指を食い千切るガッツはあるんだ…とか思ってしまいました。やはり、恐ろしい男ですね、秀吉も途中で言ってましたが。

    千利休を見た周りの人々の話が章立てて展開され、かつ過去へと遡っていく建付けが斬新でした。文章も読みやすく、歴史の知識がなくてもわかりやすかったのも良かったです。

    歴史小説はあまり読みませんが、こういった感情がよく描写されてる作品はいいですね。好みでした。

  • 美を追求する千利休が醸し出す、茶の湯の静の美しさに圧倒されました。利休の行動の一つ一つには彼自身の美学があり、一切妥協の無い究極の美を求めるストイックさが伝わってきます。高麗の女人の存在がその根底にずーっとあることを思うと、利休にとっての彼女の存在の大きさをひしひしと感じます。今まで茶の湯を大成した人という知識でしかなかった千利休が、人間味溢れた実在の人物としてイメージ出来ました。

  • 稀代の天才芸術家の死に際して、各界の名士が畏敬と同時に敗北感の屈辱と汚辱にまみれて、嫉妬をあからさまにして語る、ジャーナリスティックな工夫に満ちた名作。

  • 一気に読了。時代小説ではあるが、時系列を逆転させ、人間関係のこじれの原因を追いかけるミステリーである。
    この著書も直木賞受賞であることも、知らなかった。こんなに素晴らしい作品なのに、今までの自分の不勉強を痛感。しかも、著者が2014年に若くして没しているとは。合掌。

  • 利休の切腹の日から遡って19歳の出来事までが書かれている。
    史実に巧みにフィクションが混ぜられていて、利休や秀吉など、人物像の描写が細やかで、なぜ切腹するに至ったのか、に納得感があった。

  • 初の利休もの
    小難しかったらどうしようとのおもいは何処へやら面白さに惹かれた
    頭の中 心の中を覗いてみたいし触れてみたい
    感じ取れるならなお宜しい

  • 【圧巻の直木賞受賞作!】千利休が肌身離さず持っていたものとは? 美の求道者ゆえ秀吉に疎まれ切腹を命ぜられた利休の謎と秘めた恋に迫る山本文学の金字塔。

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著者プロフィール

歴史・時代小説作家。1956年京都生まれ。同志社大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターとなる。88年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞、2001年『火天の城』で松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞。

「2022年 『夫婦商売 時代小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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