満月珈琲店の星詠み~ライオンズゲートの奇跡~ (文春文庫 も 29-23)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167917920

作品紹介・あらすじ

八月の新月、三毛猫のマスターのもとに、美しい海王星の遣い・サラが訪れた。特別に満月珈琲店を手伝うという。人に夢を与えるサラが動いたことで、気後れして母に会えずにいた沙月、自分の気持ちを蔑ろにしてきた藤子、才能の限界を感じた作家の二季草、彼らの心の扉が開かれる。イラストとともに生まれる書き下ろし小説。

感想・レビュー・書評

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  • 満月珈琲店シリーズ最新作。

    ・未来は自分の選択で決まる。
    ・人の運気が滞る最大の原因は、「自分を偽る」こと。
    たとえ少しの偽りでもそれを重ね続けると大きな歪みとなっていく。
    ・心を無視し続けると自分が分からなくなる。
    ・自分を幸せにできるのは自分だけ。
    ・自分の心に耳を傾けることで内側が整う。内の中は、すなわち宇宙。そことつながることで、願いが叶っていく。

    これらは、とても印象的に残った言葉です。

    特に「未来は自分の選択で決まる」が今回の物語の大きなポイントだと思いました。
    人生の選択肢がたくさんある中で、決めるのは自分自身。そこで心を偽ると歪みになり、運気が滞り上手くいかなくなる。自分はどうなりたいか、自分はどうあるべきか、冷静になって自分の心に耳を傾けることが大切なんだと感じました。


    読み終えて元気をもらえる言葉がたくさんあって、明日からも仕事を頑張ろうと思いました。

    桜田千尋さんのイラストもとても素敵です。

  • シリーズ3作目。
    今作では、とにかく母藤子の男前っぷりに惚れた!
    身近にいたら、是非友達になりたいタイプ。
    青春時代に藤子に会えた渉や、娘の沙月が羨ましい。
    「全部ひっくるめて好き」と言ってくれる人の存在は、自分を強くしてくれるのだなと思う。

  • この作品にもたっぷり癒やしてもらえました!相変わらず表紙から可愛いし、またカラーで描かれている満月珈琲店オリジナルの逸品にも目を奪われ、またしても「いいなぁ~!」です(^^)

    この作品では、満月珈琲店を手伝うサラが活躍します!一作目にちょっとだけ登場した女優の沙月が再び登場、でも今作で主に登場するのは沙月の母藤子と作家の二季草…2人の過去と今の想いに焦点があてられます。

    今作では、星詠みの場面は少なく、逆に私としては読みやすく感じました!!ラストは本当によかったです。今回も優しい心温まるストーリーで、この読後感たまりません。

  • 満月珈琲店の星詠みシリーズ、第三弾。
    今回も涙が止まりませんでした。
    4作目も早く読みたいです。

  • 海王星のサラの働きにより心の扉が開かれる。誰かを幸せにしたいなら、まずは自分を幸せにする。そのためには常に自分の心に問いかけること。伝えたいことはシリーズを通して一貫している。今回は短編ではなく、主に藤子さんと鮎沢くんの物語。二人の関係がとても素敵で、幸せを祈りながら読んだ。愛情深く心温まる話だった。
    今を生きる、その連続が未来へ繋がっている。人生は選択の連続だけど、できるなら後悔のない選択をしたいもの。後悔にもいろんな種類があるけれど、私は言えなかった後悔が多いかな。ほんのちょっとの勇気とタイミングなんだよね。この本に勇気をもらった。言葉にして伝えていこう。

  • 今回は長編。
    前作からの流れも引き継いでいて、ここから読んでも充分に楽しめるけど、これまでを知っているからより楽しい。

    大事な事は3つ。
    一つ、本音を認めること。
    二つ、その本音を発している自分に対して事情をしっかり説明し、そして謝る。
    三つ、自分の中で決意表明をする。
    こうすると自分を蔑ろにせずに、被害者にもならず、新しい未来を歩いていける。
    物凄く突き刺さったな。

  • 星詠みについては前2作ほどではなく、それぞれの視点からの長編でした。

    鮎川さんの親の話で、とても真っ直ぐで強い藤子さんの過去から現在が書かれています。

    「恋愛感情なんて大きな愛の中のひとつでしかない」なんて、カッコいいなぁと思います。

    3作の中では1番好きです。うっすら涙しました。みんな幸せになってほしいですね。

  • 一作目に登場した鮎川沙月の背景とその後が知れた今作。

    沙月の母、川田藤子がカッコいい。
    海王星のサラが彼女に伝えた『自分の心に正直に生きる事』『自分に逐一問いかける事』。グサっときた。簡単なようで難しい。でもこれができないと誰かのせいにしてしまうのだろう。
    そして、家族に抑圧され、いじめにも遭う鮎沢渉は、自信も希望もない中で川田藤子と出会う。彼女の言葉に少しずつ心が解放されていく姿に、人と言葉の力が伝わる。2人が迎えた未来は素敵だなと思った。

    『自分を幸せにするのは自分』。まずは自分の心から目を背けずに認めることから始めよう。次作も楽しみ。

  • 今回は、一作目に登場した鮎川沙月に関係する話。まさか再登場するとは思わなくてびっくり。
    鮎川沙月の父と母の話。母親の藤子の話と父親の話が交錯しながら進んでいく。

    私は藤子の話が好きだったな。藤子の話を読んでたら、なぜか米津玄師さんの"Lemon"が頭の中に流れてきた。そして切なくなった。藤子の人柄に私は好感を持てたのだと思う。藤子の決断を応援したいと思った。

    その余韻で父親の話を読み進めていくと「えっ⁉︎」てなって、正直ちょっとシラけた。これは男と女の考え方の違いなのか?若さ故なのか?男女の友情は成立するのか?などなど色々考えてしまった。「ひどいなぁ」と思いつつ、これどういう風に話が終わるのか気になり、イライラしながら読み進めていった。まさか『満月珈琲店の星詠み』を読んでイライラするとは思わなかった。

    でも、最後までいくとそういう事かと分かり、そしてまた切なくなっちゃった。父親のずっと抱えてた想いを知ると悲しくて可哀想になった。そしてその想いを全て包み込む藤子の包容力。2人が分かり合うシーンがすごく良かった。最後はあのイライラが何処かに行ってしまった。やっぱりこのシリーズ最高。

    初めて登場した海王星の遣い、ラプトゥヌス。仲間からサラと呼ばれるようになったんだけど、サラが迷える人間たちをどう導いていくのかも注目して読んだ。サラはどこか夢み心地でフワフワした印象。こんな感じで導いていけるのか心配だったんだけど、その心配は無用だった。ちゃんと導いてハッピーエンドを迎えさせた。というかこの"ライオンズゲートの奇跡"は前の2作とハッピーエンドの迎え方が違い、びっくり。これもパワーの強い海王星の遣いが2人を導いたからなのかもしれない。

    "ライオンズゲートの奇跡"は驚きがいっぱいあり、なんか新鮮な感じでした。


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著者プロフィール

北海道出身、現在は京都在住。2013年にエブリスタ主催第二回電子書籍大賞を受賞し、デビュー。2016年「京都寺町三条のホームズ」で第4回京都本大賞を受賞。「京都寺町三条のホームズ」「京洛の森のアリス」「わが家は祇園の拝み屋さん」「満月珈琲店の星詠み」「京都船岡山アストロロジー」シリーズなど著書多数。

「2023年 『京都 梅咲菖蒲の嫁ぎ先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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