- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167916114
作品紹介・あらすじ
行間から血の匂いが立ち上ってくるかのような迫力。
応仁の乱を描いた小説中の最高峰だ。――田中芳樹
応仁の乱――それは地獄の戦さだった。
かつて栄華を誇った都は燃え落ち、縦横に走る塹壕に切り刻まれ、泥と屍に覆いつくされた。連なる屋敷は高い土壁に守られて砦と化して、中枢は地下の壕内に設けられた。日が沈めば夜襲が行なわれ、矢が飛び交い、兵どもは無造作に殺されてゆく。そこにあったのはあたかも近代戦争のごとき総力戦、終わりの見えぬ中で人間がひたすら消費されてゆく戦だった。
行軍中に東軍・細川勝元が拾った瀕死の男。額に「犬」の文字の刻まれた男は、西軍の山名宗全に虐殺された集落の生き残りだった。男は宗全への憎悪を胸に、地獄の戦場に血路を切り開く。しかし敵方には中国渡りの最新兵器たる投石器を駆使する軍師がおり、苦戦を強いられる。一方、この大戦さの中にあって、これを収拾しようという姿勢もみせぬ将軍・足利義政の妻・日野富子は、渇いた心の救いを希い、戦火のなかを蓮如に面会すべく動き出そうとしていた。
京を灰燼に帰した応仁の乱とはいかなる戦争であったのか。その血みどろの風景を壮絶に描きつくす書き下ろし歴史伝奇小説。
感想・レビュー・書評
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【胸焼けのする戦】
これまで気になる武将から読む本を選んでたんだけど
戦国時代の始まりと言われる
応仁の乱をテーマにしたものを読んでみようと
思ったのが選んだきっかけ。
思惑や欲望が渦巻いてぐっちゃぐちゃ。
今までは
やれ○○曲輪が〜とか
本丸が〜とか
地形を利用して○○の陣形〜とか
そういう戦略的な戦を描いたものを読んでいたので…
霹靂車(投石機)が登場すると、
戦の様子が今までと様変わりして
読んでるのもしんどくなってくる。
まさに胸焼け。
「これは俺の知っている戦ではない」
最終的には骨皮道賢Forever詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
骨皮道賢の応仁の乱、戦いの軌跡。伝説として名を引き継いでいくと言うのは良かった。
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血と炎の京 私本・応仁の乱
第1篇 春の渇き 富子と蓮如(Ⅰ)
第2篇 地の底の戦場 道賢と宗全(Ⅰ)
第3篇 南無卒塔婆八万本 富子と願阿弥
第4篇 異形の夏 宗全と勝元
第5篇 山名宗全を討て 道賢と宗全(Ⅱ)
第6篇 白く長い道 富子と蓮如(Ⅱ)
文藝春秋社「血と炎の京 私本・応仁の乱」 2020年12月 -
室町無頼で今までノーマークだった室町時代に興味が出て読むことに。
骨皮道費は湖族、堅田衆の若頭・通武との設定。
残念なことに蓮田兵衛は出てこなかった。
他の室町時代、応仁の乱の話を読んでみたいけど少ない。やっぱり他の時代に比べると歴史的なヒーローが少ないし、人気がないのかな。
鎌倉時代、戦国時代より血生臭い、ものすごい時代だったという迫力が伝わってくる。 -
【応仁の乱、それは地獄の戦さだった】花の都は塹壕で切り刻まれ、唐渡りの殺戮兵器が疾る戦場。復讐鬼・道犬と、地獄の都で救いを希う日野富子を描く書下ろし歴史伝奇。