飛ぶ孔雀 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167915957

作品紹介・あらすじ

三冠達成!傑作幻想小説が待望の文庫化。

・第69回芸術選奨文部科学大臣賞受賞
・第39回日本SF大賞受賞
・第46回泉鏡花文学賞受賞

ジャンルの概念を超えた驚くべき物語。

* * *

シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。
シブレ山の近くにあるシビレ山は、水銀を産し、大蛇が出て、雷が落ちやすいという。
真夏なのに回遊式庭園で大茶会が催され、「火を運ぶ女」に選ばれた娘たちに孔雀は襲いかかる。
――「I 飛ぶ孔雀」

秋になれば、勤め人のKが地下の公営浴場で路面電車の女運転士に出会う。若き劇団員のQは婚礼を挙げ、山頂の頭骨ラボへ赴任する。地下世界をうごめく大蛇、両側を自在に行き来する犬、男たちは無事に帰還できるのか?
――「II 不燃性について」

感想・レビュー・書評

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  • 一言でいえば、奇妙奇天烈摩訶不思議。
     
    とある本屋で印象的な表紙に目を止め、帯を読むと、「泉鏡花文学賞 日本SF大賞 芸術選奨文部科学大臣賞 三冠達成!!」と、あった。
     
    これは買わねば!
    買った。
    読んだ。
    失敗だった。
     
    まず、意味が分からない。
    誰が誰で、どこでどうした、のかが分からない。
    ストーリーらしきものも感じられない。
    読み解けない。
     
    だから誰かに読んで欲しい。
    「あれはこうなんだよ」と、未熟な私に解説して欲しい。
    なにせ、巻末の解説さえも意味不明瞭だったのだから。
     
    いや、それにしても西島伝法さんの「皆勤の徒」もえらく読み難く苦労させられたが、本書の「飛ぶ孔雀」に比べたら、おそろしく分かりやすく思える。読みやすい。
    どちらも日本SF大賞受賞作。
    もう止めようかな日本SF大賞受賞作読むの。辛すぎる。
    いったん開いた本はできるだけ投げ出さずに、最後まで読むようにはしているが、今回はつかれた~。

  • 面白かったけど、意味が分からなかった。

  • 火が燃えにくくなった世界。
    登場人物も場面が唐突に入れ替わりまた現れる。連作短編的だが、脈絡のあるストーリーで繋がっているわけではなく焦点を結ばない。一つ一つの場面はスリリングな緊張感を持つ。夢を見ているような幻想的な物語。
    金井美恵子さんの解説にあるように「ただ心して、読むべし。」ゆっくりと。

  • なんとも妙な本を読んだものだ。
    その濃密な文体に、はじめ散文詩なのではないかとはじめ思い、毎日少しずつ読んだのだけれど、なかなか一読者として受け入れてもらえなかった。
    がある日時間をかけて読んでみたらいつの間にか迷宮世界に引き摺り込まれていた。とはいえ物語は全然把握できていない。
    ただ火が使えなくなったという設定と、乱舞するイメージと登場人物の名前がぶつかりあう火花に圧倒されるうちに最後のページにたどりついた。
    読後感では、これはやはり小説としいか言いようがないのではないか。とても映像的な作品だけれど、絶対に映像化は不可能だ。人間の想像力だけが作り出せる幻燈世界。

  • 題名は聞いた事あったけど、内容全く知らずに読み始めたので初めはとまどった。話の筋を追うのを諦めてからは、ただ起きてることを受け止めて湧き上がるイメージを楽しむ感覚で読んだ。何が起きてるのか最後までよく分からないけど、流れるようで妙に引っかかる文章が印象的だった。少し読むと脳が揺れる感じになるので、細切れになってしまったのが悔やまれる。これを一気に読める人はすごいなあ。

  • 中編が2つ。1つめは、石切り場の事故で火が燃えにくくなり、火を運ぶ娘が大茶会で孔雀になる話。もう1つは、事故現場近くのラボへ送られた男が戻ってくるまでの話。と、いうことなのですが、あまりに難解でよく分かりませんでした。日本SF大賞や大臣賞を取ってますが、審査員はちゃんと理解できたんでしょうか....

  • 文体に慣れなくて読むのにものすごく時間がかかってしまった。
    ジャケ買いした今年の夏読書やったんやけど、夏終わってしもたやんけ。

    これは子育てしながらちみちみ読むもんじゃなかった。人物も時空も入り乱れてるので(章ごとにじゃないよ。一文ごとに入り乱れてるからね)腰据えて読まんとわけわからんなる…実際この話の半分も理解できとるとは言えない…でも世界観に圧倒されて思わず高評価…すごい…
    舞台はSFで、手法は幻想文学なんかな。夢の中みたいな世界だよ。

    最後みんな山に集結するとおもうやん。実際みんな山に来たやん。それでみんなの話が最後繋がるんやなあと思わせといて絶対に世界が交わらないという展開にすごい衝撃を受けた。

  • すみません。これっぽっちも理解できませんでした。

    まず、情景が全く頭に浮かんでこない。いや、浮かばないんじゃなくて、浮かんでも、空間的にも時間的にも繋がらない。人物も、名前が同じ人が出てきているので、たぶん同じ人だと思うけど、顔も性別も容姿も想像できませんでした。女性と書いてあっても、その女性がその人に繋がらない。そして、人間でさえ想像できなくなって、なんか、生き物とか静物の話じゃないのかと思えてくる始末でした。そして、解説さえも難解でした。

    辛かった。読み終わるのに1か月かかってしまいました。
    これは、完全に詩だなーと思いました。

  • 単行本で既読だが、内容は頭に入り切っていないのでいずれ文庫で再読を。
    しかし皆川博子「U ウー」と同じ日に文庫化されるとは。嬉しい。

  • 祝文庫化!

    寡作の天才作家が描く“素敵滅法界”これぞ泉鏡花文学賞!〈トヨザキ社長のヤツザキ文学賞〉 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/559604

    「幻の作家」山尾悠子さん1万字インタビュー 幻想小説というレッテルなら作家でいられるかも |好書好日
    https://book.asahi.com/article/11640318

    文春文庫『飛ぶ孔雀』山尾悠子 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167915957

    空犬通信 愛読者は驚愕必至……山尾悠子さんの新刊が文春から
    http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/blog-entry-2922.html

    『飛ぶ孔雀』山尾悠子 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163908366

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著者プロフィール

山尾悠子(やまお・ゆうこ)
1955年、岡山県生まれ。75年に「仮面舞踏会」(『SFマガジン』早川書房)でデビュー。2018年『飛ぶ孔雀』で泉鏡花賞受賞・芸術選奨文部科学大臣・日本SF大賞を受賞。

「2021年 『須永朝彦小説選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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