フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち (文春文庫 ル 5-3)
- 文藝春秋 (2019年8月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167913403
作品紹介・あらすじ
証券市場の民主化によってニューヨーク証券取引所とNasdaq以外の証券取引所が乱立するようになった2009年ぐらいから、ディーラーたちは不思議な現象に悩まされる。コンピュータスクリーンが映し出す各証券市場の売値と買値で取引しようとすると、ふっと売り物や買い物が消えてしまうのだ。その値が消えて、買う場合だったらば、必ずそれより高い値で、売る場合だったらばそれより低い値で取引が成立してしまうのだ。二軍投資銀行に勤めるブラッド・カツヤマは、なぜか株を買おうとすると値段が逃げ水のようにあがってしまう事に気づく。彼はドンキホーテのように、単身調査に乗り出す。するとそこには、私たちの注文を10億分の1秒の差で先回りしていく超高速取引業者「フラッシュ・ボーイズ」の姿があったのだ。巨大システムの詐欺と実態を暴いた傑作ノンフィクション‼本作に描かれた衝撃の実話が映画化‼カンザス~ニューヨーク間、1,600㎞を、直線の光ファイバーケーブルで繋ぐ‼『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』2019年9月27日より、TOHOシネマズ シャンテほか、全国ロードショー
感想・レビュー・書評
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さすがマイケルルイス。「ようわからん話」になりそうなテーマを活劇のような面白さに仕立てている。群像劇のようで実質的な主人公はリーグテーブルでは下位のカナダの銀行に勤める日系人のBrad Katsuyama。彼が仲間とともに投資銀行コミュニティと大手証券取引所が作り上げたボッタクリシステムをぶち壊すために、フェアで新たな証券取引所であるIEXを作るまでの実話。
同じ金融機関でも、ニューヨークの投資銀行と田舎の運用会社では全く異なる生態系の生き物といって良いことが描写されていて興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高頻度取引(HFT)業者の実態をHFTが表面化した頃に書いており、時代を先取り(HFTからしたら遅いと思うが)した内容と著者のストーリー性に惹かれて一気に読み終わった。
では、どうすればいいのか?までは書かれていないが、数兆円が日々取引される取引所の実態をここまで明確に書いた本は投資知識として読むべき1冊になると思う。 -
だから信じられない
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時々新聞でも見かける”HFT(高速取引)”が何なのかよくわかります。ややマニアックな内容もあるので私には少し根気が必要でしたがなんとか読了。ウォールストリート、株式トレーディングに興味がある方、株系の投資をされている方、知っておいて損はないと思います。
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2008年のリーマンショック以降、電子化と規制で一変した米ウォール街。二軍投資銀行に勤めるブラッド・カツヤマは、何故か株を買おうとすると値段が逃げ水のようにあがってしまう事に気づく。そこには投資家を出し抜く超高速取引業者「フラッシュ・ボーイズ」の姿があった…。『マネー・ボール』の著者マイケル・ルイスが巨大システムの詐欺と実態を暴いたノンフィクション。
序章 幻想のウォール街
第1章 時は金なり
第2章 取引画面の蜃気楼
第3章 捕食者の手口
第4章 捕食者の足跡を追う
第5章 ゴールドマン・サックスは何を恐れたか?
第6章 新しい取引所をつくる
第7章 市場の未来をかいま見る
第8章 セルゲイはなぜコードを持ち出したか?
終章 光より速く -
実話だけに面白い。
秒未満のセカイ、まさかアメリカの投資環境がこんな事になっていたとは。 -
【株式市場で、巨大な詐欺が行われていた】何故か株を買おうとすると値段が逃げ水のようにあがってしまう。その陰には巨大詐欺と投資家を出し抜く超高速取引業者の姿があった。