遠縁の女 (文春文庫 あ 64-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167914875

感想・レビュー・書評

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  • 表題作ではなく「沼尻新田」を読みたくて借りた。
    青山文平はここから読んだ。
    あらためて読んでみると最初の感動は無いのだけど、
    家運を掛けて一族を挙げての新田開発を発案して隠居の父親に持ち掛ける場面が好き。

    ま、でも表題作も再読しようと、読んだけど
    父の訃報で修業を突然やめて故郷に帰って様々な真相が明らかになるのは良いのだけど、結末がどうなのよ?とおもってしまう。でも青山文平は読ませるなあ。

  • 初読み。ブクログのレコメンド機能で出会った本。
    美しい時代小説。まだまだ世の中には面白い本がたくさんあると嬉しくなった。

    戦もなく、武士の刀が飾りになりつつあり、武家の生活が苦しくなってきた江戸の後期が舞台の中編3つ。
    「機織る武家」が好みだった。入婿の後妻という辛すぎる境遇。機織りを通して自分の居場所を見つけていくさまが丁寧に紡がれる。ざまあでもなく、涙ちょうだいでもなく、後味がよいハッピーエンド。
    「沼尻新田」はファンタジー、「遠縁の女」は男のロマン。

  • 中編3本。どれも面白いんだけど、何冊も青山文平読んでるとなんか聞いたことのあるような設定の話が出てくるな。1つ目の機織りの話は知識として面白かった。2篇目は美しくはあるんだけど弱い。3篇目は武者修行の描写が真に迫ってて、これは珠玉の一篇か?と思ったけど急に修行打ち切りで肩透かし。今まで読んだ青山文平の中ではどれもいまいちかな。いや、感じ入ろうとすれば感じ入れる内容ばかりなんだけど、なんかそこまで感情移入ができなかったのかな。

  • 寛政の世、浮世離れした武者修行から五年ぶりに帰国した男を待っていたのは、美貌の女が仕掛ける謎――表題作ほか、二十俵二人扶持の貧しい武家一家で、後妻が生活のため機を織る「機織る武家」、新田開発を持ちかけられ当惑する三十二歳当主を描く「沼尻新田」。閉塞した武家社会を生きる人間の姿が鮮やかに立ち上る傑作三編!
    (2017年)
    --- 目次 ---
    機織る武家
    沼尻新田
    遠縁の女

  • 青山文平氏、再発見!!
    昔、一冊読んだことがあったけどピンと来なかったような気がします。
    いやー、すごくおもしろいです。

  • こんな文章が書けたらいいなと本気で思わせる作家の短編集。3作おさめられていますが、表題作のみがイマイチという痛恨のミス。2018年の「このミス7位」らしいのですが、それこそが謎です。

  •  このミス2018年版7位。100頁弱の短編?3編からなる短編集です。すべて、江戸時代の同時期の話でテイストは同じですが、主役はそれぞれ異なります。で、とにかくこの本凄いです。3作とも素晴らしい、というか完璧です。最初の2作がストレスなく読めてとても面白く、表題作が最後に残されておりすごく期待します。表題作は途中までは、なんだ尻つぼみかな、と思ってたら、ところがどっこい最後に鳥肌たちます。
     全編無駄なく研ぎ澄まされた文章で表現能力が半端ないです。三浦しをんとかのお仕事小説にも通じるんですが、全く初めて接する江戸時代の風俗や仕事を、ほとんどなじみのない単語を使いながら端的に理解というか、その場で経験しているような感覚にさせる文章力。その表現力は心の深いところの動きや、行動などああらゆるものを短い文章でストンと理解させます。
     主人公の心の動きにぐいぐい引き込まれるとともに、意外性のある話しの展開、ちょっとあり得ない話を納得させる論理的な説得力。一作目はなるほどと思い、二作目はムーっと唸り、三作目は鳥肌が立ちました。

  • 55

  • 【五年の武者修行から帰ってみれば……濃密な傑作時代小説】武者修行から国に戻った男が直面した驚愕の現実と、幼馴染の女の仕掛けてきた罠。直木賞受賞作に続く、男女が織り成す鮮やかな世界。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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