上野千鶴子のサバイバル語録 (文春文庫 う 28-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912680

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  • 「あなたの先輩やオバ、姉の世代が経験した怒りやつらさが、あなたの世代には、もう少し軽くなりますように。女のサバイバルのために、こんな『語録』など要らない時代が来ますように。」

    あとがきに書かれた文を読んで、さいきん二人の叔母と話をしたときのことを思い出した。「(理由は伏せるが)やり直せるなら、もういちど戻りたいのが大学生時代」と話した私に叔母は「同意する」と言ったあと彼女たちがどれだけ不自由な学生・OL時代を過ごしてきたかを教えてくれた。彼女たちは自分の兄(私の父)が大学まで進学した一方で、経済的に苦しい、また女であるという理由から親に大学進学を許可されず就職しその後寿退社をしたという経歴の持ち主だ。

    この語録には、私自身が「なるほどなあ!」と納得するコトバと「そこまで言わなくても?」と棘を感じるコトバの両方が混ざっていた。しかし叔母が読んだらもしかすると「?」よりも「!」のほうが多かったりするのだろうか——。
    つまり何が言いたいかというと、私は「?」と感じたコトバが多かった分だけ、女が生きるのに幸せな時代を生きているのではないかとふと思った、ということだ。

    とはいえ、「!」のなかにはズッシリと心に刺さるものもたくさんあった。上野先生の残されてきた秀逸なコトバたちを抱きしめて、私は私の時代を真っ直ぐに生きていこうと思う。また機会があれば語録に出てきた先生の著書に目を通したい。

  • 《図書館》【再読】語録集。読んでいて前見向きになる本。

  • 上野千鶴子の著作の抜粋。
    いろんな本を摘んだ語録なので、評価不能。
    ただ、フェミニズムとか上野千鶴子に触れる入門としては良いかも。

  • 上野先生の生き方ってやっぱりカッコいい!
    サラッと読んじゃった
    また読み返す

  • ・桎梏(しつこく)行動・生活などの自由を厳しく束縛するもの。

  • 人生という軸で、上野先生の各書から選びぬかれた言葉がまとめてある。
    冒頭に「幸せな女性は私の本などとらない」と書いてあって確かに〜〜ってなったし、終わりにに、「女が女に贈ることばは、わたし自身にとってそうであったように、女にとって命綱の役割を果たすことになるでしょう」に関しても確かに〜〜ってなりました(笑)この本にまとめられてる言葉で救われる人もいるんだろうな。さくっと読める1冊。
    あとは個人的に大学院生をやってる身として、学問に対する姿勢の言葉が、結構刺さりました、ぐさっとね。(その研究は誰かにやれって言われたの?そうじゃないでしょう、とか特に)

  • 母親は娘に「お前を愛している」と言うが、それは娘には「不条理」と聞こえるーーお母さん、わたしはあなたから愛よりも理解がほしかったのよ。


    2020/03/28

  • p18 人の器と理解力
    に書かれてあったことは、今までの人生で色々な人を見てきた中で本当にそうだなあと思った。器が大きい人は理解力があるし、逆もまた然り。自分は時々人が言っている事が理解できずイライラしてしまう事があるので、この言葉を思い出して自戒しようと思った。

    他にも女性、権利、老後などについてはこれまで深く考えを巡らせた事がない分野だったので、こういう考え方があるのかと新しい世界に足を踏み入れた気分になった。

    例えば、「昔の女性は自分を後回しにしてでも夫や子どもを優先していたが、現代の女性はそうではない。それはフェミニズムの影響というより少子化の影響である」といったことや、「介護や子育ては非暴力を学ぶ場である」といった考え方は今の自分には思いもよらなかったので、上野さんの考え方に触れる事が出来て良い勉強となった。

  • 単行本「上野千鶴子のサバイバル語録」(2016/01/29)の文庫化(「上野千鶴子のサバイバル語録(文春文庫 う 28-4)」(2019/04/10))。
    今を生きる女性たちへの140メッセージ。
    一つだけ取り上げるなら、(個人としての言葉であって、社会学者としての言葉ではないが)
    「わたしは自分が愛したことのあるひとには、生きのびていてほしいと願っている。たとえ過去に属するとしても、そのひとの記憶のなかに愛しあった思い出が生きていると思えるからだ。地球上のどこであれ、そのひとが生きているということを知っているだけで、安心した気分になれる。」
    を薦める。

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著者プロフィール

上野千鶴子(うえの・ちづこ)東京大学名誉教授、WAN理事長。社会学。

「2021年 『学問の自由が危ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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