弥栄の烏 (文春文庫 あ 65-6)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912727

感想・レビュー・書評

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  • 玉依姫の八咫烏からの視点
    玉依姫で山神からの呪いを受けたのは誰かわからなかったので、それを知って思わず涙してしまった。

  • 前の巻から、少し間をあけてからの、第一部完結編読了。
    玉依姫を再読したばかりだったので、スムーズに読めた。
    玉依姫とは、異なった視点。
    十二国記の大ファンなので、どうしても比べてしまい、少しだけ物足りなさもあるけど、一気読みしてしまった。
    ラストの終わり方は大好きだったので、それだけでも、ここまで読んできてよかったと思えた。
    第二部も、読んでみようと思う。

  • 若宮の手で金門が開き、その先の猿の存在が明らかになった。金門の警戒を怠らないことになりはしたが金烏として認められた若宮、一応の安定を手にしたと思った山内を大地震が襲う。
    1巻、2巻のように5巻の裏で山内にいる八咫烏側は何をしているか書かれた八咫烏シリーズ第一部の最終巻。最終巻で主要人物の人となりがよく分かった。巻を追うとどんどん人間的になり、悩み、苦しみ、いかに山内のためになるか八咫烏を守れるか考える若宮。若宮のこと、子どものこと、今後の山内のことを考えて引いた態度を取る浜木綿。若宮のため、真赭の薄のために全力で守ることを自身に課した澄尾、これまでの煌びやかな自分を捨て自分が自分らしく生きることを決めた真赭の薄。それぞれの苦悩と成長は読んでいて共感し、応援したくなった。だが、雪哉だけが頭脳明晰な上に戦闘も出来て、優秀故にいざということは時は脆く、他の面々と違い復讐心に燃え、若宮が復讐だけを考えている猿と雪哉が同じように見えたというのが雪哉をよく表現出来た一文だと思う。
    山神と猿の謎も解けたのだが、謎が謎を呼ぶ所もあった。第一部がこれで終わると考えると語られる可能性が低く消化不良気味な部分があり残念だ。

  • 物語終盤のどんでん返しや疾走感が楽しい。今回は前作の山神サイドと同じ時間軸の山内と八咫烏サイドの話。真の金烏も悩んだり間違ったり、人間?くさい感情の揺れがあって、印象が大分変わった。
    八咫烏シリーズは読者も物語の一員のように、決してストーリーを俯瞰して見ている存在ではなく、ある一点の視点からしか状況を把握出来きない位置付けなので、それの種明かしというか舞台裏というか、いろんな伏線が繋がったときのスッキリ感は癖になる。

  •  

  • 最初の方で描写される山神の禁忌がおぞましく、この後の八咫烏の命運が不安で仕方なかった。
    これまでの登場人物がみなそれぞれに動き、最終局面に向けて全員が主要メンバーとして機能していて、ほんとに面白かった。
    ネタバレになりますが、私は死ぬのは茂丸ではなく治真だろうとずっと思ってた。もしくは雪雉かなあ、と。これまた作者に裏切られたのかもしれない。

  • 読みながら、別作品の魔術師と呼ばれる軍人を思わず思い出してしまいましたが、雪哉がどう為すのか見守りたいです。
    猿と烏の話は現代の私達にも通じる話で、本当に慎重であるべきだなと思いました。自分の尺度で物事を測ってはならないとわかっていても同じ角度で考えてしまいがちで、色々と別ごとも考えさせられました。

  • 玉依姫の時、山内ではどうしていたか。前もこのパターンあったな。山神の崩壊、英雄の出番。とうとう猿が牙をむく。すべてを覚えているのは大猿のみ。若宮は教えを乞うが、大猿は黙し自死する。
    何が真実なのかわからないではないか、と雪哉は言う。思い出せないからなんだと。まずは民を幸せに導かないと。
    雪哉は冷静で冷酷なんだよな。かたき討ちの子ザルを難なく刺す。烏にとって猿は悪だ。
    玉依姫が夢枕にたち、浜木綿懐妊。女の子生まれる。

  • くわー

  • 『八咫烏』シリーズ第6巻にして、第1部最終巻。
    第5巻と対になった構成であり、同じく対であった第1巻及び第2巻を思い出させる幕引き。
    第5巻『玉依姫』の持っていた飛躍や自由さに比べ、今巻は閉塞感のある印象。鬼と化した雪哉も凛々しいながら痛々しい。

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著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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