平成くん、さようなら (文春文庫 ふ 48-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167916886

感想・レビュー・書評

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  • 安楽死っていうテーマの中で人を好きになるとか、生きる意味とか、最期の迎え方とか2人の感覚が私にとってはなんていうか新鮮だなと思った。

  • 安楽死という重めの主題ながら、古市さんぽい飄々とした文で読みやすい。固有名詞がたくさん出てくるのも、平成ぽいし読みやすい。切ない終わり方は好きだ。

  • 安楽死について。
    安楽死が合法になったらこんな感じかなぁ、いい面も悪い面もあるなぁ…って。同性婚も、安楽死も、人の生き方に関して寛容な国になって欲しいと思うけど、やっぱいい事だけじゃないな。イフの世界を読めて面白かった。
    あとお金もちの生活いいなぁ憧れる…笑

    最後、悲しかったな。死んでしまったらもう、その人のことを思い出すことはできても、関わることはできないんだ。

  • 安楽死についてのお話。

    小説から作者の古市さんのお金持ち生活が垣間見える書き方が少し居心地悪かった…。自分が庶民だから悔しいだけなんだけれど。笑
    設定に現実味があって、未来の生死のあり方について考えさせられた。終わり方が個人的に好き。

  • 愛ちゃんと平成くんの関係が好き

  • 恋人から「安楽死しようと思う」と告げられるところから物語は始まります。突然自分にとって大切な人からそう告げられたら、自分だったらどう答えるだろうと思いながら読み進めました。
    安楽死を希望する平成くんと恋人の愛ちゃんのお互いを思う気持ちとそれぞれの考えを尊重したい気持ち、そして、それでも納得できない気持ち、そんな複雑な心理を見事に描写した作品だと思います。

  • 2021/08/12

  • 社会学者古市憲寿さんの初の小説。
    ずっと文庫化待ってました。

    古市さん自身のような立場の平成くんと
    ビックコンテンツ(多分ドラえもんがモデル)を
    生み出した父親の著作権で生きる愛ちゃんは
    景色の良いタワマンに住み、
    Googleでスケジュールを管理共有し
    庶民には縁遠い有名なレストランにウーバーで向かい
    ハイブランドの服を使い捨てのように着る生活。

    だけど
    ねえ平成くん、
    といつも優しく呼びかける愛ちゃんは
    平成くんに合わせてエキセントリックに振る舞っている
    だけの凡人だと自覚していて、
    当然平成くんの安楽死という自殺に納得はできず、
    平成という年号の終わりに向けての1年間
    語り合い、ぶつかり合いながら
    平成くんの安楽死について答えを出そうとしていく日々が
    淡々と、なぜか穏やか感じるように進んでいく。

    普段毒舌な社会学者としての古市さんしか
    見たことがなかったけど
    以前とても熱くSMAP愛を語ってるのを見て
    なんか思っていたより無機質な方では無いな?
    と思って、それまでより少し親近感というか
    普通の人っぽさを感じ、
    この、初の小説作品を読んで、古市さんの中に
    平成くんであり愛ちゃんである部分が存在しているのなら
    ますます愛くるしい人だなと感じる。

    この文庫版には用語注解がついていて
    作中に出てくるレストランや人物について
    愛ちゃんの視点で解説されているけど
    本編を読んだあとこれを読むと
    本編の終わりと解釈が少し変わってくる気がします。
    これ、ハードカバー版には付いてないってことなのかな?
    そちらを読んで自分なりにですが解釈した終わりのほうが、
    わたしはすき。

    ねえ平成くん、
    わたしは平成くんにはこっそりと
    愛ちゃんホームを持っていてほしいな。
    平成くんの大嫌いな暗闇の中でも
    ねえ愛ちゃん、って
    語りかけていてほしいな。
    だけどそうなってたら、すごく寂しいな。

  • なかなかにおもしろい。
    炎上で有名な古市さんのことが私は個人的に好きなので文庫本になって買いました!!笑笑

    いまは令和3年なので、平成の話が詰まってて数年前のことなのに、少し逆に取り残される気持ちになりました。実際に数年前の現実の日本のような気がして、あ〜安楽死という選択肢が本当にあるんだ。と、思って読んでしまいました。

    愛ちゃん目線なのがまたいい!
    素晴らしい。なんだか平成くんとは分かり合えないのに、付き合いたくとかないのに、愛ちゃんが少し、羨ましく思えました。ラストも個人的にはすごく良かったと思ってます。なんだかやるせないようなでも心が沈むわけでもなく、なんならちょっと前向きになれるような、いや、それはないか、でも読んで良かったです!!おもしろかった!!

  • 作者をTVで拝見する限り、ちょっとハナモチならないな、と思っていたが、作品からは意外と優しさを感じたので驚いた。まぁ、それも彼の作戦なのかも知れませんね(笑)嫌いじゃない。昭和生まれだけど。

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著者プロフィール

1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。2011年に若者の生態を的確に描いた『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。18年に小説『平成くん、さようなら』で芥川賞候補となる。19年『百の夜は跳ねて』で再び芥川賞候補に。著書に『奈落』『アスク・ミー・ホワイ』『ヒノマル』など。

「2023年 『僕たちの月曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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