- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167916886
感想・レビュー・書評
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平成生まれのヒトナリ(平成)くんは
メディアに出る時代の人。
一緒に暮らす愛は、彼から突然
安楽死をすると告げられる。
平成の時代の終わりとともに、自分の時間も
終わると言う平成くんの安楽死をなんとか
止めようと愛は必死になる。
愛の気持ち、平成くんの理由
二人は反発と尊重の両端で揺れる。
大事な人から安楽死をすると告げられたら、
一体どう思うだろう。
どれだけ打ちのめされるだろう。
どうして安楽死を希望するのか、
理由を知ることはできるだろうか。
建前の理由ではなく本音を聞いた時
それを受け入れられるだろうか。
テーマは安楽死でもあるし、
何をもって生きてるというか。
もう一度読めば、作者の意図に少しは
近づけるだろうか、、、。
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いつもTVで見ている古市さんぽい。
※実際はわからないけど。 -
私は死生観について他の人と話すと、たいてい噛み合わなくなるので、なるべく話さないようにしている。平成くんと愛ちゃんも、ミライが死ぬ時どうするかという事一つとっても、考えが違っていて、ピッタリくることはない。正解がない(分からない)ことなので、難しいよね。安楽死についても、様々な意見があるの分かるし、じゃあどうしたらいいのかって、何とも言えないなぁ〜。ただ、平成くんと愛ちゃんの幸せがずっと続くといいなぁと願ってた☆
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筆者さんに惹かれて読んでみた。自分の中のこういう話が好きなんだよ、こういう男が好きなんだよ、こんな女が好きなんだよ、こんな話に感化されがちな自分が好きなんだよ、のいろいろな気持ちが複雑に混じりあったので、自分を落ち着かせるために時間が欲しい本。
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平成くんの、どこまでも論理的で聡明なのに垣間見える人間らしさとか不器用なところがすごくもどかしいと同時に愛おしかった
人は図らずも、誰かが生きていた記憶を背負ってしまうことがある。本当にそうだと思った
そして安楽死については、少しでも華のあるうちに穏やかに逝きたいという気持ちはすごく分かるけれどそれでは優生思想につながってしまうし、やっぱり難しいなと思った
フィクションとノンフィクションの境が時々分からなくなったけどその曖昧さがまた良かったのかな -
初心者の自分でも読みやすく一気読みしました。
安楽死がテーマと言う事で、あまり気持ちが落ちている時には途中お勧めできない表現や描写があるかと思います。ただ、決して命を粗末にするような話しではありません。
愛からの、君は・・・と呼ぶ話し方がなんか良い感じでした。
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この小説、賛否両論ある風ですが、私はかなり好きでした。
文体が、透明感があって、静かで、日本が舞台なのに現実感がない感じが、読んでて気持ちよかった。
普段は恋愛小説が(控えめに言っても)あまり好きじゃないですが、恋愛に乗せた、いろんな話がすごく心に刺さりました。
このへんは、さすが社会学者、なのでしょう。
舞台は、安楽死が合法化された架空の日本。
なお私は、安楽死大賛成派なので、このテーマもかなり良かった。