- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167912888
作品紹介・あらすじ
どうぞ、王子さまの魔法にかかってください――シルヴァスタイン作の絵本『ぼくを探しに』の翻訳などで知られる作家・倉橋由美子の名訳が光る、世界に愛される物語。『星の王子さま』の著者・サン=テグジュペリによる愛らしいイラストは、カラーで掲載。ルビも増量し、読みやすい体裁でお子さまにもオススメです。美しい特別装丁版となっていますので、贈りものにもぜひどうぞ。作家の小川糸さんは、本書の解説で「もしも無人島に一冊だけ本を持っていくとしたら、私は迷わず『星の王子さま』をリュックに入れようと決めている」と綴られています。読む度に味わい深く、新しい気づきをもたらしてくれる名作です。「ねえ、お願い……羊の絵を描いて」不時着した砂漠で私に声をかけていたのは、別の星からやってきた王子さまだった。王子さまとやりとりを重ねるうちに、私の胸に去来したものとは――。1943年の刊行以来、世界中を魅了し続けている名作。解説・古屋美登里、小川糸誉れ高い美しい名訳をぜひ味わってみてください。
感想・レビュー・書評
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10代の頃、何度も手に取り挫折していた「星の王子さま」。
世界中の読者が心を打たれているのに、自分は全く理解できないし(というか読み進められない)、何だかなー、と思っていた。
しかし最近、ブク友さんがレビューをアップしていた事もあり、気になる作品上位に浮上。
今日、古本屋をウロついていたら、この文春文庫・倉橋由美子さん訳の美しい装丁本を見つけ、購入。
ようやく読了することか出来ました。
まず導入部分の一節から面白かった。
「大人ときたら、自分だけでは何もわからない。何度となく繰り返し説明してやらなければならないのだから、子供はくたびれてしまう」
大人になるにしたがって私達は、見たもの感じたものをそのまま受け入れる事が出来なくなっている。
何に囚われているのだろうか。
小さな星からやってきた王子さまに、忘れてしまった多くの気付きを教えてもらう。
せっかく手元にやってきた本。
何度も再読したい作品。
訳者のあとがきも良かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文春版(倉橋由美子さん訳)も読みやすそうだったので比較用に読んでみることにしました。
最初の部分で新潮と文春を読み比べてみて、新潮をメインに読み進めることにしたので文春版はサブです(^-^)
選択ポイントは、「僕(新潮)」と「私(文春)」の違いでしたが、新潮版の方がくだけた感じがありました。
「新潮」と「文春」の順で、少しだけ訳の違いを挙げてみると、
「子ども」と「子供」、「ぼろきれの人形」と「ぬいぐるみ」、「物売り」と「販売員」、「ほんとうだね」と「そのとおりだ」など。
星の王子さまは全部で27の話でできていたので、言い回しの違いを楽しみながら1話づつ交互に読みました。
原典ではどう書かれていたのか気になりますよね。
フランス語なので(英語でも)読めないのでわかりようがありませんが、、、
翻訳の違いで雰囲気が少し変わることが体験できたことは予期せぬ収穫でした。
その時の気分や読む年齢などで好みは変わりそうなので、一概にどちらがいいとは決めつけられないとも感じました。
今回は、両方読んでみてよかったです。 -
星の王子さまを初めて読みました。
凄く素敵な同話だと感じました。
6つの星を巡り、様々な人に出会い、地球に来て飛行士、狐、蛇に出会って色々な事を学んでいく姿が凄くピュアな感じがしました。 -
最近色んなところで星の王子さまを目にする機会があり、訳者が何人もいることも知った。初めて読むのだが、新しい訳のものを選ぶ。
反大人の自分と向き合う。そして周りを俯瞰してみたい。自分探しのために。 -
何度目かの再読。
子供の頃はよく分からなかったけど、大人になった今読んでみると、色々と考えさせられる深い物語。私にとってのバラや狐は、誰だろうか。-
2021/01/02
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本当に大切なものは目に見えない。
目に見えない大切なものがあることで、目に見えるものの見え方を変えることができる。
違う訳の本も見てみたいと思う。 -
昔読んだときには、物語が抽象的すぎて全く心に響かなかった。
王子さまが抱く疑問も、
出てくる大人も、
動物も。
なんだか深そう、くらいな印象だった。
改めて、やっぱり読まなきゃいけない作品だと思い、
今ならちゃんと読める気がして読んだ。
大人になったからこそ、王子さまの言葉が沁みていくのか、なぜか感動した。
夢や希望に支えてほしい大人になってしまったということかもしれない。
これと並行して読んだ新書には、子供の方が実はリアリストかもしれないと書いてあったので、その一節を思い出した。
きっと昔これを読んだときには、なんでも非現実すぎてダメだと決めつけていたのだろう。
謎かけみたいな言葉で翻弄されてしまう作品。
でも、その意味するところを考えながら読み進めると、大人に向けて書いたという作者のメッセージが見えてくる気がする。
内容について話すことが難しいけれど、
今回は自分にとっての「花」に思いを寄せて読んだ。
この本は、人間関係や繰り返す毎日に疲れてしまったときに、
大切なことについて考える時間をくれる。
そして、目の前のことしか見えなくなっているときに、
星を眺めることを思い出させてくれる。
どの訳で読もうかなと思ったとき、
昔『聖少女』で度肝を抜かれた経験のある倉橋由美子訳を見つけて即決。
訳語は優しい感じだけど、あとがきでの解釈が鋭い。 -
50年ぶりに繙いた
若い頃は未知の世界への不安 興味 希望を託し
現在還暦を迎え確信 事実 落胆からの現実を読むことができる
見ることのできない本当も沢山重ねてきた
既存の眼鏡をはずして世の中を見てみようと思った -
この本は、家くらいの大きさの星に住む王子さまの物語です。
印象に残ったのは、疑問に思ったことは何でも聞く事です。王子さまは、様々な星を旅するのですが、どの星でも、星の主に質問するのです。大人が普通、気にしないことも何でも聞くので自分もいいなと思いました。
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タイトルがあまりにも有名なフランス文学。
サハラ砂漠に不時着した飛行機のパイロットの私は飛行機を修理していると、
羊の絵を描いてと声をかけられた。別の星からやってきた王子さまである。
王子様とのやり取りの中で、地球に来るまでの経緯などやり取りを重ねるうちに、
私の心に生まれたものは・・・。
翻訳をした倉橋由美子さんが、あとがきで具体的に語られているので、
ここで多くを語らなくても、それを読んでもらうことで、
内容を深く理解できると思われますが、あくまで倉橋さんの考えなので、
賛否両論あるとは思いますが、
子供向けだと思われがちな作品ですが、自分としても大人向けであり、
背伸びしたい子供も読むことはできると言った作品だと思いました。
登場人物の「私」が孤独のなかで大人の世界にもどるまでの
8日間の間に付き添ってくれた?というのか、生み出したというのか、
別の星から来た王子さまの存在をどう解釈するかということで、
そこらへんは読んだ人それぞれが解釈して読んでもらったほうが良いかとも
思います。